初めての親子クッキングはパンが最適!?五感を刺激する「らくらく食育チャレンジ」
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子どもにはさまざまな習い事などの学びや、旅行やお出かけなど非日常の経験を与えてあげたいと考えるママパパは多いでしょう。一方で、普段の暮らしのなかで親子でいっしょにごはんを作ったり、お菓子やパン作りをしてみることが、子どもにとって大切な体験になるかもしれません。本記事では脳科学者の瀧靖之先生と料理研究家の栁川かおりさんをお招きし、五感を刺激し創造性を育み、コミュニケーションを高める、子どもの未来を育む「食育のヒント」を紹介します。
自分で作ったものを食べる喜びを感じる大切さ
瀧先生のお話に同感です。私自身は子どもたちに対して食育をしようと意識したことはあまりなかったのですが、今思うと子どもといっしょにごはんを作ったりお菓子やパンを作ることが、親子のコミュニケーションツールになっていたかもしれません。
親がやっていることに子どもは興味を持つので、何か作っていたら大体見にきますよね。忙しいとつい「危ないからあっちで待ってて」などと言ってしまいがちですが、できるだけ子どものやってみたい気持ちを尊重して、「いいよいいよ」と自由にやらせてみるようにしていました。同じ場所で、同じようなことをしている気分にさせるだけで、意味があったのかなと思います。
「食育をしなきゃいけない。子どもにちゃんと教えないと」ということではなく、遊び感覚でいっしょにやってみることが大事なのかもしれないですよね。
そうですね。「教える」だとやらせてる感が出てくるし、子どもは興味を持たなくなっちゃいそうですよね。子どもが自分から興味を持ったり、疑問を持ったりする過程も大切にしたいです。
食育というコミュニケーションを通して、脳への影響はどのようなことがありますか?
先ほど栁川さんが「親がやっていることに子どもは興味を持つ」とおっしゃいましたが、人間がいろいろな能力を獲得するときの多くは「模倣」からだと言われています。箸の持ち方も、話し方も、社会的なルールも模倣を中心に獲得していきます。
また、模倣は動きだけではなく感情の模倣もあって、誰かが楽しくやっているのを見ると、いっしょに楽しい気持ちになるんです。だから、何もない状態でいきなり始めるより、親がやっていることを模倣して始めるほうが圧倒的にハードルが下がるんです。
だから、習い事や受験なども同様に、いろいろなことをいっしょにやって、そのときに親が楽しそうにしていることが、脳の発達のうえでも非常に大切です。
うちの子どもたちはもう大きいのですが、小さいうちから教えるわけではなくいっしょに料理をしてきたことで、料理は日々の暮らしのなかで当たり前のことだと認識しているようです。
子どもたちが部活や勉強で忙しい時期は、いっしょに料理をすることはなかったのですが、今でもしっかり身になっているんですよね。長男も冷蔵庫にあるものでサッとお昼ご飯を作ったりしているし、小さい頃からなじんだことは大きくなっても変わらないんだなと思いながら見ています。
親子クッキングデビューは簡単で安全なものから
素晴らしいですね。料理は視覚と味覚で達成感を味わえるのがすごくいいですよね。作る過程があり、完成品があって、楽しくコミュニケーションしながら食べられるというのは、料理ならではだと思います。私は人生で料理をしてこなかったことを後悔しているので、今からでも始めてみたいです。
脳科学の観点でいうと、人が新しく何かを始めるときは最初から難しいものに挑戦するのではなく、ほどよい手順があって楽しく感じられるくらいのレベルが、自己効力感を感じやすいとされています。料理の場合はどんなものから始めたらよいと思いますか?
それでいうと、パン作りがいいかもしれません。パン作りやお菓子作りは難しそうなイメージがありますが、パンのほうは意外と形になりやすいんです。私もはじめて自分で作ったときは「自分にもできた!」と達成感を感じて、嬉しかったことを覚えています。
お菓子作りとパン作りはけっこう違うんですか?
