子どもが習字の習い事をするメリット。教育効果や始めるタイミング

子どもが習字の習い事をするメリット。教育効果や始めるタイミング

2024.01.10

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高木 厚人

高木 厚人

大東文化大学教授/日展会員/読売書法会常任理事/日本書芸院副理事長/臨池会理事長/全日本書道教育協会名誉会長/2018年日展内閣総理大臣賞受賞

千葉県生まれ 京都大学卒業 大東文化大学教授 日展会員、読売書法会常任理事、日本書芸院副理事長 臨池会理事長、全日本書道教育協会名誉会長 2018年日展内閣総理大臣賞受賞

ママ・パパの子ども時代から習い事の定番であった習字。何歳から通うことができるのか、習字を習うメリット、用意するもの、教室選びのポイント、習字の習い事に関する体験談などを紹介します。

習字の教育効果

現在、小・中学校の授業で習う習字は毛筆を使用する「書写」として、2つの目的を持ちます。1つ目に、道具の持ち方や字の書き方を学び、文字を正しく整えて読みやすく書くことができるようにすること。2つ目に、それを学習や生活に役立てることです。

次に、高校では「書道」という科目になり、伝統や文化に裏打ちされた書の背景を学び、創造性や芸術性、感性を育むことによる自己表現を目的としています。

未就学児は習字道具の扱い方や正しく文字を書くことを目的として始めるとよいでしょう。

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※写真はイメージ(iStock.com/visualspace)

習字の習い事は小学生から始める人が多いようですが、未就学児から始めても無駄ではありません。

文字への興味を持ち始める年齢は子どもによってさまざまですが、ほとんどの子どもは未就学児のうちに興味を持ち始めます。実際に、年少の時点で8割以上の子どもが自分の名前を読めるようになり、年長の時点ではほとんどの子どもが自分の名前をひらがなで書けるというデータもあります。

その興味を持ち始める頃に習字を習うことで、正しい文字の書き方を学び、読み書き能力をより向上させることができます。

ちなみに、漢字3割、ひらがな7割で構成された文章がもっとも読みやすいと一般的に言われていますので、ひらがなをきれいに書けるようになることは、文章全体がきれいにより読みやすく見えるようになるでしょう。

参考:幼児教育、幼小接続に関する現状について/文部科学省


未就学児でも習える? 習字はいつ始めるのがよい?

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※写真はイメージ(iStock.com/key05)

習字の習い事はいつから始めるのがよいのか気になる人もいると思いますが、多くの習字教室では厳格な年齢制限はありません。

とは言え、まだ字が読めない頃から始めてもあまり意味はないので、ひらがなが読めるようになってから、文字を読むことを学びながら、同時に筆の使い方やきれいな文字の書き方を並行して学ぶのがよいでしょう。

一方で、習字技能を身につけると生涯役に立つので、始めるのが遅すぎるということはありません。子どもがやってみたいと言い出したら、手遅れとは思わずに、そのタイミングでやらせてみましょう。

習字を習うメリット・デメリット

習字を習うことで字がうまくなるのは当然ですが、他にもさまざまなメリットがあるようです。

集中力が身につく

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※写真はイメージ(iStock.com/kohei_hara)

習字では一度書いた文字を消すことはできません。やり直しのできない状況でとめ、はね、はらいなどひとつひとつの作業を静かに行いますので、小さい子どもでも自然と集中力を鍛えることができるでしょう。

国語力が身につく

小さいうちから日本語に集中して向き合ったり、まだ習ったことのない漢字を見たり書いたりする機会があるため、国語力が身につきます。

脳が活性化する

人間の脳は、思い描いているイメージを正しくアウトプットすることで活性化します。脳内にある「こんな風に字を書きたい」というイメージを繰り返し表現することで、脳の成長も期待できるでしょう。この効果は、習字だけではなく絵画やアートでも有効と考えられます。

チャレンジ精神が身につく


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※写真はイメージ(iStock.com/show999)

習字ならではのメリットではありませんが、「級」「段」があることによって、チャレンジ精神を養うことができます。子どもの中でも「次は〇級に受かりたいな」と目標を持ち、それに向かって努力することで、モチベーションが持続する効果もあるでしょう。

その他にも、姿勢がよくなる、礼儀作法が身につく、などのメリットも考えられます。

習字の習い事にデメリットは特にありません。ただ、習字(書道)に限らず「道」がつくものは比較的に長い時間をかけて身に付けていくものなので、ごく短期間で効果を期待することはむずかしいでしょう。

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習字の習い事の費用や準備するもの

習字の習い事は、3000円~7000円位の月謝が相場のようです。

準備が必要なものは、筆、墨、硯、紙、文鎮、下敷です。ただ、教室によっては紙や墨を用意してくれることもあるので、事前に確認しておくと無駄がないでしょう。

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※写真はイメージ(iStock.com/JannHuizenga)

教室の雰囲気は、先生によってかなり違いがありそうです。礼儀作法を含め厳しく指導してくれる先生や、和気あいあいと楽しく行う先生など、子どもの特性にあった教室を選ぶとよいでしょう。

また、一定の基準に到達するまで何度もやり直しをさせる先生もいます。そのような先生だと子どもの実力や精神面が鍛えられますが、時間通りに終わらないこともあるので、なにを重視して習うのかを考えて教室を選びましょう。

体験談

習字の習い事にまつわる体験談を聞きました。

小学校高学年のママ
小学校高学年のママ

習字の習い事をすると集中力がつきそうなイメージがあったので、子どもが低学年のころ習わせていました。しかし、教室にはにぎやかな子どもが多く、集中して習字に取り組むという雰囲気ではありませんでした。とはいえ、恥ずかしくないくらいの字を書くようにはなったので習わせて良かったかなと思います

小学校低学年のママ
小学校低学年のママ

娘が二年生になってから習字を始めました。先生が厳しい方なので、礼儀作法も身につくといいなと思っています。一方で娘は「先生が怖いから休みたい」と言うことも多いので、娘のモチベーションを維持するのが大変だなと不安な気持ちもあります

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※写真はイメージ(iStock.com/bee32)
2歳児のママ
2歳児のママ

どんなにデジタルの時代になっても字を書く機会はなくならないと思うし、きれいな字を書く人は素敵だなと思います。でも、たくさん習い事があるなかで子どもが習字をやりたいと思うかというと、難しいような気もしています

一年生のママ
一年生のママ

娘は年長から習字を始めました。最初のうちは一時間座っているのも難しかったのですが、今では姿勢よく座っていられるようになりました。習字を習ったことで、字がきれいになったことはもちろん、丁寧に書くようになったことが良かったところです。娘は性格が雑な部分があるのですが、習字の影響で物を丁寧に扱ったりもできるようになるといいなと思います

習字の習い事で子どもの成長を

習字の習い事はさまざまなメリットがあり、子どもの成長を促すきっかけになりそうです。一方で、先生や教室によって雰囲気や方針がまったく違うため、子どもにあった教室を選べるとよいですね。


監修:高木 厚人

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高木 厚人

高木 厚人

千葉県生まれ 京都大学卒業 大東文化大学教授 日展会員、読売書法会常任理事、日本書芸院副理事長 臨池会理事長、全日本書道教育協会名誉会長 2018年日展内閣総理大臣賞受賞

2024.01.10

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