【小児科医監修】インフルエンザ予防に適した飲み物、食べ物

【小児科医監修】インフルエンザ予防に適した飲み物、食べ物

2018.10.30

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千葉智子

千葉智子

上高田ちば整形外科・小児科 副院長/日本小児科学会 小児科専門医/日本小児科医会 こどもの心相談医

上高田ちば整形外科・小児科 副院長。小児科専門医として、その時代に合った子どもの医療の実践を心掛けている。3児の母として子育てをしながら、現役で活躍中。外来では、ホームケアの方法を分かりやすく説明し、自宅に帰ってから自信をもって看護できるように、保護者への説明を丁寧にするように心がけている。子育てに関する疑問、不安、工夫など、何でも相談しやすいクリニックを作り、「子どもの笑顔を作る」ために活動。

今年は早い段階での流行が話題となっているインフルエンザ。主に冬から春にかけて流行し、子どもの幼稚園や保育園、家族が感染すると感染が広がりやすい、感染力の強い感染症です。インフルエンザの予防になる食べ物や飲み物、家庭内でできる予防法について、小児科医の千葉先生に伺ってみました。

インフルエンザ予防が大切な理由

インフルエンザの流行

インフルエンザは例年秋から春にかけて流行し、感染すると高熱や頭痛、関節痛などの症状が現れます。

インフルエンザのウイルスは型が複数あるため、シーズン中に1度感染してもまた別の型のインフルエンザウイルスに感染する可能性があります。


インフルエンザワクチンの予防接種は?

ワクチンには4種類のウイルスに対する抗体を作るたんぱく質が含まれています。その型が、実際に流行した型と違ってしまうと効果が弱い、ということもあるかもしれません。また、B型インフルエンザにはそもそもワクチンの効果はでにくいといわれています。しかし、発症と重症化(肺炎、脳炎)など予防効果を期待して、ワクチン接種は流行前にしておくとよいでしょう。

子どもがかからないようにインフルエンザの予防、対策として、ほかにできることはないか知りたいママも多いでしょう。加湿やうがい、手洗いが有効とされていますが、食事でできるインフルエンザ予防対策もあります。

インフルエンザ予防によい食べ物や飲み物にはどのようなものがあるのでしょうか。

インフルエンザの予防によい食べ物

・ミネラル摂取や腸内環境を整えると、免疫力が高まります。
・ビタミンAの摂取は、粘膜を強くします。
・ビタミンCの摂取は、疲労回復を早めてウイルス感染の隙を与えないようにします。


ミネラルやビタミンA、ビタミンCを含む食べ物には実際には、どのようなものがあるのでしょうか。


発酵食品

画像
iStock.com/etorres69

発酵食品には乳酸菌やビフィズス菌が多く含まれています。乳酸菌やビフィズス菌が多く含まれているヨーグルトや納豆、キムチには腸内環境を整えて免疫力を高める効果があるといわれています。


卵には、内臓や筋肉など身体をつくるタンパク質が多く含まれています。免疫をつけるためには、ミネラルが必要ですが、卵の卵黄はミネラルのもととなる鉄や亜鉛が含まれているのでインフルエンザの予防に効果的な食べ物です。


緑黄色野菜

緑黄色野菜
leonori/Shutterstock.com

緑黄色野菜を苦手な子どもがいるかもしれませんが、ビタミンAには粘膜を強化し、ウイルスの侵入や炎症を防ぐ効果があります。ブロッコリーやにんじん、ピーマン、かぼちゃ、ほうれん草、春菊などの緑黄色野菜にはビタミンAが多く含まれているのでインフルエンザの予防に適しています。


ビタミンAは、目や皮膚、粘膜を丈夫に保ち、鼻やのどからのウイルスの侵入を防ぎます。免疫力を高める効果もあり、ビタミンAが多く含まれているうなぎやあなごなどの魚も積極的に取り入れたい食べ物です。


果物

ビタミンCは、白血球を強化したり、疲労回復効果があるといわれているので、インフルエンザ予防やインフルエンザにかかったときにも食べるとよいでしょう。キウイフルーツやいちご、みかん、バナナは果物のなかでもビタミンCが豊富なので、インフルエンザ予防に効果的です。

食事で心がけることも大切ですが、より手軽に、インフルエンザ予防に最適な栄養素を取り入れられる飲み物にはどのようなものがあるでしょう。

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インフルエンザの予防によい飲み物

果汁100%のりんごジュース

りんごジュース
iStock.com/kaorinne

りんごは、ビタミンCやカテキン、ポリフェノールが含まれていて、強い抗ウイルス作用があります。りんごに含まれるりんご酸には、疲労物質分解作用もあります。


飲むヨーグルト

ヨーグルトには、乳酸菌やビフィズス菌が多く含まれていて腸内環境を整え、免疫力を高める効果があるので、普通のヨーグルトだけでなく、飲むヨーグルトでも免疫力が高められます。飲むヨーグルトは持ち歩きにも便利なのでおすすめです。


果汁100%のオレンジジュース

オレンジにはビタミンCが多く含まれ、免疫力や抵抗力をつけられます。果汁100%だと、インフルエンザウイルスにも、より効果的です。


緑茶

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カテキンは、インフルエンザウイルスを不活化します。緑茶は、不発酵茶なので発酵茶のウーロン茶や紅茶よりもカテキンが多く含まれています。また、緑茶に含まれるエピガロカテキンガードという物質は免疫力を向上させる効果があるため、インフルエンザ予防に望ましいといわれています。1度にたくさん飲むのではなく、回数を分けて少しずつ飲むようにすると、のどの抗菌作用が維持できるのでよいでしょう。


はちみつレモン

レモンのビタミンCには、抗酸化作用があり、はちみつには、疲労回復の効果があるので、はちみつレモンは、抗酸化作用と疲労回復両方の効果が期待できます。ホットのはちみつレモンは身体も温まり、おすすめです。

インフルエンザ予防に効果的な食べ物を知ろう

食事をする子ども
iStock.com/Satoshi-K

インフルエンザ予防に効果的な食べ物はさまざまあります。ビタミンAやビタミンC、タンパク質、ミネラルなどの食べ物を積極的に取り入れることで、腸内環境を整え、免疫力がアップします。栄養が偏らないように、バランスよく食べることが大切です。

緑黄色野菜や発酵食品のなかには子どもが好まなかったり、食べにくい食品もあるかもしれませんが、調理方法を工夫したりしながら食べられるといいですね。

りんごやみかんなどの果物やヨーグルトはそのままでもインフルエンザ予防の効果がありますが、手軽に取り入れられるジュースや飲むヨーグルトでも効果があるため、家庭環境などで取り入れやすい方を選ぶとよいですね。

まずは、インフルエンザに効果的な食べ物を知ることが大事です。インフルエンザ予防に効果のある食べ物を積極的に取り入れて免疫力を高め、丈夫な身体を作りましょう。


監修:千葉智子先生(上高田ちば整形外科・小児科 副院長)

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千葉智子

千葉智子

上高田ちば整形外科・小児科 副院長。小児科専門医として、その時代に合った子どもの医療の実践を心掛けている。3児の母として子育てをしながら、現役で活躍中。外来では、ホームケアの方法を分かりやすく説明し、自宅に帰ってから自信をもって看護できるように、保護者への説明を丁寧にするように心がけている。子育てに関する疑問、不安、工夫など、何でも相談しやすいクリニックを作り、「子どもの笑顔を作る」ために活動。

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