学歴も志望動機も見ないが適性検査は複数回…強い企業「キーエンス」が入社後伸びる人材を見極める3つの要素
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人材採用で社員とのミスマッチを避けるにはどうすればいいか。キーエンスとプルデンシャルでトップの成績を残したSales Navi 代表取締役の田中大貴さんは「キーエンスでは新卒を採用する段階で、キーエンスのカルチャーを体現できそうな人を見抜いている。重要視している資質は3つあり、それを見抜くために複数回の適性検査を行う」という――。 ※本稿は、田中大貴『売れる組織 売れる営業』(実業之日本社)の一部を再編集したものです。
日常会話に出てくるほど浸透しているか
どの企業も、カルチャーを掲げることぐらいはやっているかもしれません。広報戦略として取り組むのが常識で、上場していればIRとして行うことも必須です。
ところが、それが行動指針としてブレイクダウンされていないうえ、その確認が日々行われていないことが、浸透・定着しない要因であるのは間違いありません。
カルチャーを決めるのは、創業者をはじめとする企業のトップです。一般的に、その想いはメンバーに下りていくときに伝言ゲームになっていきます。重要なことは、管理職に限らずすべてのメンバーにとってそのカルチャーがどれだけ腑に落ちているかです。
キーエンスでもプルデンシャルでも、みんなが腑に落ちているからこそ、日常会話に出てくるほど浸透しているのです。結局、トップ層の想いを落とし込む作業をしなければ、浸透も定着もしません。
腑に落ちても、勝手に日常化するわけではありません。浸透させるための施策や演出は欠かせません。キーエンスやプルデンシャルでは、その施策や演出が手を替え品を替え行われています。また、方法だけでなく、頻度も大切です。