妊娠7ヶ月である妊娠25週目は安定期といわれていますが、この時期の妊婦さんはお腹が大きくなるにつれて妊娠糖尿病や尿路感染症などの新たなトラブルも出やすくなります。妊婦さんの体調や、赤ちゃんの様子を医学博士で産婦人科医、田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生監修のもと解説します。
妊娠7ヶ月である妊娠25週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。
病院によって週数にバラつきがあるものの、妊婦さんの2~5%は妊娠糖尿病を発症するため妊娠24~28週の間に糖尿病検査を行うことが勧められています。妊娠糖尿病の検査方法は、ブドウ糖負荷試験です。ブドウ糖50g を口から摂取し、1時間後に採血をして血糖値を測定します。
血糖値の数値によっては、再検査になる可能性があります。高血糖は出産後におさまることがほとんどですが、妊娠経過や出産にリスクをもたらすことがあったり、赤ちゃんが糖尿病を発症することがあり注意が必要です。
妊娠25週頃になると、妊娠糖尿病だけでなく貧血の検査など血液検査がふえます。健診のあるときは血液検査もする、と思っておいた方がよいかもしれません。
超音波(エコー)検査を通して、赤ちゃんの性別が分かったら赤ちゃんの肌着やツーウェイオール、ベビー用布団やシーツなどの育児グッズを揃えだしてもよいでしょう。妊娠25週目は、妊婦さんにとってまだ身動きが取りやすい時期なので、早めに準備しておくとよいかもしれません。
これから本格的にお腹が大きくなってくると美容院のイスに座っていることがつらくなります。妊娠25週目のときにはまだイスに座っていられる時期なので、この時期に美容院に行っておくことをおすすめします。
妊娠25週は子宮が大きくなり、胎児と羊水、皮下脂肪の重さで体重が急増する妊婦さんが珍しくありません。急な体重増加は妊娠糖尿病を引き起こす可能性があるので、食事は和食を中心にしたり、量を調整して体重のコントールをすることが必要です。
食事内容を考慮するだけでは、体重のコントロールが難しいときは、軽いウォーキングや体操など意識して身体を動かすようにするとよいでしょう。
妊娠7ヶ月である、妊娠25週は赤ちゃんに感情が出てくるころです。
まだ喜怒哀楽は育っていませんが、これから感受性が高まっていくので、マイナスな気分は赤ちゃんに伝わりやすいとも言われています。妊婦さんはリフレッシュしながら過ごしましょう。
妊娠25週目の赤ちゃんは聴覚が発達する時期です。ママやパパが大声でケンカをしたり、音楽を大きな音で聴くなどの行為は赤ちゃんがストレスを感じてしまうかもしれません。
赤ちゃんがびっくりしたり、ストレスを感じてしまう大きな音は避けるようにしましょう。
子宮が大きくなって膀胱が圧迫されると頻尿になったと感じる妊婦さんも多いようです。
尿路感染症は、尿道口から細菌が入って感染することによって起こります。
妊娠中は子宮が大きくなり、膀胱が圧迫されるので尿の流れが遅くなります。尿の流れが遅くなると、細菌が洗い流されにくくなって尿路感染症にかかりやすくなります。おしっこをするときにヒリヒリ焼けつくような痛みを感じたり、白く濁ったような尿に血液が混じったりしているときには尿路感染症になっているかもしれません。
我慢しないでこまめにトイレに行ったり、1回のトイレで尿を出し切るようにしましょう。
妊娠7ヶ月である妊娠25週目は、一般的に安定期と呼ばれています。お腹のなかの赤ちゃんは、聴覚や視覚、嗅覚などの感覚も発達してきて、どんどん成長しています。
外からの声や光などの刺激を感じられるようにもなるので、ママ自身が音楽を聞いたり、絵画や読書を楽しむとそれが赤ちゃんに伝わる時期なので、ママはストレスを溜めずにお腹のなかの赤ちゃんに積極的に話しかけてみましょう。
安定期といわれている時期ですが、子宮が成長すると体重が増加して妊娠糖尿病や尿路感染症などの病気にも注意が必要になります。食事を管理して体重をコントロールしたり、お腹の張りやむくみなど身体がつらいと感じたときには休養をとるようにしましょう。
杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
信州大学卒医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。
患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
2019年06月26日
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