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【小児科医監修】インフルエンザで園をお休み。登園基準や再受診の目安
発症日が同じでも出席停止期間は異なる?
Profile
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
クローバーこどもクリニック院長/日本小児科学会専門医/日本アレルギー学会専門医
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
子どもがインフルエンザにかかったら高熱や全身症状などつらそうな姿をなんとかしたいと思いますよね。インフルエンザは登園基準が定められた感染症です。インフルエンザに感染したときの幼稚園や保育園の休みはどのくらいの期間になるのか、再受診の目安となる症状、ホームケアを解説します。
子どもがインフルエンザにかかったら
秋から翌春はインフルエンザが流行る時期ですよね。インフルエンザのウイルスには種類がありますが、高熱が出たり、関節痛や頭痛、倦怠感など全身症状を伴うのが特徴です。
疑わしいインフルエンザの症状が見られたら、なるべく早く病院を受診し、感染を広げないことが大切です。
インフルエンザの登園基準
インフルエンザは感染力が強いため感染すると、幼稚園や保育園では出席停止になる感染症です。学校保健安全法では「発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」は休みを取るように決められています。
専門家も以下のように言っています。
“
学校では、『発症した後5日を経過し、かつ解熱した後2日を経過するまで』は出席停止となります。発症した日が0日として考えます。保育園もそれに従うと思いますが、それぞれの保育園で取り扱いが違うことがありますので、問い合わせたほうがいいです。最近ではタミフルなどですぐに解熱するため、解熱した日というのはあまり考慮されず、発症した日から5日後を経過することを重要視することが多いです。
出典: AskDoctors
発症日が同じでも出席停止期間は異なる
例えば、インフルエンザを発症した日が同じ2人の子どもがいるとします。
発症後2日で解熱をした人の場合、解熱後から3日間は出席停止となるので、幼稚園や保育園に登園できるのは、発症日から5日経過した日になります。
発症後、5日で解熱した人の場合は、発熱の5日間と解熱後3日間の合計8日間は出席停止期間となるので、幼稚園や保育園に登園できるのは、インフルエンザを発症後の9日目に登園できます。
発症した日(病院で診断された日)を0日目と数え、解熱後3日間は休み、それ以降に登園するように決められていますが、熱が下がる日は子どもによってに違いがあるので、発症日が同じ日でも登園できる日にちは変わってきます。
インフルエンザのホームケア
インフルエンザにかかったときのホームケアについてご紹介します。
処方された薬をきちんと服用する
熱が下がってきたからと薬の服用を勝手にやめずに、処方された薬は医師の指示通りに飲むことが大切です。子どもが薬を飲めない、吸入できない場合は薬を変更してもらうなどの対応を医師に相談をしましょう。
衣服の調整
インフルエンザウイルスにはいくつか種類があるので、高熱が出る場合もあれば、熱がそれほど上がらない場合もあります。
一般的にインフルエンザA型は高熱が出ることが多いようです。熱が上がりきっていないときは、寒気を感じやすいので厚着をするようにしましょう。熱が上がりきって子どもが暑がっているときには薄着にし、温度を少し下げて室温を調整することが大事です。汗はこまめに拭き、子どもが嫌がらず心地よく感じていれば、濡らしたタオルや保冷剤を包んだタオルで頭や脇の下を冷やすのも効果的です。
こまめな水分補給
熱が出ると汗をかきやすく脱水状態になりやすいため、こまめな水分補給が必要です。
熱のために食欲がなくなったり、ミルクを飲めないことがありますが、そのようなときはブドウ糖とナトリウムイオンを溶かした経口補水液が吸収が早くおすすめです。
入浴
熱があっても子どもが元気な場合は、お風呂に入ってもよいですが、高熱があったり熱がそれほど高くなくてもぐったりしていたり食欲がないときには、お風呂に入ることで熱が再び上がる可能性があるのでお風呂は控えましょう。
子どもが高熱の場合や、元気がないときは濡れたタオルで汗や身体を拭いてあげるようにします。
消化のよい食事
インフルエンザで熱がでると、食欲が落ちがちになります。食欲がないときは、おかゆや豆腐、バナナなど消化のよい食べ物を選ぶようにしましょう。野菜スープは野菜がたっぷりとれて、身体も温まるのでおすすめです。
高熱で食欲のないときには、ゼリーやアイスクリームなど子どもが食べたいものを与えるようにしましょう。しかし、アイスクリームは身体が冷えてお腹を壊す可能性があるので、食べ過ぎには注意が必要です。
家でもマスクの着用
インフルエンザで咳の症状があるときは、感染を拡大させないために家でもマスクの着用をすることが大切です。マスクはのどの乾燥も防げます。
再受診の目安
インフルエンザで1度受診し、薬を正しく飲んだり、安静にしていると完治することがほとんどですが、インフルエンザから脳症を合併する可能性もあります。
けいれん症状やぼーっとしていて視線が合わない、呼びかけになかなか答えない、走り回るなどのいつもと違う行動や言動が見られたときは合併症を起こしているかもしれないので早めに受診しましょう。
また、呼吸が早く息苦しそうだったり、ゼーゼーと全身で呼吸をしていたり、顔色が悪い、または唇が紫色でチアノーゼを起こしているときには、肺炎や心筋症を起こしているサインかもしれません。
水分がとれず半日以上おしっこが出なかったり、嘔吐や下痢などの症状を伴う、ぐったりしていて元気がないときには脱水症状を起こしている可能性があるので受診が必要です。
インフルエンザの登園基準を理解しよう
インフルエンザは感染力が強いので、家族や幼稚園、保育園で誰か1人がかかると感染が一気に広がります。そのためインフルエンザに感染すると幼稚園や保育園では、学校保健安全法で「発症した後5日を経過し、かつ、解熱した後2日(幼児にあっては3日)を経過するまで」は休み期間と登園基準が決められています。
解熱後2日(幼児は3日)経過は解熱までに個人差があり同じ日に発症しても登園できる日にちに違いが出てくるので、登園基準をしっかりと把握することが大切です。
インフルエンザにかかったら、こまめな水分補給や衣服の調整、消化のよい食事などのホームケアでなるべく早く完治できるような対応が大事です。インフルエンザから合併症にかかることもあるので、療養中でも症状がよくならなかったり、普段と違う様子が見られたときにはすぐに再受診しましょう。
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眞々田容子
台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。
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