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【産婦人科医監修】妊娠24週目(妊娠7カ月)の妊婦さんと赤ちゃんの様子。エコー検査が楽しみ
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田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
妊娠7ヶ月である妊娠24週目は、赤ちゃんがお腹のなかで活発に動き回ります。一般的に安定期といわれる妊娠7ヶ月ですが、お腹が大きくなることでマイナートラブルも見られます。妊婦さんの体調や赤ちゃんの様子を医学博士で産婦人科医、田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生監修のもと解説します。
妊娠週数24週目とはどんな時期?
妊娠24週は週数でいうと、妊娠7ヶ月の1週目で一般的に安定期と呼ばれています。
妊娠7ヶ月に入り、妊娠生活後半がスタートします。
妊娠24週目の妊婦さんの特徴
安定期とよばれる妊娠7ヶ月ですが、妊娠24週目ともなるとマイナートラブルをかかえる妊婦さんも少なくありません。詳しく見ていきましょう。
体調
ホルモンの影響で骨盤の関節が緩んでいるところに子宮がのっているので、腰や背中に負担がかかり、腰痛や背中の痛みが悪化する人がいます。
ホルモンバランスの影響で、歯茎が腫れたり、出血が起こりやすくなります。子宮が大きくなり、胃やお腹を圧迫するので、吐き気や胸やけ、胃痛などつわりのような症状が起こることがあります。胃やお腹の圧迫で、胃酸が逆流しやすくなり、逆流性食道炎や胃もたれを起こす人もいます。
お腹が圧迫されることにより、ガスがたまりやすく便秘が続きます。
お腹の大きさ
妊娠24週は、子宮の上部がおへそのラインを越えておへその上まで丸みを帯びてきます。
お腹がひときわ大きくなって、重みを感じるようになります。
妊娠24週目の妊婦さんの身体
赤ちゃんの骨格が発達し、今までより胎動を激しく感じられます。赤ちゃんの足や頭などのかたい部分が当たったときに痛みを感じることもあります。
妊娠中は「エストロゲン」と「プロゲステロン」という女性ホルモンが増加するため、乳輪部に色素沈着して黒っぽくなることがあります。乳輪部が黒くなるのは、赤ちゃんがおっぱいを見つけやすくするためとも言われています。
また「プロゲステロン」には、身体に水分を溜め込む作用があるためむくみを感じやすくなります。
妊娠するとホルモンバランスの変化や身体が大きくなって足に負担をかけるため、血行不良になり足がムズムズしたり、足がつったりする人もいます。
子宮が大きくなることで膀胱が圧迫されるため、尿漏れを起こすことがあります。
妊娠24週目の赤ちゃん
大きさや胎内での様子
お腹のなかの赤ちゃんは羊水のなかで向きを変えて動き回るため、動き回っているときに逆子になることもあります。
肺などの臓器の中の血管も発達し、毛細血管が作られ始めて肌がピンク色になってきます。脳や脊髄も発達してくるので、身体の動きをコントロールできるようになります。
身体の形
妊娠24週の赤ちゃんの身長は、27㎝程度です。
赤ちゃんの生殖器も完成に近づいてきているので、赤ちゃんの姿勢や向きによっては超音波(エコー)検査によって性別がはっきりとわかる人もいます。
妊娠24週目のうちにやっておきたいこと
妊娠糖尿病の検査
妊娠初期と中期に妊娠糖尿病のスクリーニング検査をすることが勧められています。検査方法は、ブドウ糖を50g摂取し、1時間後に採血をして血糖値を測定するというやり方です。
血糖値の数値によっては、再検査になる可能性があります。
尿漏れ対策
子宮がおおきくなり、膀胱が圧迫されると尿漏れすることがあります。妊婦さんには多い症状です。
尿漏れの回数や量が多いときには妊婦さんの尿漏れ専用のパッドを利用しましょう。
生理用ナプキンでもよいと思う人もいるかもしれませんが、尿漏れ専用パッドは吸収力やニオイ漏れにも対応しているのでおすすめです。
バースプランを考える
バースプランとは、どのようなスタイルで出産したいかの希望や計画のことです。分娩方法や立ち合い出産の希望、赤ちゃんが生まれたら胎盤は見たり触ってみたいかなどの計画を考えてみるのもよいでしょう。
病院によってはバースプランについて事前に聞かれたり、書類を提出するところもあるようです。つわりがおさまり、気持ち的にも少し落ち着いてくる妊娠24週の頃にバースプランを考えておくとよいかもしれません。
名前の候補を考える
妊娠7ヶ月になると、男女の性別がはっきり分かることが多いので、産まれてくる赤ちゃんの名前の候補を考えてみるのもよいかもしれません。
いろんな人の名前の由来を調べたり、パパの名前の由来を知らない場合、義実家に聞くなどするのもよいでしょう。名前を考える時間もワクワクしますよね。
妊娠24週目の妊婦さんが注意すること
楽な姿勢
子宮がぐんと大きくなるので、仰向けになると子宮が下半身から心臓に戻る大動脈を圧迫して息苦しさを感じることがあります。身体を左向きにした横向きで寝ると楽に感じるかもしれません。お腹や膝の下にクッションなどを挟むと寝やすくなることがあります。自分の楽な姿勢で寝るようにしましょう。
胃もたれ対策
妊娠中は、子宮が大きくなってお腹が圧迫されたり、ホルモンの影響で胃もたれや消化不良を起こしやすくなります。
脂分の少ない肉類や、繊維の少ないほうれん草や白菜などの野菜などの消化のよい食べ物を少しずつ回数を分けて食べたり、寝る2~3時間前はなるべく食事を控える、胃酸の逆流を防ぐため、寝るときは上半身を少し上げて寝るようにするなどの胃もたれしないように対策しましょう。
妊娠中期にバースプランや名前を考えよう
妊娠24週は妊娠7ヶ月に入ったところで一般的に安定期と呼ばれています。
赤ちゃんが成長し、お腹がどんどん大きくなるため寝るのがつらくなったり、足に負担がかかってむくみやすくなったり、胃が圧迫されて胃もたれや食欲不振などの新たなマイナートラブルを感じる人も多いようです。妊娠7ヶ月になると、尿漏れなどの症状に悩む妊婦さんも増えてきます。
安定期だから大丈夫と過信せず、ママが楽に感じられる体勢で横になったり、体調が優れないときには無理をしないで休むことが大切です。
妊娠7ヶ月を過ぎたらもうすぐ妊娠後期です。赤ちゃんに会えるのを楽しみにしながらバースプランや名前についてパパと話し合ってみてはいかがですか。
監修:杉山 太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
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杉山太朗
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。