【世界の離乳食】多種多様な食材で作る離乳食
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生後5カ月頃からスタートする離乳食。日本ではまずは10倍粥からスタートし、少しずつ食べられるものが増えていくが、世界の国々ではどんなものを食べさせているのだろうか。日本との違いも合わせて見ていこう。<FOOD&BABY 世界の赤ちゃんとたべもの>から世界の保護者にインタビューを行った国の中でも特徴的な5カ国の離乳食をご紹介。
チューリップや風車といった美しい街並みが思い浮かぶオランダ。離乳食は何を食べさせているのか。インタビューでは離乳食の量はどのように決めたかの問いに、「赤ちゃんがどれだけ食べたいかで決める」と回答があったように自由に子育てをしている様子。一方で赤ちゃんのためのコンサルティングサービスなどを利用する家庭もあり、一律の子育ての考えがあるわけでなく各家庭で多様な子育てを行っているようだ。
インドネシアでは離乳食を”MP-ASI(赤ちゃんのための栄養)”と呼ぶほかに”Makanan bayi(やわらかくて食べやすいもの)”とも呼ぶ。農村部や離島などでは十分な食べ物がなく、栄養不足の子どもが多いことから授乳期間が長く、3~4歳まで授乳を続ける家庭もあるようだ。
インタビューの中に「メキシコでは子どもの食事が管理されていません。コーラを飲んでいるお母さんが赤ちゃんにも飲ませている光景をよく見かけます。メキシコでは『同じたべものをシェアしているからいいこと』だと思っている母親も多いんです。」とあるように、日本のような手順や決まりごとがない。
ガーナでは大人も普段からくたくたに煮た野菜や、穀物を食していることから大人と同じものを食べるようになるのが早い。また貧困の影響で市販の離乳食を購入することは少なく、大人と同じものを食べる習慣に。
ブータンの農村部では8,9カ月で唐辛子を食べる子もいるそう。そもそもブータンでは唐辛子は野菜や果物という認識をされている。セレラックという世界中で販売されている市販の離乳食を赤ちゃんに与えることも多い。
単に離乳食と言っても国や食文化、子どもに対しての考え方により、食材や調理法、目的は様々である。
たとえば今回紹介しなかったフランスでは、離乳食のことを「L’alimentation Diversifiée / 多様な食事」といい、今後いろいろな物を食していくという意味合いが込められている。またオランダのように特別なものとして離乳食を扱うのではなく生活の一部として考えている国もある。
世界の離乳食を知るということは子育ての多様性を考える1歩になるかもしれない。
<出典>きひら まりこ,FOOD&BABY 世界の赤ちゃんとたべもの -世界の離乳食から見える ひと・社会・文化,三恵社
※今回の記事でご紹介したものは、世界の離乳食の一例です。新しい食材をとり入れる場合は、お子様の消化機能の発達に合わせた適当な食材・調理法を選びましょう。