入試合格ラインの性差、未就学児の親が未来に期待することとは

入試合格ラインの性差、未就学児の親が未来に期待することとは

「毎日新聞」に、東京都立高校の入学試験で、男女別に定員が設けられていることから、男女によって入試合格点が異なる旨の記事が掲載され、話題となっている。報道を受け、先々子どもの進学を控える未就学児の保護者たちが感じたこと、ママ・パパ自身が体験してきた性差や、今後の教育業界に期待することをまとめた。

都立高入試の合格ラインが男女によって異なることが報道され話題に

毎日新聞は、ニュースサイト「毎日新聞」26日 12:00掲載の記事で、以下のように報じている。

「東京都立高校の普通科の一般入試は、募集定員を男女に分けて設定しているため性別によって合格ラインが異なる。都教委は毎年30~40校を対象に是正措置を講じているものの、2015~20年に実施した入試では、対象校の約8割で女子の合格ラインが最終的に高かったことが、都教委の内部資料で判明した。」

ニュースサイト毎日新聞2021年5月26日 12:00掲載記事より引用)

この報道を受け、SNSを中心にさまざまな議論が巻き起こっている。

また、2018年には日本の複数の大学の医学部が、女子受験生の点数を恣意的に減点していたという事案も大きな社会問題となった。

依然としてまん延している試験における性差について、今後、子どもの進学を控えている未就学児の保護者たちからはこんな声があがった。
30代女性
女子でもスラックスの制服を認める学校が増えてきていたりと、男女の性差をなくそうという動きが盛んになってきている中、いまだに生徒の男女比率を統一したいがために成績だけで合否を判断してもらえない状況が続いているのは残念
30代女性
そもそも出生率に男女差があるので、校内の男女比率を合わせる必要はないと思う。男女分け隔てなく成績順に合格させるべき
30代男性
男女同数をやめて仮にどちらかが圧倒的に増えてしまったとして、それは男女性差がなくなったと言えるだろうか。
進学には男子校や女子校という選択肢もあるし、男女性差をなくすためには共学校だけではなく学校全体の在り方もセットで議論が必要だと思う
30代女性
性別によって合格ラインが異なるということが明らかになっても、『じゃあ、私立を受験させればいい』というわけにもいかない。限られた条件の中で受験をしなくてはいけない子どものことを思うと、すぐに是正してもらいたいルールだ
40代男性
共学校とうたっている以上はそこに平等性がないのはNGかと。男女を同数にする意味がどこにあるのか不明

ママ・パパが感じてきた、性差


入試に関してだけでなく、さまざまな局面で女子であることの性差を感じてきた女性たちからは体験談が寄せられた。
30代女性
自分が子どもだった20年前ぐらいまでは、学芸会の主役や運動会の応援団長は男の子、というなんとなくの暗黙の空気があったように感じる
30代女性
社会に出て、会社の管理職候補の男性率の高さに驚いた。根深い問題だと思う
30代女性
女性は何かと、男性の“補助役”を担う場面が多かったように感じます。生徒会でのサポート役や、部活のマネージャーもなぜか女性しかいなかったり……
20代女性
小学生ぐらいから、親戚で集まるときは私や妹が「親戚のおじさんやおばさんへのお酌係」をやらされていましたね。同年代の男のいとこがいましたが彼には特にやらせず。「女性=ケア要員」の経験でした
男性保護者も、自身の過去を振り返る。
40代男性
具体的に指示や助言を受けたわけではないが、進路を選ぶにあたり、何となくのイメージ・固定観念は醸成されてしまっていたように思います。
たとえば、看護系学部や文学部は女性中心で、工学系は男性中心、薬学・理学部系、法学・経済学・経営学系は性別の色はあまりなく、むしろ女性が多いというイメージはありました

解消されつつある問題もある

しかし、長い時間をかけ、徐々に変わっていった「性差の常識」もある。
30代女性
自分が子どもの頃は女子だけが体育でブルマを着用することが本当に嫌でした。転校してハーフパンツ着用になったときは本当にうれしかった。今は男女ともにハーフパンツが一般的。そんな風に、世間の声から世の中を変えていけたら、より子どもが性差で悩むことも減ると思う
30代女性
娘の通う学校では、大きな行事のリーダーを女子が務めたりすることも多い。男性・女性にとらわれず、優秀な人が評価されることが当たり前の社会になってほしい。子どもには将来、古い体質の会社を選ばないでほしいと思います

