【産婦人科医監修】妊娠25週目(妊娠7カ月)を迎えた妊婦さんと赤ちゃんの様子

【産婦人科医監修】妊娠25週目(妊娠7カ月)を迎えた妊婦さんと赤ちゃんの様子

安定期なのに検査が増える?

妊娠7ヶ月である妊娠25週目は安定期といわれていますが、この時期の妊婦さんはお腹が大きくなるにつれて妊娠糖尿病や尿路感染症などの新たなトラブルも出やすくなります。妊婦さんの体調や、赤ちゃんの様子を医学博士で産婦人科医、田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生監修のもと解説します。

杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

妊娠週数25週目とはどんな時期?

妊娠25週は週数でいうと、一般的に安定期とよばれる妊娠7ヶ月の2週目です。

お腹が一段と大きくなり、胎動もはっきり感じられる時期です。

妊娠25週目の妊婦さんの特徴

妊娠7ヶ月である妊娠25週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。

体調

ホルモンバランスの影響で、歯茎が腫れたり、出血したり、放っておくと歯周病が進行するなど口内環境が悪くなります。ホルモンの影響や、子宮が大きくなって腸や肛門の血管が圧迫されて血液の流れが悪くなり、になる人もいます。

お腹の大きさ

お腹は、妊娠24週のときと比べてまた一回り大きくなります。子宮の上部はおへそを越えて、おへその上の方まで丸く膨らんできます。

妊娠25週目の妊婦さんの身体

妊娠25週になると、胎動がより強く感じられるようになり、なかには痛いと感じる人もいるようです。

子宮が大きくなると膀胱が圧迫されるので、頻尿になったり、お腹が大きくなると下半身の血液の流れが悪くなり、むくみを感じやすくなります。体重が増加しお腹が大きくなり、足に負担がかかり、ふくらはぎが引きつって痛んだり、血管が圧迫されて下半身の血流が悪くなり、足がつることがあります。

また、ホルモンバランスの変化でママの体毛が濃くなることがあります。乳輪部の色素沈着も進みますが、どちらも産後に戻ることがほとんどです。妊娠中はメラニン色素が増えるので、シミ、そばかすが増える人もいます。


妊娠25週目の赤ちゃん

妊婦さんの足のむくみ
srisakorn wonglakorn/Shutterstock.com

大きさや胎内での様子

個人差がありますが、このころの赤ちゃんの体重は平均するとメロン1個分程度の重さでしょう。鼻の穴が通り、口をあけたり、しめたりして呼吸の準備をしています。おっぱいを飲むための準備で口周りの神経も発達してきます。この時期、へその緒も太く成長しますが、長さや太さには個人差があります。

妊娠25週になると、目の水晶体が完成するので、今まで明るさがぼんやり分かる程度だった視力が発達してきますが、水晶体の周りの筋肉はまだ十分に発達していないので、しっかり物が見えるようになるにはもう少し時間がかかるようです。

毛細血管が発達し皮膚がピンク色になるのも特徴です。

妊娠25週頃になると、大脳皮質が発達して神経がより細かくなるので、記憶や感性が育ち、感情が出てきたり、感受性が高まります。脳や視覚、嗅覚等も発達するので、明るさや暗さが判別できるようになったり、においも分かるようになります。聴覚も発達するので、ママやパパの声も届くようになるようです。


身体の形

妊娠25週の赤ちゃんの身長は、30㎝程度です。皮下脂肪がつき、身体が少しふっくらしてきます。

妊娠25週目のうちにやっておきたいこと

検査に備える

病院によって週数にバラつきがあるものの、妊婦さんの2~5%は妊娠糖尿病を発症するため妊娠24~28週の間に糖尿病検査を行うことが勧められています。妊娠糖尿病の検査方法は、ブドウ糖負荷試験です。ブドウ糖50g を口から摂取し、1時間後に採血をして血糖値を測定します。

血糖値の数値によっては、再検査になる可能性があります。高血糖は出産後におさまることがほとんどですが、妊娠経過や出産にリスクをもたらすことがあったり、赤ちゃんが糖尿病を発症することがあり注意が必要です。

妊娠25週頃になると、妊娠糖尿病だけでなく貧血の検査など血液検査がふえます。健診のあるときは血液検査もする、と思っておいた方がよいかもしれません。 

ベビー用品の準備

超音波(エコー)検査を通して、赤ちゃんの性別が分かったら赤ちゃんの肌着やツーウェイオール、ベビー用布団やシーツなどの育児グッズを揃えだしてもよいでしょう。妊娠25週目は、妊婦さんにとってまだ身動きが取りやすい時期なので、早めに準備しておくとよいかもしれません。

