【産婦人科医監修】妊娠中のくしゃみによる腹痛を軽減する方法

【産婦人科医監修】妊娠中のくしゃみによる腹痛を軽減する方法

赤ちゃんへの影響が心配なとき

2020.03.12

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杉山太朗

杉山太朗

田園調布オリーブレディースクリニック院長/医学博士/東海大学医学部客員講師/日本産科婦人科学会専門医、指導医/母体保護法指定医/女性ヘルスケア専門医/日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医(腹腔鏡・子宮鏡)/日本内視鏡外科学会技術認定医/がん治療認定医

信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。

妊娠中にくしゃみをするとお腹が痛いと感じることもあるでしょう。激痛が走ったり、下腹部痛があると、赤ちゃんのことが心配になる妊婦さんもいるかもしれません。今回は、くしゃみによる腹痛の原因や赤ちゃんへの影響、痛みを軽減する方法、くしゃみの予防方法について解説します。

妊娠中のくしゃみでお腹が痛い

妊娠中は、ホルモンの分泌量の変化によって鼻の粘膜が敏感になるため、くしゃみが出やすくなります。くしゃみをすると、お腹が張ったような痛みや下腹部痛、人によっては激痛を感じる場合もあるでしょう。

くしゃみによる腹痛が起こるたびに、赤ちゃんに影響はないか、流産や早産にならないかと不安になる妊婦さんも多いのではないでしょうか。

今回は、妊娠中のくしゃみでお腹が痛くなる原因や対処法、赤ちゃんへの影響、くしゃみの予防方法について解説します。

くしゃみによる腹痛の原因

妊婦 腹痛
Africa Studio/Shutterstock.com

くしゃみによる腹痛の主な原因は、お腹に圧力がかかることです。

くしゃみをすると、筋肉の緊張と大きな呼吸によって上半身に力が入り、腹圧がかかります。妊婦さんは、子宮周りの筋肉が緊張することに加えて、腹圧がかかることで子宮を支える靭帯にも刺激を受けるため、お腹が痛くなります。

赤ちゃんへの影響

くしゃみによる腹痛は、子宮が収縮して起こる痛みではないため、赤ちゃんへの影響はありません。お腹が痛いと、流産や早産の心配をする妊婦さんは多いかもしれませんが、くしゃみとは関係がないので、安心してすごしてくださいね。

くしゃみによる腹痛よりも、くしゃみでストレスを抱える方が赤ちゃんにとってよくないため、思い悩まずに妊娠生活を送りましょう。

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くしゃみによる腹痛を軽減する方法

妊娠中は、さまざまな体の変化があり、体調が優れないことやストレスが溜まりやすい状態です。ただでさえ不安定になりやすいため、お腹が痛い状態はできるだけなくしたいですよね。痛みを軽減するためには、どのような方法があるのでしょうか。


近くにあるものを力強くつかむ

クッション
Alena Ozerova/Shutterstock.com

お腹かかる圧力を軽減する方法の1つに、手近にあるものをつかむ方法があります。外出中はバッグ、バスや電車に乗っているときはつり革、自宅ではクッションなどをつかむとよいでしょう。

手近にあるものを力強くつかむと、くしゃみの衝撃がつかんだ物に伝わり、お腹に力が入りにくくなるため、腹痛が抑えられます。


前かがみになる

前かがみになると、まっすぐ立っているときよりも子宮周りの筋肉や靭帯が緩むため、くしゃみによるお腹への負担がかかりにくくなります。簡単にできますが、激痛や下腹部痛を軽減するために有効な方法です。


身体を丸めた姿勢で寝る

布団に寝ているときにくしゃみがでる場合もあります。仰向けでくしゃみをするとお腹が張るような痛みを感じることが多いため、横をむき、お腹を抱え込むように体を丸めてくしゃみをしましょう。

くしゃみを予防する方法

くしゃみは、上半身に激しい衝撃を与え、腹痛を引き起こすだけでなく、体力も消耗するため、くしゃみの回数を減らしたいと考える妊婦さんもいるかもしれません。くしゃみの予防方法について解説します。


マスクをする

マスク
Lenorko/Shutterstock.com

妊娠中は、体に水分を蓄えたり、血管を拡張させる働きを持つホルモンが多く分泌されるため、体はもちろん鼻の粘膜もむくみやすくなります。

むくんだ鼻粘膜はホコリやハウスダストなどの刺激を感じやすいので、マスクをつけてアレルゲンの侵入を防ぎましょう。


こまめに掃除をする

マスクをするだけでなく、部屋の中を清潔にすることも重要です。妊娠中はホルモン分泌の変化によってアレルギー症状が出やすいため、掃除だけでなく、ふとん干しや空気清浄器などのアレルゲン対策をするとよいでしょう。


鼻うがいする

鼻うがいをすると、鼻水やアレルギー物質、風邪やインフルエンザなどのウイルスを取り除くことができるため、くしゃみの予防に繋がります。

鼻うがいの方法は下記の通りです。


  1. 人肌くらいまで冷ましたお湯で塩分濃度0.9%の食塩水を作る
  2. 洗面器に1を入れ、吸わない側の鼻の穴を指で塞ぎながら、鼻を食塩水につけ、ゆっくり吸い込む
  3. 食塩水が鼻の奥まで達したら洗面器から顔を上げ、鼻や口から吸った食塩水を出す
  4. もう片方の鼻も同じように行う

洗面器に顔をつけることに抵抗がある場合は、ノズルのついたプラスチックボトルやストローを使ってもよいでしょう。

くしゃみによる腹痛を軽減して妊娠中も快適に過ごそう

妊婦
Africa Studio/Shutterstock.com

妊娠中は、ホルモン分泌の変化によってくしゃみが出やすくなります。

くしゃみをしてお腹が痛いと、お腹のなかの赤ちゃんが心配になりますが、子宮周りの筋肉や靭帯への刺激が原因で痛みを感じるため、赤ちゃんに影響はなく、流産や早産を引き起こすこともありません。

前かがみになり手近にあるものをつかんでくしゃみをすると、お腹への負担がかかりにくく、腹痛を軽減できます。横になっているときは、お腹を抱えるように体を丸めてくしゃみをしましょう。

マスクの着用やこまめな掃除でくしゃみを予防したり、腹痛を軽減する方法を試したりしながら、妊娠中も快適に過ごせるとよいですね。


監修:杉山太朗(田園調布オリーブレディースクリニック)

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杉山太朗

杉山太朗

信州大学医学部卒業。東海大学医学部客員講師、日本産科婦人科学会専門医、母体保護法指定医、日本産科婦人科内視鏡学会技術認定医。長年、大学病院で婦人科がん治療、腹腔鏡下手術を中心に産婦人科全般を診療。2017年田園調布オリーブレディースクリニック院長に就任。患者さんのニーズに答えられる婦人科医療を目指し、最新の知識や技術を取り入れています。気軽に相談できる優しい診療を心がけています。

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