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医師にきいてみた!インフルエンザ予防のポイントは?予防接種はいつがいい?
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内科医
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内科医として約10年間地方の病院・診療所に勤務した後、現在は総合診療医として非常勤勤務しながら、二人の子どもの育児中。
インフルエンザが流行し始めています。「できるだけかかりたくないけど、私の予防法、これで合ってる?」「予防接種って、今からでも間に合うの?」こんな疑問を、現役のお医者さんと一緒に解決しましょう。また、あまり知られていない「予防内服」という方法も、いざという時のためにご紹介します。
著者:箕島みな
内科医として約10年間地方の病院・診療所に勤務した後、現在は総合診療医として非常勤勤務しながら、二人の子どもの育児中
インフルエンザ、どうやって感染するの?
咳やくしゃみ
インフルエンザは、「飛沫感染」によって感染します。「飛沫」というのは、咳やくしゃみの時に飛ぶ、細かい水滴のこと。この中にインフルエンザのウイルスがいます。
この「飛沫」が直接口に入ったり、あるいは「飛沫」を浴びた手で食事をしたりすることで、インフルエンザに感染します。つまり、
【患者さん】→「はくしょん!」→【健康な人が細かい水滴を浴びる】
という経路で感染します。ですから、
・マスクの着用(特に、感染している人がマスクをすると効果的)
・咳エチケット(マスクがない場合、他人に向かって咳をしない)
・手洗い(特に外から帰った時、食事の前)
という基本的な予防策が大切です。
乾燥した室内、行楽地など
また、暖房などで室内が乾燥するとインフルエンザにかかりやすくなるので、加湿器などを使って部屋の湿度を50~60%に保つことも有効です。
そして、特に予防の必要な乳幼児・妊婦・免疫力の弱った人は、インフルエンザが流行している場所(行楽地など)に行かない、ということも有効な予防策です。
もちろん、普段から十分な睡眠と栄養を取り、体力をつけることも大切です。
予防接種で予防しよう!
医療機関によって料金は異なる
予防接種は、感染を予防したり、感染したときに重症にならないために、有効な予防方法です。
60歳未満の方は任意接種で自費となりますが、重症化しやすい乳幼児・妊婦・高齢者の方々には、接種をおすすめします。(妊娠中・授乳中でも接種できます)
また、医療機関によって料金が異なるので(1回接種で2500円~3500円程度)、口コミを参考にしたり、医療機関に問い合わせてから受診するのも良いでしょう。ちなみに、病院ではインフルエンザの患者さんをたくさん診察するので、病院職員はまとめて予防接種することが多いです。痛い……けれど、大切なことですね。
予防接種のタイミング
接種してから効果が出るまでに2週間程度かかるので、流行し始めてからではなく、早めの接種が肝心です。ただし、効果は5ヶ月程度なので、あまり早すぎると春先のインフルエンザを予防できない可能性があります。
一般的には10月~12月頃が接種のタイミングですが、今年は流行が早いので、まだ接種していない方は今すぐの接種を検討して頂いて良いと思います。接種のタイミングについてご不安でしたら、かかりつけの医療機関にご相談なさると良いと思います(電話して「いつ頃打ったらいいでしょう?」と聞くと、教えてもらえるはずです)。
「予防内服」という方法もあります
インフルエンザの治療薬として知られている「タミフル」などの薬ですが、実は、予防薬として内服することもできます。治療に使う場合とは使用する量が異なりますので、必ず医師にご相談ください。
もし、「家族がインフルエンザになってしまった、大事な会議などを控えているので、できるだけ発症しないようにしたい……」などという場合、予防内服することができます。
保険適応されないため自費になってしまいますが、(薬代で約3000円程度、プラス診察料などが必要です)、必要な場合は医療機関にご相談ください。受診前に、インフルエンザの予防内服の処方をしてもらえるか、電話で確認されても良いでしょう。
やっぱり予防が大切
インフルエンザにかかってしまうと、熱が出て大変つらい思いをしますし、乳幼児や妊婦さんでは重症化することがあるので、予防が大切です。まずは予防接種と普段からの体力作り、咳エチケットなど、できることから取り組んでいけるといいですね。
参考サイト
著者:箕島みな
内科医として約10年間地方の病院・診療所に勤務した後、現在は総合診療医として非常勤勤務しながら、二人の子どもの育児中