特別取材【子どもの英語教育】いつから?と考える前に知っておくべき土台づくり
Profile
日本の大企業が次々と海外企業の子会社となっている現代。子どもたちが社会に出る頃には、ますます国境の境目はなくなっているでしょう。グローバル化、多様化が加速するなかで、どうしたら子どもに英語力をつけられるのか、悩む親も多いでしょう。本記事では、幼児教育の専門家である東京大学名誉教授の汐見稔幸先生に話を聞き、これからの時代に合った英語の学び方や、年齢や発達段階に応じた子育てのポイントを教えてもらいました。
英語教育は子どもにとって必要なこと?
世界では、英語が母語ではない国でもほとんどの人は英語を気軽に話しますが、多くの日本人は英語に苦手意識があります。
日本人なら誰もが義務教育の過程で英語を学んでいるはずなのに、なぜこのような状況が起きているのでしょうか。また、これからを生きる子どもにとって英語はどのような必要性があるのでしょうか。幼児教育の専門家である東京大学名誉教授の汐見稔幸先生に話を聞きました。
子どもの英語教育はいつから?と考える前に知っておきたい、子どもの学びにとって大切な土台づくりについて教えてもらいました。
しかし、日本社会を取り巻く状況がだいぶ変わってきました。日本の大手企業はどんどんと海外の企業に買収され始めています。すでに多くの有名企業では、IT部門をインド人が担っています。日本はもう先進国ではなくなってきているのです。日本語だけ話せたらいいという感覚では、どんどんと国際社会から置いていかれてしまいます。
しかし私たちが英語を話そうとする時、正しい文法で話さなければならないと考えてしまい、話すことが億劫になってしまう場面が多くあると思います。
その一方で、海外に行くと人々は文法的には支離滅裂でも、そんなことは気にせずに英語を話していることがわかります。それは、社会的に英語を話せないと困るし、英語で会話をする必要があったから。
近い将来、日本もそのような社会になっていくことは確実なので、英語を話せないと大変だし、それに話せると楽しいということを、小さいうちから体験させることが必要です。
子育てにおいて大切な親の務めは、子どもが小さいうちから「こんなに面白い世界がある」と、たくさんの世界を見せること。そして、子どもが自ら興味を持って「もっと知りたい」「マスターしたい」という気持ちにさせること。ご褒美で釣ったり、親が無理やりやらせたりしたことは、子どもの身にはなりません。
つまり、英語を使う場に日常的に連れて行ったり、英語を使って買い物をさせてみたりする。そのような体験が「楽しいからもっと英語を覚えたい!」「伝わって嬉しいからもっと話してみたい!」という気持ちを引き出します。
「楽しい」「嬉しい」体験を積み重ねることで子どもの自信となり、英語を話すことや海外に行くということは別にすごいことではなくて、気軽なことだと捉えられるようになっていきますよ。
保育の第一人者汐見先生に聞く年齢別の子育て術
汐見先生に、子どもの発達の過程と各年齢で獲得する力について詳しい話を伺ってきました。
【1歳半~3歳】五感を刺激し、豊かな感性を育む時期
1歳半~3歳頃は、探索活動期と言われ、自分で行動をしながら物事の因果関係を見つけていく時期です。障子に穴をあけて遊ぶようないたずらが多くなる時期ですが、それは懸命に世界を探索していること。「自分が障子を指で突いた結果、穴があけられた」ことが嬉しいので、そのような行動とその喜びを大切にしてあげてほしいです。
2歳頃からは、モノの大小や長短、色の濃淡など、一定の基準で分類をすることを覚えていきます。最初は「大きい」「小さい」の2つだったものが、だんだん「大きい」「小さい」「中くらい」になったり、言葉をもって世界を分類することができるようになります。
これが、2歳くらいの子どもにとっては大変面白いことなのです。まだ言葉を使って思考することはむずかしいので、大人が手助けしてあげます。親は「英語やひらがなを学習させるのはいつから?」と迷うこともあるかもしれませんが、まずは言葉で分類をすることを優先してやってみましょう。
「これは赤で、これはピンクだね」と丁寧に分類していくことが、その後の子どもの思考力につながっていきます。
また、苦労せずに記憶できる時期でもあるので、「大きい」を覚えたら同時に「big」も覚えるなどするとよいかもしれません。日常的に親も英語を使うように意識すると、子どもはどんどん吸収していきますよ。
【4〜5歳児】自立心と社会性を育む時期
4~5歳になると、言葉を使って思考ができるようになることが、それまでと大きく違うところです。「これをやったらこうなるし、あれをやったら……」などと、頭の中で計算をすることが増えていきます。
