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子ども向けオンライン学習のよいところ。公教育のオンライン学習事例も
新しい生活様式が取り入れられる今、生活の中でさまざまなオンライン化が進んでいます。子どものオンライン学習もそのひとつ。今回はオンライン学習のよいところや、環境づくり、オンライン学習を取り入れている自治体や世界のオンライン学習状況などを紹介します。
オンライン学習とは
「オンライン」とはインターネットに繋がっていること。反対に「オフライン」とはインターネットを介していないことを指します。つまり「オンライン学習」とは、インターネットを介して行う学習方法のことです。
「eラーニング」や「ICT教育」、Education(教育)とTechnology(テクノロジー)をかけ合わせた「EdTech(エドテック)」と呼ばれることもあるようです。
新しい生活様式の実施が求められる今、子どもたちの学習方法のひとつにオンライン学習を考える保護者も多いのではないでしょうか。まずはオンライン学習のよいところを見ていきましょう。
オンライン学習のよいところ
オンライン学習を初めて取り入れる場合、視覚と聴覚に頼った学習方法に不安を覚える保護者もいるかもしれません。
オンライン学習のよいところは、どのような点なのでしょうか。
スケジュールを組みやすい
オンライン学習は、毎週のレッスンに固定の曜日がなく、学びたいときに自分のペースで学習を進められるというよさがあります。
レッスンのスケジュールを無理なく組むことができ、送迎をする必要がないことも、忙しい保護者の負担を軽減するポイントかもしれません。
場所を選ばずに学習できる
地域によっては、学習したくても習い事の教室や学習塾が遠方の場合もあるでしょう。オンライン学習では、住んでいる地域を選ばずにどこでも学習することができます。
人気の先生の授業を受けることができたり、サイトによってはマンツーマンで先生に教えてもらうこともできるようです。
また一般的に、対面学習よりもオンライン学習の方が、安価なケースが多いこともポイントのひとつになりそうです。
子どもの成長を近くで見守ることができる
子どもはさまざまなことを吸収し、日々成長しています。学校や塾に通っている場合は、子どもの学ぶ姿を見る機会が少ないかもしれません。
一方、自宅で学ぶことのできるオンライン学習は、子どもの成長する姿を間近で見ることができるよさがあります。子どもがオンラインで学習を進めている合間に、保護者は家事ができる場合もあるそうです。
家族で受講できるコースもあるようなので、子どもといっしょに学びの楽しさを知っていくこともできるかもしれませんね。
オンライン学習に適した学習環境づくり
子どもが家庭でオンライン学習をする際は、どのような環境づくりを心がけるとよいのでしょう。
リビングで学習する
リビングやダイニングテーブルで勉強する「リビング学習」を取り入れると、保護者の目が届くため、子どもの学習理解度がわかりやすくなります。
また、子どもにとっても保護者のいる環境は安心するもの。
料理などの生活音で集中できないのではと考える方がいるかもしれませんが、シーンとした勉強部屋ではかえって集中しにくい場合もあるようです。適度な緊張感の中で集中して勉強できるかもしれません。
家の中で最もインターネット環境がよいのはリビング、という家庭もあるでしょう。通信環境の影響を受けやすいオンライン学習は、家の中でもインターネット接続が安定している場所を選ぶこともポイントです。
学習意欲を高める空間を作る
文字・数・思考など、子どもたちは学習の中で飛躍的な成長を遂げます。
しかし、たくさんの文字や数を教えてあげたい気持ちが先走り過ぎないように注意が必要かもしれません。遊びを取り入れながら、子ども自ら進んでのびのびと学習できる環境を用意したいですよね。
子どもの好奇心が広がるよう、本棚にたくさんの本を置いたり、世界地図などを壁に貼りつけたりと、子どもの興味を広げる工夫ができるとよさそうです。
オンライン学習にはさまざまなジャンルの学びが提供されているため、子どもの興味に応じた学習ができるサイトを探してみましょう。
集中しやすい空間を作るため、オンライン学習の前は部屋やダイニングテーブルの上を片づけるといいかもしれません。
椅子にこだわる
座っている時間が長くなりがちなオンライン学習では、椅子にこだわるという環境作りのアイディアもあります。
また、保護者の目が届く場所で学習する場合、ダイニングテーブルの椅子は食事を楽しむ目的のため勉強に適していないこともあるようです。
両足が床にしっかりとつく状態を保てるよう、子どもの身長にあわせて高さを調節できるものや、足置きの位置や背もたれの高さなども調整できる椅子を選ぶといいかもしれません。
椅子に長く座っていることができるために、適度なクッション性があることも大切です。
公教育のオンライン学習
公教育の場でも、さまざまな形でオンライン学習が取り入れられているようです。自治体と海外の事例を見てみましょう。
最先端の教育改革に取り組む自治体も
小学校の授業と聞いて、私たち親世代が思い浮かべるのはどのような光景でしょう。現代の小学校ではすでに、授業のあり方は大きく変わり始めています。
埼玉県戸田市立芦原小学校では、今年入学したばかりの小学1年生たちが、1人1台のパソコンを抱えて教室を移動し、クラウド型ツールの操作方法を習う授業では、デジタルデバイスを使いこなす姿も。
「子どもたちは、パソコンは目的ではなく手段であるということを分かっているのだと思います。
また、ひとつのメリットとして、オンラインだからこそコミュニケーションを取りやすい場合があるということも分かってきました。オフラインで行う今までの授業の中では、なかなか手を挙げて発言しない子が、オンラインだと自分の意見を躊躇なく言えることなども」と、藤川校長は語ります。
新型コロナウイルスが流行する前に“戻す”のでなく新しい学びの様式の“開始”として、オンラインとオフラインの良いところ取り教育を行っています。
オンライン学習でアナログの学びをサポートする国
1991年に独立回復したばかりの若い国、かつ日本の九州とほぼ同じ面積を持つコンパクトな国ながらも、電子政府の樹立や、ICTの普及で世界から注目を集めるエストニア。ロシアに隣接したバルト三国の一つです。
99%の行政サービスがオンラインで完結する電子国家エストニアでは、もちろん教育現場にもオンラインを導入しています。
一番の特徴は、ほぼ全ての公立校で導入されているプラットフォーム『eKool』。学校から子どもや保護者に連絡事項があれば、プリント配布ではなく、オンラインでデータが配信されます。そのため学校を休んでも、オンライン上で授業の進捗を知ることが可能に。
公立学校に全面的に広めたのは『取り残される子を作らない』というエストニアの国の姿勢。ICT教育のコアは、あくまでもインフラ整備と考え、プラットフォームは教育に広く活用されています。
オンライン学習で新たな学びを発見しよう
オンライン学習には、時間や場所を選ばないことや、子どもが学び成長する姿を近くで見られるといったよいところがあります。
家庭でオンライン教育を受ける際は、通信環境の整備や、リビング学習などオンライン学習に適した環境を用意することも大事なポイントになりそうです。
自治体や海外の事例では、オンライン学習は学ぶための「ツール」だと考えているようでした。学習のサポートツールとなるオンラインを上手に活用して、新しい学びに出会えるとよいですね。