「さす九問題」の本質は女性差別ではない…「ブス」と言われ続けた九州女性が「災害のような父親」に同情する理由
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福岡に残っていたら「行き遅れ」と言われるけど…
「さすが九州」を略した、ネットスラングの「さす九」。「男尊女卑」の傾向が強いとされる九州在住者や出身者を揶揄する言葉だ。たびたびSNSで話題となり、最近では西日本新聞(本社・福岡市)が3月に出した記事〈男尊女卑やゆ「さす九」SNSで拡散 性別による無意識の思い込み調査、九州の傾向は〉が論争を引き起こしている。この「さす九」問題、実は単なる地域文化ですまされず、九州各県の将来にも暗い影を落としかねない。
「脱『さす九』ができて、大正解でした」
マスコミ業界で活躍する都内在住のミキさん(30代前半)は、福岡県の高校から早稲田大学に進学した自分の決断をこう評価する。彼女は平日はバリバリ働きながら、週末を中心に同世代の彼氏と楽しく過ごす。
「キャリアを積み上げられるし、マッチングアプリでの男性との出会いもある。福岡に残っていたら『行き遅れ』と後ろ指さされますが、東京では誰も言わない」
そして筆者が問わずとも、東京出身の彼氏が自らをどう呼称しているのかを教えてくれた。
「一人称は〈僕〉なんですよ。父もですが福岡の男性は、だいたいが〈オレ〉。もちろん彼は、女は黙ってついてこいという性格でもないです」