美容院に行く

美容院
iStock.com/TonTectonix

これから本格的にお腹が大きくなってくると美容院のイスに座っていることがつらくなります。妊娠25週目のときにはまだイスに座っていられる時期なので、この時期に美容院に行っておくことをおすすめします。

妊娠25週目の妊婦さんが注意すること

体重増加に注意

妊娠25週は子宮が大きくなり、胎児と羊水、皮下脂肪の重さで体重が急増する妊婦さんが珍しくありません。急な体重増加は妊娠糖尿病を引き起こす可能性があるので、食事は和食を中心にしたり、量を調整して体重のコントールをすることが必要です。

食事内容を考慮するだけでは、体重のコントロールが難しいときは、軽いウォーキングや体操など意識して身体を動かすようにするとよいでしょう。

ママはリフレッシュしながら過ごして

妊娠7ヶ月である、妊娠25週は赤ちゃんに感情が出てくるころです。

まだ喜怒哀楽は育っていませんが、これから感受性が高まっていくので、マイナスな気分は赤ちゃんに伝わりやすいとも言われています。妊婦さんはリフレッシュしながら過ごしましょう。

ケンカや大きな音を避ける

妊娠25週目の赤ちゃんは聴覚が発達する時期です。ママやパパが大声でケンカをしたり、音楽を大きな音で聴くなどの行為は赤ちゃんがストレスを感じてしまうかもしれません。

赤ちゃんがびっくりしたり、ストレスを感じてしまう大きな音は避けるようにしましょう。

尿路感染症に注意

子宮が大きくなって膀胱が圧迫されると頻尿になったと感じる妊婦さんも多いようです。
尿路感染症は、尿道口から細菌が入って感染することによって起こります。

妊娠中は子宮が大きくなり、膀胱が圧迫されるので尿の流れが遅くなります。尿の流れが遅くなると、細菌が洗い流されにくくなって尿路感染症にかかりやすくなります。おしっこをするときにヒリヒリ焼けつくような痛みを感じたり、白く濁ったような尿に血液が混じったりしているときには尿路感染症になっているかもしれません。

我慢しないでこまめにトイレに行ったり、1回のトイレで尿を出し切るようにしましょう。

子宮の成長に伴う注意が必要な時期

妊婦と女の子
iStock.com/karinsasaki

妊娠7ヶ月である妊娠25週目は、一般的に安定期と呼ばれています。お腹のなかの赤ちゃんは、聴覚や視覚、嗅覚などの感覚も発達してきて、どんどん成長しています。

外からの声や光などの刺激を感じられるようにもなるので、ママ自身が音楽を聞いたり、絵画や読書を楽しむとそれが赤ちゃんに伝わる時期なので、ママはストレスを溜めずにお腹のなかの赤ちゃんに積極的に話しかけてみましょう。

安定期といわれている時期ですが、子宮が成長すると体重が増加して妊娠糖尿病や尿路感染症などの病気にも注意が必要になります。食事を管理して体重をコントロールしたり、お腹の張りやむくみなど身体がつらいと感じたときには休養をとるようにしましょう。

監修:杉山 太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

No Image

杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)監修の記事一覧(バックナンバー)

信州大学卒医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。

患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。

田園調布オリーブレディースクリニック

2019年06月26日

  • 「黒人」のイメージはどう作られた?【親子で学ぶ差別/前編】
    エンタメ
    取材レポート

    「黒人」のイメージはどう作られた?【親子で学ぶ差別/前編】

    親子で「差別」について考える連載。コミックエッセイストのハラユキさんといっしょに、さまざまな専門家の方々に疑問を投げかけ、子どもへの伝え方を学んでいきます。第3回目は、一橋大学大学院社会学研究科でアメリカ社会史を教える貴堂嘉之さんが登場します。

  • 「常識を疑え」アート思考と子育ての共通点【末永幸歩】
    エンタメ
    取材レポート

    「常識を疑え」アート思考と子育ての共通点【末永幸歩】

    「アート思考」という言葉を聞いたことはありますか?「自分なりのものの見方」や「自分だけの答え」を大切にするこの思考プロセスは、実は子育てにもつながる部分があるのです。『13歳からのアート思考』(ダイヤモンド社)の著者であり子育て真っ最中の末永幸歩さんに話を聞きました。

  • 【ケロポンズがアドバイス】音で楽しくお風呂の習慣づけ「この音がお風呂の合図!」
    ライフスタイル
    レクチャー

    【ケロポンズがアドバイス】音で楽しくお風呂の習慣づけ「この音がお風呂の合図!」

    ノーリツの給湯器の「お湯はりの完了メロディー」は多くの日本人にとってなじみがあるのではないでしょうか。実はこのメロディー、音商標も取得していて多くの人の「お風呂の音」になっていると思います。今回の記事では「音」で楽しい保育を実践しているケロポンズのお二人に、お湯はりメロディーをお風呂の習慣づけに楽しく活用する方法など、上手な生活習慣の身につけ方について教えてもらいました。

