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【産婦人科医監修】妊娠19週目を迎えた妊婦さんと赤ちゃんの様子
妊婦さんの体調の変化や赤ちゃんの大きさ
Profile
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。
一般的に安定期とよばれる妊娠中期の19週ですが、体重増加や下腹部痛や腰痛を感じやすくなる、注意が必要な時期です。妊娠19週目のママの体調やお腹の赤ちゃんの様子と妊娠19週目の注意点を医学博士で産婦人科医、田園調布オリーブレディースクリニック院長の杉山太朗先生監修のもと解説します。
妊娠週数19週目とはどんな時期?
妊娠19週は、妊娠5ヶ月の4週目です。妊娠中期とよばれ、妊娠5ヶ月の最後の週になります。
一般的に安定期といわれる時期ですが、妊娠中に完全に安定していることはないため、無理はしないようにしましょう。
妊娠19週目の妊婦さんの特徴
個人差もありますが、妊娠中期の19週になると胎動を感じる人も多く、お腹やバストが大きくなります。多くの妊婦さんが吐き気などのつわりがなくなり、食欲が増加する時期なので、体重のコントロールが大事な時期です。
妊娠中期の妊娠19週目の妊婦さんについて詳しく見ていきましょう。
体調
妊娠19週は、吐き気などのつわりの症状がなくなり、食欲が増加して体重が増える時期です。基礎体温も、今まで高温だった時期から平熱に戻るため、身体のだるさや眠気が落ち着いてきます。
出産準備に向けて子宮が大きくなり、腰痛や、骨盤がゆるみ広がることによってお腹の張りや下腹部痛を感じたり、じん帯がゆるんで関節痛を感じる人もいます。
また、おなかが急激に重くなるため、この時期にだるさ、眠気を感じるという妊婦さんも少なくありません。一方、妊娠19週はホルモン分泌の影響で、夜中に眠れない、急に眠りが浅くなるなどの睡眠に対しての悩みが出てくる人もいるようです。
お腹の大きさ
妊娠中期である妊娠19週の子宮は、大人の頭くらいの大きさになっています。お腹は膨らんだ風船が入っているくらいに見えるでしょう。身体全体もふっくらとして丸みを帯びた体形になってきます。
妊娠19週目の妊婦さんの身体
お腹のなかの赤ちゃんが羊水の中で回ったり、元気に動き回るのを胎動で感じることができるようになる時期です。
また、母乳を出す準備として乳腺が発達し、それに合わせてバストが大きくなります。妊娠中から乳頭に黄色っぽい分泌液が出る人もいますが、そのときは分泌液をふき取ったり、洗ったりして乳頭を清潔に保つように心がけましょう。
妊娠19週目の赤ちゃん
大きさや胎内での様子
妊娠19週の赤ちゃんの身長は、18㎝程度です。まるまっている赤ちゃんだと、りんご1個分程度の大きさです。
赤ちゃんはお腹のなかで羊水を飲んだり、おしっこを排出したりを繰り返しています。
性器もほとんど完成し、超音波(エコー)検査でも性別が分かる場合があります。白っぽかった肌は赤みのある肌色に変わってきたり、3Dエコーで見ると、髪の毛や眉毛も生え始めたのが確認できる時期です。
妊娠19週は、胎動も活発になり赤ちゃんの成長をより感じられるでしょう。
身体の形
3頭身から4頭身になり体形も赤ちゃんらしくなってきます。この時期になると、筋肉や骨格もしっかりしてくるのが特徴です。
妊娠19週目のうちにやっておきたいこと
適度な運動
妊娠19週は、吐き気などのつわりの症状も落ち着き、食欲が戻る時期です。
妊娠中でもできるウォーキングやストレッチ、マタニティエクササイズなど適度な運動を取り入れて、急な体重増加をしないように調整することが大切です。
しかし、医師に安静を勧められている人や運動に慣れていない人は、無理に運動しないようにしましょう。
戌の日祈願
