アンジャッシュ渡部を見習えばよかったのに…危機管理のプロが解説する「チョコプラの謝罪動画」炎上の必然
謝罪で大事なのは「何を捨てるか」という戦略
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お笑いコンビ、チョコレートプラネットの松尾駿さんの発言が炎上している。東北大学特任教授で人事・経営コンサルタントの増沢隆太さんは「問題発言の謝罪を動画で行うも事態が好転しているとは言い難い。それは、彼らの謝罪に戦略性がなかったからだ」という――。
炎上の典型パターンだったチョコプラの発言
芸能人や政治家、大物財界人など、著名人の不祥事があるたび、謝罪会見を求める声が上がります。しかし謝罪会見をしたらしたで、さらなる批判を集めて大炎上するケースもあり、いったいどうしたら良いのでしょうか。謝罪という危機対応においては、戦略がカギとなります。
地上波レギュラー番組を多数抱え、自身のYouTube登録者も約250万人という大人気お笑いコンビ、チョコレートプラネット・松尾駿さんが、SNS利用について発言したことで炎上しました。SNSの攻撃性への批判という意味で「素人はSNSをやるな」という発言が注目され、それがネットニュースで伝播するという、典型的なネット炎上パターンとなったのです。
その「素人」発言自体、主旨はあくまで悪質な中傷などへの批判なのですが、こうした本意は届かなくなるのがネット炎上です。だいたいの炎上事件は本来の主旨とは異なるメッセージに変換され、それが伝播する過程でさらに情報がゆがみ、元となった番組や発言を聞いていない圧倒的多数の人が批判をし始めるのが炎上構造です。