果物・ヨーグルトと相性のいいパンか、味噌汁・納豆と食べられるご飯か…「朝食は洋食か和食か」の最終結論
パンとご飯そのものの食物繊維の量は変わらない
Profile
朝食は和食と洋食のどちらのほうが健康にいいのか。医師の山下明子さんは「パンとご飯そのものの食物繊維の量は変わらないが、パンと相性のいい果物・ヨーグルト、ご飯に合う味噌汁や納豆まで考えると、摂れる栄養に大きな差が出る」という――。 ※本稿は、山下明子『食べる瞑想 幸せな毎日が続く新しい心の整え方』(三笠書房)の一部を再編集したものです。
ゆるく食材選びのポイントを知り健康を維持する
何を食べたら健康でいられるか、というのは永遠のテーマです。
でも、「あれは体にいい」「これは体に悪い」などのレッテルを貼ることは「食べる瞑想」には適していません。「これは体によくないものだ」と細かいことに目くじらを立てていては、毎日の食事が楽しめなくなり、心が疲れてしまいますからね。
しかし、健康を無視した食材選びをしていいかというと、それも自分を大切にしない行為なので、結局体調不良を招いてしまうことになります。
そこで、緩くていいので、食材選びのポイントを知っておくといいでしょう。
その際には、YouTubeやInstagramなどのインパクトのある情報に流されるのではなく、古の知恵やあなたの経験を大切にしてもらいたいと思います。
和食は食物繊維が豊富で、中性脂肪の増加を抑える
健康長寿に深く関わると昔から言われているものに、和食があります。
日本を長寿大国にした要因であり、近年の疫学研究によっても「地中海食」(和食に近い食事)が健康にいいことが明らかになりました。
ぜひ、この和食を積極的に食べていただきたいのです。
ちなみに、和食にも蕎麦や寿司などいろいろありますが、本項で触れるのは、ご飯と味噌汁とおかずといった、和食の基本と謳われている一汁三菜です。
そんな和食がポイントになる理由を、二つに絞って説明します。
一つ目は食物繊維の豊富さです。大根やにんじん、ごぼうなどの根菜類や大豆製品、海藻類など、和食には食物繊維をたっぷり含む食材が多く使われています。
まず、食物繊維は腸内細菌のバランスを整え、お腹の調子をよくしてくれます。
さらに、炭水化物と一緒にとることで、食後の血糖値の急激な上昇を抑える効果も期待できます。炭水化物を単体で食べると血糖値は急上昇しやすくなりますが、食物繊維と一緒であれば、血糖値の上がり方はずっと緩やかになるのです。
加えて、中性脂肪や小型LDLコレステロールの増加も抑えてくれます。これらはどちらも動脈硬化を進行させ、脳梗塞や心筋梗塞といった深刻な病気のリスクを高めますが、食物繊維を積極的にとることで、これらのリスクを減らし、血管の健康を保つことができるのです。