今後の教育業界に期待すること

この先、10年、15年と学校へ通うことになる子どもを持つ親は、こんな思いを語った。
40代男性
男子校・女子校というものがそもそも不要だと思う。そのうえで、性にとらわれず、フラットで個人の個性を伸ばす教育システムであることを強く願います
40代男性
進級等についても、もっと柔軟な教育システムであればよいと思います。最近、ようやく飛び級制度等ができましたが、それでも1学年飛ばす程度に留まります。
小学生の頃から、どんどん先に進めるようにすることで、能力のさらなる向上や時間の無駄がなくなるのではないかと思います
30代女性
世界的にもジェンダー平等が問われている中で、教育界だからこそ、社会をリードするように変化を期待したい
<執筆>KIDSNA編集部

2021年05月28日

関連記事

  • 美大出身のクリエイターママ・一色美穂さんによる漫画連載第32回! 漫画家夫妻のクリエイティブな目線で見たお子さんの姿や、子育ての日々を綴っていきます。今回は「自然物から着想」。

    一色美穂

  • 子どもが主体の環境づくりを目指し、日本初「子どもにやさしいまち」として日本ユニセフから承認された安平町。「自分が“世界”と出会う場所」というコンセプトをもとに、地域に開かれた学校「早来学園」を開校します。不確実な時代を生きる子ども、大人、すべての人のための学校をご紹介します。

    北海道安平町

    PR

  • キヤノンのカメラを使ったワークショップ「PICK&ZOOM教育プログラム」には、子どもたちに必要な力を育むためのヒントがたくさんあります。子どもの成長・発達に詳しい専門家を迎え、実際に5歳の子どもたちを対象に実施されたカメラを使った教育プログラムの様子をレポートします。

    キヤノンマーケティングジャパン株式会社

    PR

  • 空前の「性教育」ブームといわれる昨今。でも実際子どもに「性」のこと、「からだを大切にすること」の意味を教えるのは簡単ではありません。そこで、漫画家のツルリンゴスターさんが元保健室の先生で性教育講師であるにじいろさんに、性教育に関する率直な疑問をぶつけたレポート漫画、前編です!

    ツルリンゴスター

  • ひとりひとりの個性を尊重し、身体・心・頭をバランスよく育てることを大切にしているシュタイナー教育。この教育法で用いられるおもちゃは、一般的なおもちゃとは少し違うようです。どのような種類のおもちゃがあり、特徴や遊び方はどう違うのか。また、シュタイナーのおもちゃを取り入れた保護者の体験談などを紹介します

  • 集中力は、勉強だけではなく、スポーツや将来的には仕事をしていくうえで、欠かせない能力です。元々集中力が高い子もいるかもしれませんが、環境を整えたり生活の中で少し工夫をすることで、高めることもできるようです。今回は集中力がない原因や遊びを通して集中力を育てる方法などを紹介します。

  • 「語彙力」が高いとは、多くの言葉を知っている状態を連想しますが、実はそれだけではなく、知っている言葉を適切に使う力も含まれている言葉です。よく本を読む人は語彙力が高いイメージがありますが、その他にも語彙力を高める方法はあるのでしょうか。また、語彙力が高いとどのようなメリットがあるのでしょうか。

  • 近年よく耳にするSDGs。未来を担う子どもたちも、学校などにおいてこのテーマに触れる機会が増えることが考えられます。そこで、KIDSNA fo KIDSAシリーズにて、書籍『数字でわかる!こどもSDGs』を原作にアニメ動画を制作。数字が伝える世界の現実をご紹介します。

  • KIDSNA編集部が選ぶ、子育てや教育に関する話題の最新書籍。今ある職業の大半がAIやロボットに代替されるといわれて10年近くがたちました。実際、なくなりつつある仕事がある一方で、新たな仕事も数多く生まれてきています。今回は、『今ない仕事図鑑100』『今ない仕事図鑑ハイパー』(講談社)から、今ない仕事を生み出した日人たちへのインタビューを一部抜粋・再構成してお届けします。

  • 私たちにとって、お金と関わりを持たずに生活することは避けられません。生活スキルとして欠かせない「金融リテラシー」を子どもに身につけてもらうために、保護者はどのようなことができるでしょう。金融リテラシー・マップを使った子どもへの伝え方や、金融リテラシークイズ、保護者の体験談をご紹介します。

  • スマホやタブレットが普及した昨今、予期せぬタイミングで子どもが性について触れてしまうこともあります。では、子どもの性教育は何歳からはじめるのが適切なのでしょうか。性教育のスタートについて日本と世界の基準を比較。実際に、性教育を実施している保育園を訪れ、幼児期からの性教育の必要性について伺いました。

  • 知りたいことに対してまっすぐな好奇心を持つ子ども。一方で、友だち関係や思春期の悩みを持つ子どももいるかもしれません。今回は、好奇心を刺激する図鑑から、さまざまな悩みへのアドバイスを伝える実用書まで、子どもたちに寄り添う書籍をピックアップ。新しい一年の始まり、我が子に贈る1冊を見つけてみてはいかがでしょうか。

カテゴリ一覧