お菓子作りの場合は繊細さが必要なんですよね。生地を作るのにも、混ぜすぎちゃダメだったりして。その点、パンはどんどん混ぜて、こねて、たたいて、思い切りやっても大丈夫なんです。
だから、子どもでも粘土遊びみたいな感覚でできると思うし、包丁も火もあまり使わないので、親もおおらかな気持ちで見ていられるかもしれません。私も子どもにはけっこう好き勝手やらせていたので、子どもも思うがままにいろいろな形を作ってみたり、自分なりのパン作りをしていました。
なるほど、料理を始めるときはパン作りがよさそうですね。それにしても、栁川さんのお子さんは、とてもクリエイティブな体験をしていたんですね。親が次はこれをやってみようと主導していくより、子ども自身がとにかく楽しいと思えることが大切ですから。パン作りは自由にやらせてあげられるのであれば、素晴らしい体験になりますね。
子どもの特別体験をつくる「親子のコミュニケーション」とは
親が子どもに体験をさせてあげたいと思うと、どうしても旅行などの非日常の体験をイメージしがちですが、日常のなかでも親子の絆を深めるコミュニケーションはできます。
パン作りの体験はとてもよいと思いますし、その他にはごっこ遊びもいいですよ。普段やらないことをごっこ遊びのテーマにすれば、ワクワク感も味わえるし、子どものなかで特別な体験になります。
また、ごっこ遊びで役割を演じることは脳の実行機能の発達にとてもよく、社会性やコミュニケーションスキルなど社会に出たときに活躍できるスキルの獲得にもつながります。
パン屋さんになりきってパン作りをしたり、店員さん役とお客さん役に分かれてお買い物の真似をしたりして、パン屋さんごっこを楽しんでみるのはいかがでしょうか? 役になりきって遊ぶことは、親子のコミュニケーションが深まるだけではなく、子どもにとってさまざまな価値をもたらします。
ごっこ遊びが子どもへもたらす価値
我が家はごっこ遊びはあまりやりませんでしたが、作ったパンをもって、近所の公園にシートを敷いてピクニックをしたりして非日常感を楽しんでいました。旅行などの特別な体験じゃなくても、日常のなかで子どもといっしょにパンを作った時間なんかが一番心に残っているような気がします。
お子さんにとってもいい記憶に残っているでしょうね。何十年経っても思い出したり、家族のあたたかい記憶として思い出したりするといいですね。
親子で楽しみながら30分でパンが作れる!発酵いらずの「トースターで簡単ふんわりパンミックス」
今回は、昭和産業株式会社の「トースターで簡単ふんわりパンミックス」を使い、親子でパン作りをする際のポイントも踏まえて栁川さんに実演していただきました。
「トースターで簡単ふんわりパンミックス」は、発酵いらず!こねる・丸める・トースターで焼くという3ステップ、用意する材料はパンミックス、水、バターのみ、約30分でできあがる簡単ふんわりパンミックス。親子で作ってたのしめる、食育にもぴったりの商品です。
これはパン作りをはじめてやる方やお子さんでもできますね! 特別な道具もいらないし、パン作りをしてみたいけど大変そう、とためらっている方にもぴったりだと思います。
また、トースターで簡単ふんわりパンミックスをベースにいろいろなアレンジを楽しむのもよさそうです。パンってすごくアレンジがしやすい食べ物なんです。生地に抹茶や苺パウダーを練りこんだり、中身にチーズやあんこを入れるとか。子どもといっしょにやってみたら、どんどんアイディアが広がると思います。
なんでもない日にできるパン作りを特別な思い出に
実際に焼きあがったパンを試食していただきました。
ちょっとしかこねていないのに、ふんわりしていますね!簡単な工程でこんなにおいしくできるとは驚きました。
日常のなかでも簡単にパン作りができる「トースターで簡単ふんわりパンミックス」で、普段の暮らしを特別な思い出にしてみてはいかがでしょうか。
本商品を使ったアレンジレシピが掲載されている「SHOWAの焼きたてパン工房」も是非チェックしてみてはいかがでしょうか。
今日のテーマが食育ということですが、私が考える食育には、ふたつの要素があると思います。ひとつは、脳の発達によい栄養素になるかどうか。つまり「食」そのものの観点。もうひとつ重要なのが、食を通じてコミュニケーションや共通の趣味を楽しめるということ。つまり、作ることや食べることを通した「人との関わり」という観点。
現代の子どもは共感性が下がっていたり、リアルなコミュニケーションの機会が少なくなっていたりすると言われていますよね。でも、食を通したコミュニケーションは単純に楽しいし、人との関わりを大切にするためにも、食育はもってこいだと思います。