モンスタークレーマー化する大統領…「売れる日本車」を逆恨みする"トランプとアメ車"の悲しい現実

モンスタークレーマー化する大統領…「売れる日本車」を逆恨みする"トランプとアメ車"の悲しい現実

ドナルド・トランプ米大統領は日本車ばかりアメリカで売れる現状を嘆き、貿易の不公平があると主張している。本当にそうなのだろうか。アメリカの主要紙までもトランプ氏の矛盾を指摘している――。

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バージニア州のリーズバーグエグゼクティブ空港で、出発前に携帯電話を使用するドナルド・トランプ大統領

トランプ氏「日本は米国車を締め出している」

「彼ら(日本人)は、我々が日本で車を売ることを不可能にしている」

トランプ大統領による、第1次政権時代のコメントだ。日本が米国車を締め出していると繰り返し主張しており、アメリカ企業経営者らとの会合でも同様の発言をした。当時の米ニューヨーク・タイムズ紙は、トランプ氏は日本が規制障壁を設け、日本ブランドに有利になるよう為替市場を操作していると主張している――と報じていた。トランプ氏の姿勢は、第2次政権を発足した今もまったく変わっていない。

だが、数字が物語る現実は厳しい。日本の自動車市場における米国車のシェアはわずか1%未満だ。米CNBCは2019年時点で、「フォードなどアメリカ車が日本で売れない理由」との動画を公開。最大手の米自動車メーカー、ゼネラル・モーターズ(GM)がその前年、日本でわずか700台しか販売できなかったと指摘している。フォードに至っては2017年に日本市場から完全撤退している。

対照的に日本車は、アメリカで絶大な人気を誇る。日本の自動車メーカーはアメリカで非常に多くの車を販売し、人気のSUVはもちろんのこと、複数のセグメントで販売台数と評価の両面で好調だ。CNBCは、日本の自動車メーカーがアメリカで販売される車の3分の1を現地生産し、多くのアメリカ人労働者を雇用していると報じ、米経済への寄与を強調している。

だが、トランプ氏はあくまで貿易の不均衡を問題視し、日本側に非があるとの立場だ。日本側はこの主張に困惑するばかりだ。ニューヨーク・タイムズ紙は、日本の自動車業界関係者からすれば、トランプ氏の貿易障壁についての非難は奇妙に映ると指摘している。

「ボウリングボールテスト」発言の真相

トランプ氏の奇妙な主張は、今年4月にも繰り返された。もはや恒例となった誇張や虚偽発言だが、注目を集めたのが「ボウリングボールテスト」についての持論だ。米MSNBCによると、トランプ氏は「日本では『ボウリングボールテスト』と呼ばれるものがある。それは20フィート(約6メートル)の高さから車のボンネットにボウリングボールを落とし、へこんだら車は不合格になる」と述べた。

この珍説は2018年の資金調達イベントで初めて飛び出し、今年も記者団に対して同様の主張を繰り返したものだ。MSNBCのスティーブ・ベネン記者は、この発言の後、当時のホワイトハウス報道官が「明らかに冗談を言っていた」と弁明したと報じている。

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https://kidsna.com/magazine/article/entertainment-report-250321-77261413

2025.05.07

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