子どもが演劇の習い事を始める5つのメリット!レッスン内容や体験談

子どもが演劇の習い事を始める5つのメリット!レッスン内容や体験談

2023.05.31

「演劇教育(ドラマ教育)」は、海外では公教育にも組み込まれることがあるほど、子どもに大きなメリットがあると考えられています。演劇の習い事によって得られるものや、演劇の習い事を始められる年齢、レッスン内容の一例、体験談をご紹介します。

「演劇」の教育効果

欧米では、演劇が公教育のプログラムに組み込まれていることもあります。「ドラマ教育」とも呼ばれるこの教育方法は、演劇的な技術や表現力を学ぶことで、表現力やコミュニケーション力、創造性、チームワークなどを育むことを目的としています。

言葉や身体、感情面など、さまざまな要素をかけ合わせて自己表現をする必要があるため、演劇教育は人間形成の側面においても注目され、日本でも少しずつ学校教育の場で取り入れられているようです。

ただし、まだまだその数は少数で、定期的に授業に取り入れているケースも少ないため、習い事で演劇を学ぶことが演劇教育に触れる近道かもしれません。演劇の習い事について詳しく見ていきましょう。

未就学児でも演劇を習える?

演劇の習い事を未就学児から始めることができるスクールもあるようです。演劇は相手や先生の言葉を理解する必要があるため、会話によるコミュニケーションが問題なくとれる3~5歳以上を対象としているスクールもあります。

また、未就学児と小学生、年齢別など発達に応じてクラス分けをしているスクールもあれば、異年齢の子どもたちが混合でレッスンを受けることもあるようです。

未就学児の演劇プログラムは、実践的なスキルよりも、遊びの要素を取り入れ楽しさを重視したものが多いようです。子どもたちが「表現することの楽しさ」を知り、自己表現の土台を築く目的で行われています。

演劇の習い事、5つのメリット

子どもが演劇を習うメリットは主に以下の5つです。


1.表現力を育む

喜怒哀楽、さまざまな感情を表現する演劇は、多彩な表現力を育むことができます。演技に必要な身体表現や声のトーンなどを調整し、練習を続けることで表現力はさらに磨かれることでしょう。

また、物語や役を解釈して創造性を働かせることで、自分なりの表現を追及することができるかもしれません。


2.コミュニケーション能力を養う

共同作業を通じてチームワークやリーダーシップを学ぶことのできる演劇は、子どものコミュニケーション能力を育みます。

演劇は、役者だけでなく、監督、演出家、脚本家、照明、音響などさまざまな人が関わり、一人で成立させることはできません。子どもの習い事の場合は、役者以外は大人が担うかもしれませんが、さまざまな年代の人と舞台を作り上げる機会は、子どものコミュニケーションの幅が広がるチャンスです。


3.振る舞い方や発声の仕方がよくなる

※写真はイメージ(iStock.com/fizkes)
※写真はイメージ(iStock.com/fizkes)

演劇の習い事は、演技指導だけでなく、発声・発音練習、歌、ダンス、柔軟体操などをレッスンに取り入れているスクールもあります。礼儀作法などを学べることもあるため、立ち居振る舞いや姿勢に日頃から意識を向けやすくなるでしょう。


4.他者の気持ちを想像できるようになる

役になりきることを求められる演劇では、その役が何を感じているか想像することが欠かせません。素の自分ならば言わないようなセリフがあれば、「なぜこの役はこんなことを言うのだろう」と子どもは想像します。

また、日常生活の中ではなかなか経験することがない、強い感情を呼び起こすこともあるかもしれません。子どもは役を通して自分以外の他者の気持ちを推し量ったり、そのシチュエーションに置かれた時の感情を疑似体験することができます。

演劇の習い事をすることで、日常的に想像力を働かせ、他の人の気持ちを考えて行動することができるようになるかもしれません。


5.文化的・社会的背景の理解に役立つ

さまざまな舞台設定で行われる演劇は、子どもが文化的背景を知ることにも役立ちます。たとえば100年前のヨーロッパが舞台ならば、その時代の人々がどのような生活をしていたか知ることで役への理解が深まるでしょう。

演劇の習い事で注意したいこと

演劇を習うことは、子どもたちの成長や学びに貢献するため、プラス面が大きいといえますが、注意しておきたいこともあります。

一つは、そもそも演劇の習い事自体が限られるため、スクールまでの送迎が親子の負担になる可能性があることです。舞台などの発表がある場合、練習時間が長くなることもあります。

また、レッスン費用の他に衣装や小道具に別途費用がかかったり、保護者が用意する必要があったりと、追加費用や準備の時間がかかる場合があるので、事前に確認しておくと安心です。

もう一つ注意しておきたいことは、習い事から「子役」の仕事になった場合です。大人と同じ現場で仕事をすることになるため、学業との両立やメンタル面のケアなど、保護者のフォローが欠かせません。

子役を目指す場合でも、演劇の習い事を楽しむ場合でも、無理なく始められるといいですね。

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未就学児の演劇はどこで習える?