    株式会社ノーリツ

    PR

基礎知識の関連記事

  • 妊娠37週から41週のママに起こる前駆陣痛。本陣痛の前に来る不規則な陣痛を指しますが、出産を控えて落ち着かない中で「この異変はもしかして本陣痛?」と勘違いしてしまうことも珍しくありません。この記事では、前駆陣痛の特徴や症状、その他の痛みとの違い、対処法や注意点、体験談をご紹介します。

    杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

  • 「子どもがほしい」そう考える夫婦が妊娠・出産を目指して取り組む「妊活」。晩婚化が進む日本では、比例して妊娠・出産を希望する年齢も高くなり、「不妊治療」を受ける方も年々増加傾向にあります。そんな妊活や不妊治療を検討する際に役立つ、基礎知識から不妊治療の課題、海外の事例などを紹介した記事をまとめました。

  • 読者からお悩みを募集し、子育て、教育、健康など各分野の専門家にご回答いただく人生相談コーナー。今回は丸の内の森レディースクリニック院長の宋美玄先生が、「3年後に自然妊娠したい」というお悩みに答えます。

    宋美玄(ソンミヒョン)

  • 妊娠兆候のひとつである「インプランテーションディップ」。妊娠を希望する方や、妊活を経験された方は、一度は聞いたことがあるかもしれません。いつ頃に見られる現象なのか、見られなくても妊娠している可能性はあるのか。また基礎体温との関係や、妊娠検査薬はいつから使えるのか、など気になるポイントを解説します。

    杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

  • ふたごやみつごが生まれる割合は、約50年前と比較すると倍増していることを知っていますか?これには、不妊治療が関係しているようです。多胎妊娠のしくみや、母体と胎児それぞれのリスクや、備えておくことなどを田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生に聞きました。

    杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

  • 人によって治療期間や心理面、体調面の負担が大きく異なる不妊治療。周囲の人に相談できない、パートナーと足並みをそろえて取り組めないなどといった悩みをひとりで抱える人も多くいます。日本ではあまり普及していない「カウンセリング」を、不妊治療の場でも上手く活用するためには?生殖心理カウンセラーの平山史朗さんに話をうかがいました。

    平山史朗

  • 治療ステップによっては高額な医療費がかかる不妊治療。現在日本では人工授精以降の治療ステップは自己負担だが、2022年春をめどに保険適用の範囲を拡大する動きがある。実現すれば、経済的な理由で不妊治療をあきらめていた方たちにとって一つの転機になるが、海外では不妊治療の多くをすでに保険適用としている国も少なくない。いくつかの国を挙げ、不妊治療の経済的支援の事例をみていく。

  • ライフスタイルやキャリアの多様化に伴い、未婚、晩婚、晩産化が進んでいる。不妊治療を視野に入れたときに、費用や仕事との両立はどうなるのか。「不妊治療を始めようと決めたものの、お金のことや、どんな治療やサイクルで進めるのかイメージが沸かない」という方へ向けて、データと体験談で解説していく。

  • ライフスタイルやキャリアの多様化に伴い、未婚、晩婚、晩産化が進んでいる。不妊治療を視野に入れたときに、費用や仕事との両立はどうなるのか。「不妊治療を始めようと決めたものの、お金のことや、どんな治療やサイクルで進めるのかイメージが沸かない」という方へ向けて、データと体験談で解説していく。

  • ウイルスによって引き起こされる風疹は、免疫が十分にない人に対して強い感染力を持っています。妊娠時期に風疹にかかった場合、どのような影響があるか気になる人もいるのではないでしょうか。今回は、妊娠中に風疹にかかった場合の影響、風疹の予防接種後に妊娠がわかったときの対応、妊娠中の風疹の感染対策などについて解説します。

    杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

  • 女性の体にさまざまな変化が起こる妊娠初期。この時期、どのような食べ物に注意したらよいのか気になる人もいるかもしれません。今回の記事では、妊娠初期の食べ物や、食べ物から摂りたい栄養素、妊娠初期のつわり対策などについて紹介します。

  • 妊娠中はホルモンバランスの乱れやつわりなど体にさまざまな変化が現れますが、なかでも気になるのが体重の増加。急激に体重が増えた場合、ダイエットをするべきか迷うこともあるのではないでしょうか。今回は、妊娠中に体重が増える原因や影響、体重管理のコントロールについて解説します。

    杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

カテゴリ一覧