なぜ伊東市長の学歴詐称問題は終わらないのか…東洋大関係者が見た「田久保劇場」というドロ沼の正体【伊東市長5選】
リーダーの在り方が問われている
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卒業証書から始まった「不信の連鎖」
静岡県伊東市で起きた市長の「学歴詐称」問題が、いまだに終わりを見せません。発端は、田久保眞紀市長が「東洋大学を卒業した」と公言しながら、卒業証書の提示を拒み続けたことでした。辞職もしないまま、説明を避ける姿勢に、市民とメディアの視線は日に日に厳しさを増しています。

伊東市の広報誌「広報いとう」より
伊東市は「小さな政治劇場」となりました。この騒動をきっかけに、人口6万人の街が思わぬ形で全国の注目を集めました。とりわけ総工費100億円の新庁舎。市民の間では「100億円御殿」とよばれているそう。家康ゆかりの地に建てられたその庁舎は、「見栄」と「誇り」が入り混じったトップリーダーを象徴しているようにも映ります。
なぜ、地方都市の一市長の学歴が、これほどまでに全国的な話題になっているのでしょうか。本稿では、プレジデントオンラインがこれまで配信してきた5本の記事を通して、「田久保劇場」と呼ばれる一連の騒動の本質を探ります。浮かび上がるのは、学歴そのものではなく、「説明しない」「謝らない」「辞めない」という態度が生む不信の連鎖です。
SNSやテレビで取り上げられるたびに、なぜか“応援団”が増えていくという逆説的な現象も起きています。情報が簡単に拡散する時代に、発信力や「被害者ポジション」がどのように作用するのか。一連の騒動から見えるのは、私たち自身の社会が抱える“リーダーの在り方”そのものなのかもしれません。

























