【小児科医監修】家族がインフルエンザに感染。家族内感染の確率や予防策

【小児科医監修】家族がインフルエンザに感染。家族内感染の確率や予防策

インフルエンザは何日後から注意が必要?

2019.10.23

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金髙太一

金髙太一

おひさまクリニック院長/日本小児科学会 小児科専門医/日本小児科医会 地域総合小児医療認定医/日本アレルギー学会/日本感染症学会

おひさまクリニック院長。小児科専門医、地域総合小児医療認定医。小児の感染症、アレルギー、免疫・膠原病を中心に東京、横浜の病院で研修・診療の経験を積み、2015年に東京の十条にておひさまクリニック(小児科、耳鼻咽喉科)を開院。子どもたちが健やかに成長していくためのサポートをしたいと思っております。また、3児の父でもあるので、子どもに関することでしたら、お気軽にご相談ください。

毎年流行するインフルエンザ。家族が感染した場合、何日後から注意が必要なのでしょうか。家族感染の確率や、再感染、いつまで予防が必要か気になることもあるかもしれません。今回は、インフルエンザの基本的な知識や、家族に感染する確率や再感染のリスク、家族内感染を予防するための対応について解説します。

家族がインフルエンザに感染したとき

インフルエンザは、毎年11月下旬から12月上旬頃にかけて流行が本格的になり、1月や2月頃にピークを迎えます。

家族のなかの誰かがインフルエンザウィルスに感染したときは、家族内感染の確率やいつまで予防が必要か気になることもあるかもしれません。また、インフルエンザにかかった場合、再感染はあるのでしょうか。

今回は、インフルエンザについてと家族感染の確率や再感染、予防策を解説します。

インフルエンザについて

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる気道の感染症です。一般的な風邪とは違って、症状が重くなりやすい傾向にあります。

ここでは、インフルエンザの原因や症状をご紹介します。また、潜伏期間や検査方法についても併せて解説します。


原因

人間の鼻やのどなどの呼吸器は、粘膜によって病原菌から体を守る働きがありますが、インフルエンザウイルスが体内に侵入すると、インフルエンザを発症する可能性があります。

インフルエンザに感染した人の咳やくしゃみからの飛沫感染が中心ですが、インフルエンザに感染した人がウイルスのついた手で触ったドアノブやスイッチを触って、口や鼻にウィルスを付けてしまうこと(接触感染)でもうつります。

また、環境によっては空気中にただようウイルスを吸い込む空気感染でもインフルエンザに感染する可能性があるため注意が必要です。


症状

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iStock.com/saiyood

インフルエンザウイルスには、A型やB型の2種類があります。(C型も型としては存在します。)一般的に、A型の感染が多いですが、その年によって流行する型は変化します。

インフルエンザに感染すると、突発的に38度から40度の高熱や、それにともなう頭痛や筋肉痛関節痛、倦怠感などの全身症状が現れます。

体の小さい子どもは、抵抗力が弱いためにインフルエンザの症状が重く現れる可能性があります。肺炎や気管支炎、熱性けいれんや脳症などの合併症を起こす場合もあるため、注意深く様子を見守りましょう。


潜伏期間

インフルエンザに感染してから発症するまでの潜伏期間は、1~3日と短い特徴があります。インフルエンザウイルスの感染は、一般的に発症の1日前から起こり、3日目をピークに、一週間ほどは感染する可能性があるため注意が必要です。


検査方法

インフルエンザの検査方法は、さまざまな種類がありますが、迅速診断キットを使う場合が多いです。発症直後はウイルスの数が少ないため、判断ができないこともあるので、発熱後12時間後を目安に病院で検査を受けましょう。

病院に連れていくタイミングがわからないときは、事前に電話などで病院に確認するとよいです。

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家族に感染する確率や再感染は?

子どもがインフルエンザにかかると、お世話などで接触が多い母親への感染リスクが高まります。逆に母親がインフルエンザを発症した場合は、子どもへの感染に注意が必要です。兄弟がいる場合は、兄弟間で感染する確率も高まります。

また、インフルエンザは、一度感染しても再感染するケースもあります。A型の感染後にB型に感染したり、同じA型でも、流行している型が主に2種類あるので、再感染する場合もあります。

インフルエンザの家族内感染を防ぐための対応

家族の誰かが1人でもインフルエンザにかかったら、家族感染を防ぐ対応が必要です。感染を広げないためのポイントについて解説します。


マスクの着用

インフルエンザに感染して咳やくしゃみが出るときは、マスクをすると、ウイルスの飛沫による家族感染の予防につながります。子どもがマスクの着用を嫌がるときなどは、咳やくしゃみをする際に口と顔を家族に向けないように気をつけましょう。

感染した人がウィルスを飛ばさないためにマスクをつけ、他の家族はもらわないようにマスクをつけましょう。


手洗いやうがいをする

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iStock.com/SDI Productions

鼻をかんだ際のティッシュを触った手や、咳やくしゃみの際に覆った手でドアノブやスイッチなどを触り、家族が間接的に触ると感染する可能性があります。外出先から戻ったときに手洗いやうがいを心がけている家庭は多いかもしれませんが、家の中でもこまめに手を洗うことが大切です。アルコールなどでの消毒も有効です。


換気をする

インフルエンザの予防には、室内環境も重要です。家族がインフルエンザに感染した場合は、家の空気をこまめに換気しましょう。2時間から3時間に1度、室内の空気の入れ替えをするのが理想です。


加湿をする

インフルエンザウイルスは、湿度が50パーセントを超えると生存率が低くなります。加湿器を利用して部屋の湿度を上げると家族内感染の予防につながります。また、湿度によって潤った空気は、咳でのどが痛い場合にも効果があるでしょう。


タオルや食器などを共用しない

インフルエンザにかかった家族と、タオルや食器類を共用すると家族内感染のリスクが高まります。食事の際は大皿ではなく、お皿を分けるようにしましょう。

子どもが感染した場合はなかなか難しいかもしれませんが、部屋をわけて、なるべくいっしょに過ごさないようにするのも予防につながります。

インフルエンザは早めの予防と対策を

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iStock.com/yaoinlove

家族がインフルエンザに感染したときは、家族内感染の確率が高まります。いっしょにすごす時間が長いママや兄弟へ感染する可能性が高くなりそうです。また、インフルエンザは再感染する場合があるため、一度かかったあとも注意が必要です。

インフルエンザの潜伏期間は1日から3日と短いですが、発症すると1週間近くは家族にうつる可能性があります。マスクをしたり、こまめな手洗いやうがいなどを心がけ、部屋の空気や湿度などにも気をつけましょう。

家族が感染した場合は、タオルや食器類を共用しないよう注意が必要です。家族内で感染が広がらないよう、早めに対応しましょう。

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金髙太一

金髙太一

おひさまクリニック院長。小児科専門医、地域総合小児医療認定医。小児の感染症、アレルギー、免疫・膠原病を中心に東京、横浜の病院で研修・診療の経験を積み、2015年に東京の十条にておひさまクリニック(小児科、耳鼻咽喉科)を開院。子どもたちが健やかに成長していくためのサポートをしたいと思っております。また、3児の父でもあるので、子どもに関することでしたら、お気軽にご相談ください。

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