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寡婦控除とは何か。条件などの基本的な内容をわかりやすく解説
配偶者控除との併用や未婚の場合などを紹介
寡婦控除や寡夫控除の制度についてご存知ですか?ママやパパの中には、寡婦控除とは何か、条件や控除額などを知りたい場合もあるのではないでしょうか。お金に関わることなので、制度内容はしっかり把握しておきたいですよね。今回は国税庁の資料を参考に、寡婦控除についてわかりやすくご紹介します。
寡婦控除とは何ですか?
寡婦控除や寡夫控除、聞いたことはあるけれど制度の内容まではわからないという方もいるかもしれません。どういった人が対象なのか、条件や控除額について知りたい場合もあるでしょう。
未婚の場合や寡婦控除と配偶者控除は併用はできるかなどを含め、寡婦制度に関する基本的な内容をわかりやすくご紹介します。
寡婦控除とは
寡婦控除や寡夫控除とはどのような制度なのでしょう。国税庁の資料を参考に調査しました。
寡婦や寡夫とは
寡婦や寡夫という言葉を聞きなれていない方もいるかもしれません。
一般的に寡婦は夫と死別や離婚などをして再婚せずにいる女性、寡夫は妻と死別や離婚などをして再婚せずにいる男性、という意味があるようです。
寡婦控除の対象となる寡婦の定義については後ほど紹介しますが、一般的な意味合いがつかめればより制度をわかりやすく理解できるのではないでしょうか。
寡婦控除とは
寡婦控除や寡夫控除とは、納税者が条件を満たすと一定の所得控除を受けられる制度です。
その年の12月31日の現況で判断されるため、年末調整や確定申告のときなどに気になる方も多いかもしれません。条件を満たせば会社員や自営業、パートなど問わず適用される制度です。
該当する可能性がある方は、確認してみてはいかがでしょうか。
寡婦控除の条件と控除額
寡婦控除や寡夫控除は3種類に分けられるようです。それぞれの条件や気になる控除額についてご紹介します。
寡婦控除の条件と控除額
一般の寡婦控除とは、納税者がその年の12月31日の現況で以下の条件いずれかを満たす人が対象となります。
- 夫と死別や離婚した後に婚姻をしていない人、または夫の生死が明らかでない一定の人で、扶養親族がいる人や生計を一にする子がいる人(この場合、子の総所得金額などが38万円以下で他の人の同一生計配偶者や扶養親族になっていない人に限る)
- 夫と死別した後に婚姻をしていない人、または夫の生死が明らかでない一定の人で、合計所得金額が500万円以下の人(この場合、扶養親族などの要件はなし)
例えば夫と離婚し一人で幼い子どもを育てているママや、夫と死別し合計所得金額が500万円以下の女性などは、一般の寡婦控除の対象となる可能性があるようです。
一般の寡婦と認定された場合、控除額は【27万円】となります。
寡婦控除(特別の寡婦)と控除額
一般の寡婦と認定された人の中で以下の全ての条件を満たす場合、「特別の寡婦」となるようです。
- 夫と死別や離婚をした後に婚姻をしていない人や、夫の生死が明らかでない一定の人
- 扶養親族である子がいる人
- 合計所得金額が500万円以下
特別の寡婦となった場合、控除額は【35万円】になり一般の寡婦と比べ8万円控除額が上がります。所得控除を受けて所得税が下がると、支払う住民税などを下げられる場合もあるようです。一度確認してみてはいかがでしょうか。
寡夫控除の条件と控除額
寡婦控除が女性を対象にした制度であるのに対し、寡夫控除は男性を対象にした制度です。納税者がその年の12月31日の現況で以下の条件のうち全てを満たすと、寡夫控除対象となります。
- 合計所得金額が500万円以下
- 妻と死別や離婚をした後に婚姻をしていない人や、妻の生死が明らかでない一定の人
- 生計を一にする子がいる人(この場合、子の総所得金額などが38万円以下で他の人の同一生計配偶者や扶養親族になっていない人に限る)
寡夫と認められた場合の控除額は【27万円】となり、特別の寡夫などはありません。男性と女性で制度内容が少し変わるので気にかけられるとよいでしょう。
寡婦控除の疑問
寡婦制度や寡夫制度の利用を考えている方の中には、配偶者控除との併用や未婚の場合は適用されるか気になる場合もあるかもしれません。寡夫控除に関する疑問を調査しました。
寡婦控除と配偶者控除は併用できるか
配偶者控除は寡婦控除と同様、その年の12月31日の現況で控除対象となるかどうかが決まります。配偶者を亡くしてしまった年などでは、それぞれの条件を満たしていれば寡婦(夫)控除と配偶者控除を併用できるようです。会社の担当窓口などで確認してみてもよいかもしれませんね。
未婚は寡婦控除の対象となるか
未婚のひとり親世帯への寡婦控除や寡夫控除は、現在の法律では認められておりません。未婚のひとり親への負担を軽減するため、寡婦や寡夫とみなして「寡婦(夫)控除のみなし適用」を受けられる自治体もあるようです。
申請方法や内容は自治体ごとに異なりますので、確認してみてもよさそうですね。
寡婦控除の疑問を解決しよう
子育て中のママやパパなどを助けてくれる寡婦控除や寡夫控除について、わかりやすく教えてほしいと思う場合もあるかもしれません。それぞれの条件を確認し、控除対象かどうか確認してみてはいかがでしょうか。
未婚の場合や配偶者控除との併用など、疑問を解決したうえで適切に利用できるとよさそうですね。
※記事内で使用している参照内容は、2019年5月20日時点で作成した記事になります。