来園者500万人減でも全然へっちゃら…過去最高売上&利益の東京ディズニーリゾートの"打ち出の小槌"
客単価が上がったチケット値上げ以外の意外な要素
Profile
東京ディズニーランド&シーを運営するオリエンタルランドの売上・利益が絶好調だ。来場者数は以前より約500万人も減っているのになぜか。コンテンツクリエイターの妄想する決算さんが決算報告書を丁寧に読み解き、コロナ以前を上回る水準の業績となったカラクリを説明する――。 ※本稿は、妄想する決算「7つのステップでビジネスモデルを可視化する決算分析の技術」(フォレスト出版)の一部を再編集したものです。
数字に出てこない「積み上がり」に着目する――オリエンタルランド
さて、企業が成長するかどうかを判断するには、「積み上がるもの」を見つけることが重要だと触れました。もちろん積み上がるものには、数字や決算書には載っていないものもあります。
ここでは、決算書には直接的な数値として表れにくいものの、コロナ禍で新たな価値を「積み上げた」企業として、オリエンタルランドを取り上げていきます。
ステップ1 企業を分解して事業内容を把握する
それではまずは、オリエンタルランドを分解していきましょう。
事業セグメントは以下の3つがあります。
① テーマパーク事業
ディズニーランド・ディズニーシーの運営
② ホテル事業
ディズニーホテルを中心としたホテル運営
③ その他事業
商業施設「イクスピアリ」の運営や、ディズニーリゾート内のモノレールの運営など
テーマパークを起点として、ホテルやその周辺施設の運営も行っています。
2025年3月期の事業セグメント別の構成は以下の通りです。
【売上高】
テーマパーク事業 81%
ホテル事業 16%
その他事業 3%
【営業利益】
テーマパーク事業 82%
ホテル事業 18%
その他事業 0%
売上・利益ともにテーマパーク事業が8割以上を占める主力の事業となっています。
ホテル事業も一定の規模を持っていますが、オリエンタルランドのホテルはテーマパークに隣接しているため、その業績もテーマパーク事業に連動します。つまり、会社の業績はテーマパークの動向に大きく左右されます。