※写真はイメージ(iStock.com/nicoletaionescu)
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中高生になると部活で演劇を始めることもできますが、未就学児や小学生はどこで演劇の習い事を始めることができるのでしょう。


演劇スクールや教室

演劇専門のスクールや教室では、元劇団員や役者などの指導者が子どもたちを指導します。週1回など定期的に通うことができるため、演劇の習い事を始めるにはぴったりかもしれません。ただし、スクールの数が少ないため、自宅から通える範囲にあるか、交通手段や移動時間を確認しておきましょう。


演劇団体・劇団

演劇団体や劇団でも演劇を習うことができる場合もあるようです。劇団によって舞台のカラーが大きく異なるため、申し込む前に実際の舞台を見て、この舞台に立たせたいか、子どもに合いそうかなどチェックしておきましょう。

定期的に募集していることは少ないようなので、お気に入りの劇団があれば情報を逃さずキャッチしておきましょう。


養成所・芸能事務所

養成所や芸能事務所でも演劇の指導を受けることができます。将来的に俳優を目指したり、子役を目指したりと、本格的に演劇を習いたい子どもが多く通っていますが、習い事として楽しく通っている子どももたくさんいるようです。

養成所や芸能事務所で演劇を習うためには、書類審査やオーディションを通過する必要があります。


文化施設

地域の文化施設や公民館などでも、子どもが演劇を学ぶ機会があります。1回限りの単発ワークショップから、10回や年単位の連続講座など開催頻度はさまざまです。

人気ですぐに埋まってしまうこともあるため、地域のお知らせや自治体の広報誌などに目を通しておくと、見逃さずに済むかもしれませんね。

演劇の習い事のレッスン内容

演劇の習い事ではどのようなことをするのでしょう。演劇スクールで習うことの一例を紹介します。


発声・発音練習

発声や発音などのトレーニングを行うことで、表現の幅が広がるため、演技に必要な発声の練習を行います。


身体を使った表現の練習

※写真はイメージ(iStock.com/mokuden-photos)
※写真はイメージ(iStock.com/mokuden-photos)

どんな役も演じることができるように、身体の使い方のトレーニングも欠かせません。子どもの習い事では、リズム感を育む簡単な体操から始めることが多いようです。


基礎的な演技スキル

悲しい時、嬉しい時など、さまざまな感情を表現したり、与えられたシチュエーションで即興の演技をしたりすることで、基本的な演技のスキルを学びます。未就学児の習い事では行うことはないようですが、演劇歴が長くなると劇の構成や演出について学ぶことができるようです。


グループでの作品づくり

演劇スクールでは、子どもたちが話し合って一から劇を作り上げることもあります。台本づくりから、セリフの練習、演出など、舞台公演の経験だけでなく、作品を完成させるための全ての工程を経験することができる場合もあるようです。

演劇の習い事の将来性

※写真はイメージ(iStock.com/Giancarlo Restuccia)
※写真はイメージ(iStock.com/Giancarlo Restuccia)

演劇を習うことは、将来的にさまざまな分野で活躍するための力を身につけることができます。

演劇に直接関わる職業としては、俳優、舞台監督、美術スタッフ、音響・照明スタッフ、演劇の企画を行うプロデューサーなどがあります。

その他、役者のマネジメントをする芸能事務所、演劇の公演をする興行会社、劇場スタッフや、映画やドラマなどの制作や現場でも、演劇の習い事で得たスキルが役立つかもしれません。

演劇に関わらない職業に就いたとしても、演劇から学んだ表現力やコミュニケーション能力、相手の気持ちを想像する力が無駄になることはありません。

【体験談】演劇の習い事をどう思う?

演劇の習い事について保護者の体験談を教えてもらいました。

 
 

体を使ったり、セリフを覚えたり、想像力を働かせたり……演劇の習い事は子どもにとってすごくいいと思うのですが、できる場所が少ないことが残念です。

 
 

育児本に演劇の習い事がおすすめと書いてあるので、興味があります!

 
 

観劇が好きでたまに観に行くと、役者さんの表現力に圧倒されます。自分以外の誰かになりきることは人生を疑似体験することでもあり、人間的にも成長するだろうなと。

単純に習い事として演劇を習わせたいと思っているのですが、近くに習えそうなところがなくて諦めています。近くの中学の演劇部は、県大会に出場しているらしいので、その頃子どもが演劇に興味があるといいなと密かに願っています。

女性2
女性2

他の子どもと関わりながら、のびのび自分を表現できる習い事を探して、演劇にたどりつきました。今のところ芸能活動はせずレッスンだけ受けていますが、子どもは毎回楽しそうです。演劇の習い事を選んでよかったと思います。

子どもの表現力育む演劇の習い事

※写真はイメージ(iStock.com/Milatas)
※写真はイメージ(iStock.com/Milatas)

表現力は、さまざまな分野で役に立つスキルの一つです。演劇を通じて、声や身体の使い方、感情表現やコミュニケーションスキルなど、表現力を高めるためのトレーニングを行うことができるため、演劇の習い事は、子どもの表現力を効果的に育むことができるといえるでしょう。

子どもが自分自身を表現するための練習の場となる演劇の習い事を、楽しく始められるといいですね。

2023.05.31

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