フジテレビはもはや「報道機関」ではない…「女性アナ上納疑惑」で露呈した"エンタメ企業化"という大問題

フジテレビはもはや「報道機関」ではない…「女性アナ上納疑惑」で露呈した"エンタメ企業化"という大問題

女性アナウンサーの会食接待を巡り、フジテレビのガバナンスに批判の目が向けられている。ジャーナリストの牧野洋さんは「フジテレビに限らず、日本の民放テレビ局は報道とエンタメが分離されていないという問題がある。公共の電波の利用者にふさわしい報道機関とは言えない」という――。

「楽しくなければテレビじゃない」というスローガン

タレントの中居正広氏の女性トラブルをきっかけに、フジテレビが「性接待」への組織的関与を疑われて深刻な危機に直面している。

そんななか、「公共の電波を利用しているのにけしからん」といった批判が噴出している。国民の財産である電波を独占しているのだから、報道機関として公共性の高さを自覚しなければならない──こんな議論である。

ここで一つ疑問が出てくる。そもそもフジテレビは報道機関なのか? むしろエンターテインメント(エンタメ)企業ではないのか?

フジテレビは1980年代から「楽しくなければテレビじゃない」というスローガンを掲げ、かつてバラエティ番組中心の編成で黄金時代を築いている。その意味で圧倒的にエンタメ企業だ。

渦中の港社長はバラエティ番組で出世

経営幹部もエンタメ出身。例えば、1月17日の記者会見で失態を演じた港浩一社長。「とんねるずのみなさんのおかげです」などのバラエティ番組をヒットさせ、2022年に社長に上り詰めている。

今回の女性トラブルはエンタメ部門で起きている。週刊文春などの報道によれば、エンタメ部門がタレントや芸能事務所とズブズブの関係にあることから、いわゆる「女子アナ上納接待」といった疑惑が出ているのだ。

2021年にモデルのマリエさんが「枕営業」告発に踏み切った際にも、起点となったのはフジテレビのバラエティ番組「クイズ! ヘキサゴン」だった。

参照記事:マリエの「枕営業」告発が、テレビや新聞で完全スルーされる本当の理由

詳細を見る

この記事を読んだあなたにおすすめ

画像

https://kidsna.com/magazine/article/entertainment-report-240924-41894406

2025.01.23

ニュースカテゴリの記事

教育を親の自己満足にしてはいけない。教育虐待になりうるハイパーペアレンティングの恐ろしさとは

教育熱心はどこまで?

この連載を見る
不安定な社会情勢やSNSなどを通じて得る過剰な教育情報によって、子どもの教育に奔走し、過干渉な子育てをする親が増加しています。行き過ぎた「教育熱心」が及ぼす危険性とは?そして子どもを疲弊させないために、親はどうあるべきかを専門家に聞いていきます。
【レポート】KIDSNAアンバサダー生誕2周年記念インスタライブ

2024年3月1日に開催したKIDSNA STYLEインスタライブ。お忙しい時間帯にもかかわらず、たくさんのアンバサダーのみなさまにご参加いただき、本当にありがとうございました!参加が難しかった方も多いと思うので、インスタライブの様子を簡単にご紹介いたします。