WBCの放送がネトフリになって本当によかった…民放が進めた「スポーツ中継のバラエティ化」へのウンザリ

WBCの放送がネトフリになって本当によかった…民放が進めた「スポーツ中継のバラエティ化」へのウンザリ

「新鮮な刺身」にケチャップをかけるような番組づくり

米動画配信大手ネットフリックスは、2026年3月に行われるワールド・ベースボール・クラシック(WBC)全試合の日本国内での独占配信権を獲得した。ライターの広尾晃さんは「民放のスポーツ中継には問題が多くあった。野球好きにとっては、むしろ喜ばしいことだと思う」という――。

日本代表・大谷が見られるのはネトフリだけ

2026年3月の第5回WBCの日本での独占放映権をアメリカのネットメディア、ネットフリックスが獲得したことは、大きな衝撃となった。

今のところ、日本の地上波テレビではWBCの試合中継は視聴できず、各局は「ダイジェスト映像」をネットフリックスから買うことになりそうだ。

前回のWBCは東京ラウンドからエンゼルスの大谷翔平(所属は当時、以下同)、パドレスのダルビッシュ有とメジャー選手が参戦した。NPBのオリックス山本由伸、ロッテ佐々木朗希、ヤクルト村上宗隆、巨人岡本和真などスター選手と共闘して東京ラウンドを全勝で通過。アメリカ、マイアミでの決勝ラウンドでもメキシコ、アメリカに勝って2009年以来の「世界一」に輝いた。

とりわけ決勝戦では、最終回に大谷翔平と、エンゼルスの盟友でアメリカチームのリーダー格のマイク・トラウトとの一騎打ちを迎え、大谷がトラウトを三振に切って取ると言う劇的な幕切れになった。

野球好きの人々の意外な反応

多くの日本ファンは、この壮大なドラマの一部始終を主として地上波テレビで見ていた。3月16日19時過ぎから放送された東京ラウンドの最終戦、日本対イタリアは世帯視聴率48.0%、個人視聴率31.2%。

3月22日の決勝戦、日本対アメリカは水曜日の朝8時25分からの放送にもかかわらず世帯視聴率42.4%、個人視聴率24.3%を記録した(いずれも関東地区)。ちなみに、日本対イタリア戦の視聴率は、2023年の全番組のトップだった。

このことを考えると今回のネットフリックスの独占放映権獲得は、強烈な衝撃ではある。

一般の人々は、自宅のテレビがネットとつながっていない限り、そしてネットフリックスとサブスク契約をしない限り、大谷翔平やダルビッシュ有の活躍を見られないのだから。

しかしながら筆者周辺にいる「野球好き」の人々の反応は違っていた。

「やっと地上波の酷い放送から解放される。あれを視聴しなくて済むなら、サブスクなんて安いものだ」

実のところ、民放のスポーツ中継は、スポーツ好きの視聴者にとっては悪評高かったのだ。

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2025.09.14

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