妊娠5ヶ月の戌の日に安産祈願をするという風習が日本の伝統にあります。なぜ「戌の日」とよばれるのかというと、犬は多産でお産が軽いため、犬のように円滑にお産ができるようにと願って、戌の日の安産祈願に行くことになったようです。
戌の日祈願とは、妊婦さんが腹帯を巻いて安産をお祈りするのが一般的ですが、地域によって風習や習慣の違いがあるようです。戌の日祈願は、事前に予約が必要な神社もあるので確認しておくとよいでしょう。
妊娠5ヶ月に行く人が多いようですが、妊婦さんの体調は毎日変わるため、体調がよくないときには無理せずに休むことが大切です。
妊娠線予防
妊娠すると全身が大きくなり、お腹の赤ちゃんが大きくなるにつれて妊娠線が目立ってきます。妊娠線は、お腹周りだけでなくお尻や太もも、胸にも表れやすく、妊娠線は一度できると完全になくすのは難しいので日頃のお手入れが重要です。
お風呂上りや乾燥しているときなどに妊娠線予防のクリームやローションを塗ってケアするようにしましょう。
日焼け対策
妊娠19週目に入ると、メラニン色素の影響を特に受けやすくなり、シミやそばかすができやすくなります。これは、赤ちゃんにおっぱいを吸われたときに皮膚が対応できるように強くなろうとしているためです。
この時期になると、乳首や脇の下などが黒ずむ人もいますが、産後には落ち着くことがほとんどです。日中、出かけるときには日傘やサングラスなどを着用するなど日焼け対策をしっかりすることが重要です。
妊娠19週目の妊婦さんが注意すること
食生活に気をつける
吐き気などつわりがなくなり、食欲が戻ってくると一気に体重増加する傾向があります。妊娠19週の妊婦さんは、低カロリーの食べ物を選んだり、和食中心の食事にするなど食べ過ぎや過剰な体重増加を防ぐよう工夫することが大事です。
急激な体重増加は、妊娠糖尿病や妊娠高血圧症候群を引き起こす可能性があります。
無理をしない
今までのつわりの症状が落ち着くと、過ごしやすくなるため、仕事や家事などできるときにやろうと張り切ってしまう妊婦さんもいるかもしれません。しかし、吐き気や眠気、下腹部痛、腰痛などを感じるときには無理せず、体調を優先して休むようにしましょう。
マタニティウェアの準備をする
妊娠19週は、お腹やバストがサイズアップする時期で、下着や洋服がきついと感じる人も増えるようです。お腹を圧迫させないためにも、お腹を締めつけず、体に合った洋服を選ぶことが大事です。
また産後の授乳に備えてバストも大きくなるため、ブラジャーがきつく感じたら買い変えるようにしましょう。妊娠中に無理に胸を押さえつけると産後、母乳の出が悪くなるくなることがあります。
身体の変化を実感できる時期
妊娠中期である妊娠19週は、お腹も目立つようになり、胸の張りなど身体の変化も大きく感じられるようになる時期です。
吐き気や嘔吐などのつわりの症状がなくなり、落ち着いて過ごせる時間も増えるかもしれませんが、ホルモンの関係で激しい眠気を感じたり、赤ちゃんが育って子宮が大きくなってきているので腰痛や下腹部痛を感じる人も少なくないようです。
つらいつわりの時期と比べて体調が安定しているからと無理をしないことが大切です。眠気を感じるときには昼寝の時間をとったり、だるさや腰痛を感じるときには休憩をとりましょう。
また、つわりがなくなると食欲が戻り、体重が急激に増加することがあります。調子がよいときには、散歩やウォーキングなど軽い運動を取り入れて急激な体重増加を防ぎましょう。
赤ちゃんは4頭身になり、人によっては性別が分かったり、胎動を感じられたりして楽しい時期です。お腹のなかの赤ちゃんはどんどん成長していますよ。
監修:杉山 太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)
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杉山太朗
信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。