「もしこうしたら、お母さんが喜ぶかもしれないけど、ああしたら悲しむかもしれない……」などと、言葉を思考のツールとして使っています。
また、このように言葉を思考のツールとして使い始めるとき、頭のなかでは母語を使っています。英語に触れていたとしても、思考のツールとして使うのはもう少し先だと思います。
【小学校低学年】学習意欲を高め、学ぶことを楽しむ実践期
実は、小学1~2年生は発達の観点でいうと、まだ幼児期に分類されます。理屈を立てて本格的な思考をするようになるのが学齢期と呼ばれますが、それはだいたい3年生くらいからです。
幼児期と学齢期では思考のレベルに大きな差があります。たとえば「人間といえば何を連想しますか?」と聞いたときに、幼児期である1年生は「お父さん」「お母さん」というように、目の前にあるものだけを認識しているのに対し、学齢期に入る3年生は「火を使う」「二足歩行」というように、知っているさまざまな知識を連想します。
また、抽象名詞を使えるようになります。たとえば「人がいっぱい」ではなくて「人口が多い」「人口密度が高い」という表現ができることで、「人口が多い町と少ない町を比較する」「1平方メートルあたりの人口密度」など、表現に応用が効くようになるのです。
1~2年はそういったことを練習している時期です。日常をとおして「卵は『材料』、フライパンは『道具』」などと、抽象名詞の語彙を増やしながら、物事をカテゴライズする練習を丁寧にしていくことが大切です。
「ECCKIDS」で子どもが英語を楽しみ出す
子どもが楽しむことを最も大切にしている英会話教室「ECCKIDS」。教室やレッスンの内容には、「できた!」「伝わった!」を大切にするための仕掛けがたくさんあるようです。
とにかく楽しいと感じてもらうことをいちばん大切にしています。子どもの様子をよく見て、飽きてきたり、疲れてきたりする様子が少しでもあれば、ゲームやダンスを取り入れたりして、雰囲気を変えるようにしています。
ECCKIDSは「2024年 オリコン顧客満足度調査 子ども英語教室 小学生」において総合第1位を受賞しました。
親の期待通りに成長しないからといってそれを指摘したり、間違えたらやり直しさせたりという環境は、子どもの「学ぶことは面白くない」という認識につながってしまうので、絶対にNGです。これは、子どもの年齢にかかわらず大事なポイントです。
英語の日常で使う言い回しなどは、親より子どものほうが早く覚えたりします。「こういうときは、こうやって言うんだよ」などと、子どもに先生になってもらったりしながら、親もいっしょに楽しんでみたらよいですよ。
そもそも、勉強をしても子どもは育ちません。勉強は「強いて勉める」ということで、学ぶという意味は一切持っていません。子どもたちは、勉強という「我慢しないといけない世界」に辟易としているので、我慢しなくても楽しく学べる世界を見せてあげたいですよね。
「ECCKIDS」を体験してみて気がついた子どもの変化
2歳の娘は帰宅後、先生になりきって、飼っている犬に向かって「Stop!」などとレッスンで覚えた単語を披露していました。ぬいぐるみでごっこ遊びをしているときにも、「Jump」「Run」など、レッスンで習った単語が出てくるようになりました。
もともと兄妹そろって英語は好きなので、家でも英語を話したりしていましたが、ネイティブの先生と週に1回会話のやりとりをしてアウトプットする場があるのはとても重要だなと感じました。
「英語学習はいつから?」と迷っていましたが、ECCKIDSは勉強という雰囲気ではなく、ゲームやクイズが盛りだくさんのレッスンだったので、小さな達成感をたくさん感じることができる内容だと思いました。帰宅後は宿題のプリントをやりながら、習った内容をパパに嬉しそうに教えていました。
子どもたちが生きる社会に、英語は必須スキルであり、英語力向上は社会的な課題でもあります。ただ、これまでの教育のように、義務感で机に向かっていても、英語力は身に付きません。
子どもの「楽しい!」「やってみたい!」を引き出す方法を熟知しているECCKIDSで、時代に合った英語力を身につけてみませんか?
日本は小・中・高校と学校教育で英語を学んでも、実際に英語を話せる人がほとんどいないですよね。世界中で、「なぜ日本人は英語が身につかないのか」と研究対象になるほど、英語が苦手です。
さまざまな研究から分かってきたのは、日本の英語教育は読み書きがメインで、文法を重視しすぎた結果、英語を話すことに苦手意識をもたらしている、と言われています。また、これまでの日本では、いくら英語を習っても使うタイミングがなかったため、身にはなりませんでした。