中高年が「ゼロから語学学習」はメリットだらけ…50歳から8カ国語を身につけた男性が経験した人生の大転換
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中高年から語学学習に取り組む際には、何を意識するべきか。作家・翻訳家の宮崎伸治さんは「高齢になってから語学学習をゼロから始めて、中級レベルに達すれば、頭が良くなる、新しいビジネスチャンスが開けてくるなど、素晴らしい可能性が開けてくる」という――。 ※本稿は、宮崎伸治『50歳から8か国語を身につけた翻訳家の独学法』(青春出版社)の一部を再編集したものです。
大学に籍を置けば、中年ニートから逃れられる
学生時代、私は偏差値の高い学校に進学したいがためだけに、英語学習に励んでいました。英語学習の楽しみがわかっていなかったのです。
そんな私も21歳のときに翻訳家になる夢が芽生え、通信教育を3年受講し、27歳から企業内でビジネス文書の翻訳をするようになり、34歳のときに出版翻訳家デビューを果たしました。
しかし当時を思い返せば、翻訳家になった後も「お金儲けにつながるから」と英語を学んでいたにすぎません。
その後も英語力不足に悩まされ続け、ひたすら英語一本の道を歩みました。英語でさえまだまだなのに、他の言語に手を出すなんてもってのほか、という心境でした。
ところが出版翻訳家として働いているうち、私はさまざまなトラブルに巻き込まれ、何度か裁判沙汰になり、とうとう出版業界から逃げ出しました。
ただ、中年ニートになりたくなかった私は、通信教育課程を利用してさまざまな大学に籍を置いて学問に励むことにしました。ニートとは「学業も仕事もしない人」ですが、大学で学んでさえいればニートにはならないからです。
40代の10年間で大学の学位を5つ取得したので、相当な勉強家のように思われることもありますが、中年ニートになることから逃れるために大学に籍を置いていたというのが実情でした。