毎朝同じ質問をするだけでOK…"AI時代の必須スキル"を磨くために親が子に用意できる一枚のチャート
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AIの普及により便利になったものの、人の仕事が奪われることに危機感を覚える人は少なくない。子をもつ親はなおさらだ。バイリンガル幼稚園の創立者であり、幼児教育に精通する中内玲子さんは「AI時代に人間に必要となるのは、AIに負けない力ではない。共存し、活用する力だ。その力は成長と共に衰えるので、意識して家庭教育に取り入れないといけない。そのひとつに『感情チャート』がある」という――。
職業の約半分がAIに代替される可能性
最近、親御さんたちと話すと「子供が将来、AIに負けないように育てるにはどうしたらいいのか」と、子供の将来を心配している人が多いのを感じます。
確かに、すでにAIが多くの分野で活用され、ChatGPTなどの生成AIは驚くべき進化を遂げており、人間の能力を凌駕している分野もあります。人間に求められる能力が、今までとは変わっていくかもしれません。
「AIに仕事を奪われる」という議論は、オックスフォード大学のマイケル・オズボーン教授らが2013年に発表した論文、「雇用の未来(The Future of Employment)」でなされています。その論文では、AIやロボットの進化により「今後10〜20年の間にアメリカの総雇用の約47%の仕事がAIに代替される可能性がある」と予測しています。
AIによる代替が難しい職業
そのうち、特に単純作業やデータ処理、ルーチン業務を中心とする仕事は自動化の影響を受けやすく、例えば事務職、レジ係、電話オペレーター、運転手などの職業が消滅する可能性が高いと指摘されています。
消滅する可能性が高いと指摘された仕事
- 事務職
- レジ係
- 電話オペレーター
- 運転手
その一方で、創造性や対人スキル、判断力を必要とする職業はAIによる代替が難しく、芸術家、医師、教師、カウンセラーなどは今後も求められると書かれていました。
今後も求められると考えられる仕事
- 芸術家
- 医師
- 教師
- カウンセラー
この研究は、労働者が「創造力」や「問題解決能力」を身につけることの重要性を示唆しました。そしてこれにより、AI時代の教育や職業選択の在り方が見直されるようになったのです。
日本においても、野村総合研究所がオズボーン教授らと2015年に行った共同研究で、2025〜35年頃には、日本の労働人口の約49%が就いている職業が「技術的にはAIやロボット等により代替できるようになる可能性が高い」と予測しています。
その共同研究においても、芸術、歴史学、哲学などの抽象的な概念を整理・創出するための知識が要求される職業のほか、他者との協調や他者の理解、説得、ネゴシエーション、サービス志向性が求められる職業は、AI等での代替は難しいとしています。