失敗したときに「反省会」だけでは不十分…大谷翔平選手が不調のときこそ実践している一流の思考法

失敗したときに「反省会」だけでは不十分…大谷翔平選手が不調のときこそ実践している一流の思考法

トラブルが起き、悩んでしまう時にはどうすればよいか。教育学者の齋藤孝さんは「メタ思考がメンタルの余裕を生み出し、前に進む力となる。肘を故障しても活躍し続ける大谷翔平のすごさの秘密はそこにある」という――。 ※本稿は、齋藤孝『すごいメタ思考』(かんき出版)の一部を再編集したものです。

上機嫌でいるほうがお得

メタ思考ができると、心に余裕が生まれます。

なぜなら、自分がどういう状況に置かれているかを理解し、自身の言動をコントロールすることが可能になるからです。

メンタルが安定していると、気分のムラが少なくなります。

機嫌のいいとき・悪いときがなくなり、いつも上機嫌でいられるのです。

なぜ上機嫌でいることがいいかと言うと、何より自分が気持ちよく日々を送れるからです。晴れやかな気分で、いろんなことに前向きに取り組めます。

また、周りの人に好印象を与えるから、人付き合いがうまくいきます。誰だって、機嫌の悪い人には近づきたくないですからね。

つまり上機嫌でいるほうが、何かとお得なのです。

ただし、それだけで常に上機嫌を保つのは難しいでしょう。

だから私は、状態にかかわらず上機嫌を保つテクニック、つまり「上機嫌力」、あるいは、「ワザとしての上機嫌」が身についていることが重要だと思います。

じつは、この「ワザとしての上機嫌」を支えるのが、メタ思考なのです。

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※写真はイメージです

思考をベースに機嫌はつくられる

機嫌というのはきわめて情緒的な問題で、思考が気分や感情にひきずられそうな感じがしますが、じつはその逆なのです。

思考が基盤になって、機嫌がつくられます。

マイナスのこと・暗いことを考えれば機嫌は悪くなり、プラスのこと・明るいことを考えれば機嫌がよくなる。そういう関係にあります。

もうおわかりかと思いますが、メタ思考は感情をともなうふつうの思考ではありません。

あるがままの現実を直視し、理解したうえで、そこから自分をひきはがして物事を考える、言うなれば「現実に呑みこまれない思考」です。

だから機嫌が左右されることはないのです。「ワザとしての上機嫌は、メタ思考が支える」とは、そういうことです。

この「上機嫌力」が身につくと、公正な人格が養われます。

状況判断が的確なので、気分や感情に左右されて判断を誤ることがないからです。

しかもいつも上機嫌で、偉ぶるところがないので、人から嫌われることもありません。

ただし、上機嫌がいきすぎて、絶好調でいい気になっていると、足元をすくわれやすい時代でもあるので、上機嫌を“独り歩き”させないよう気をつけてください。

いまの時代、みんなのメタ思考力が上がってきていることもあって、偉そうな人は間違いなく嫌われます。

威張っている人は「まるで裸の王様だな。状況が全然見えていない」と見抜かれてしまうのです。

そのバランスを取るのもまた、メタ思考。

メタ思考に支えられたワザであればこそ、上機嫌は自分にとっても、周囲にとっても美徳となりうるのです。

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2025.05.01

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