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【小児科医監修】手洗いは食育の第一歩。嫌がる子どもへの対応など
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医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック
医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック
日本小児科学会専門医・指導医。麻酔科 標榜医。久留米大学医学部卒業後、横浜市立大学附属病院、国立成育医療研究センター、東京女子医科大学八千代医療センター、国立感染症研究所勤務を経て、医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック院長に就任。専門は小児感染症、小児救急、アレルギー。
食育のひとつとして、子どもには自らすすんで手を洗う習慣を身に付けさせたいもの。子どもがなかなか手洗いをしたがらないのであれば、環境作りや手洗いに関する絵本を読むなどの工夫が必要かもしれません。子どもの正しい手洗いの習慣化をサポートできるような方法や体験談、手洗いにまつわる絵本を紹介します。
食育の基本「手洗い」
食育において、手洗いは基本中の基本。普段から「手洗いをしっかりしようね」と伝えていても、毎日のこととなるとつい洗い方がいいかげんになってしまったり、大切さを忘れてしまう子どもは多いでしょう。
食育であらためて手洗いについて教えることには、下記のような目的があります。
・手洗いの大切さを知る
・手洗いの方法を再確認する
・手洗いを習慣化する
きれいに手を洗うことは風邪やさまざまな感染症の予防につながること、習慣化することが大切ということを、子どもにわかりやすく伝えましょう。
正しい手洗いの方法
手洗いは正しく行わないと効果が薄れてしまいます。正しい手の洗い方を、いまいちど確認してみましょう。
- おもちゃのアクセサリーなどをつけている場合は必ず外す
- 手全体を流水でしっかりと濡らす
- せっけんをつけたら十分に泡立てる
- 手のひらと甲をよく洗う
- 指の間をよく洗う
- 爪の間も十分に洗う
- 親指は反対の手でねじるように洗う
- 手首も忘れずに洗う
- 蛇口をせっけんで洗い流してから、流水で手をすすぐ
- 清潔なタオルで水気を拭きとる
保育施設での手洗い取り組み事例
保育園などでは、手洗いの大切さを教える取り組みとして、以下のようなことをしているようです。家庭で取り入れられることも多いかもしれません。
・絵本や紙芝居を使い、視覚的にわかりやすく伝える
・手洗い場にポスターを貼り、毎回目に入るようにする
・手を洗うタイミングを徹底し、習慣化する
・看護師さんなど専門家を招き、正しい手洗い方法や手洗いの大切さをレクチャーしてもらう
家庭に専門家を招くことは難しいですが、子どもが好きなキャラクターが手洗いの方法をレクチャーしている動画などもあります。ママ・パパだけではなく、普段と違う人から教えてもらうことがポイントなので、このような動画も活用してみては。
手洗いを嫌がるときは
子どもは手洗いを嫌がることもあるでしょう。だいたい理由は下記のようなことが多いようです。
・手洗いが楽しくない、めんどくさい
・水が冷たい
・洗面所が怖い
・手が届きにくい
・手洗いをする理由が分からない
子どもが嫌がらずに手を洗うようになるためには、環境の整備は基本です。背伸びをして腕を思い切り伸ばして洗っているような状態であれば、手洗いが嫌になってしまっても仕方ありません。スムーズに手洗いができるように、踏み台や蛇口に取りつけるウォーターガイドを取り入れましょう。
また、ママやパパが歌を歌いながらいっしょに手を洗ったり、上手にできたらたくさんほめるなど、子どもが楽しい気持ちになれるような工夫をしましょう。キャラクターの形の泡が出てくるハンドソープの使用や、手洗いが上手にできたらシールを貼るなど、子どもが喜ぶアイテムを使うこともおすすめです。
手洗いを学べる絵本
手洗いの大切さを学べたり、手洗いがしたくなるような楽しい絵本を紹介します。
てあらイーモ うがイーモ
外から帰ってきたら、「てあらイーモ うがイーモ! 」 思わず口ずさんでしまうようなリズムがクセになり、親子でいっしょに楽しめるでしょう。
バイバイばいきんさん てあらいのまき
かわいいばいきんさんの目線を通して、手洗いが必要な理由を楽しく教えてくれる一冊です。
からだの「なぜ?」えほん なぜてをあらうの?
アメリカの生化学者と医師がSTEM教育にもとづき解説。子ども向けの絵本としては一歩踏み込んだ内容です。
体験談
手洗いに関する体験談を聞きました。
2児のママ
3児のママ
一年生の娘が料理の手伝いをしたがるので、とにかく食べ物を扱うときは手を洗うことと、しつこいくらいに教えています。
楽しみながら手洗いを習慣化しよう
手洗いの大切さを教えても、子どもは忘れてしまったり、ついめんどくさくなってしまいがち。子どもが嫌がらずに手洗いを続けられるように工夫をしながら、なぜ手洗いが大切なのかは繰り返し話すようにしましょう。楽しみながら手洗いを習慣化できるとよいですね。
監修:保科しほ
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保科しほ
日本小児科学会専門医・指導医。麻酔科 標榜医。久留米大学医学部卒業後、横浜市立大学附属病院、国立成育医療研究センター、東京女子医科大学八千代医療センター、国立感染症研究所勤務を経て、医療法人社団 敦保会 恵比寿こどもクリニック院長に就任。専門は小児感染症、小児救急、アレルギー。
年に数回、手洗いの重要性や正しいやり方を保育園で教えてもらっているようです。一度理解しても時間が経つと忘れてしまい、指の先をちょっと濡らすだけのようないいかげんな洗い方になってしまうこともあるので、定期的に話題にすることが大切だと思います。