35歳以降、5歳ごとに求人数が半減する現実…中途採用している企業が決して明かさない「45歳の断崖絶壁」とは
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転職するベストなタイミングはあるのか。ミドル世代専門転職コンサルタントの黒田真行さんは「ホワイトカラーは、35歳を過ぎると転職のハードルが一気に高くなり始める。その後、5歳ごとに求人数は半減すると考えたほうがいい」という――。 ※本稿は、黒田真行『いつでも会社を辞められる自分になる』(サンマーク出版)の一部を再編集したものです。
35歳から5歳ごとに「求人数は半減」する
今の労働市場は、これまで経験したことのない状況に直面していること、特にホワイトカラーの労働環境が劇的に変わりつつあると言いましたが、まず、知っておいてほしいことは、「ホワイトカラーは、35歳を過ぎると転職のハードルが一気に高くなり始める」ということです。
端的に言うと、どの年齢層でも転職を考える人の数は大きく変わらないのに、35歳を超えると、求人の数だけが一方的に減っていくことがその要因となっています。
35歳から40歳、40歳から45歳、45歳から50歳、50歳から55歳、55歳から60歳と、5歳ごとに求人数は半減すると考えたほうがいいでしょう。
一方で転職希望者数においては5歳ごとの変化はさほど大きくありません。その結果、35歳以降は5歳ごとに倍々ゲームで転職の難易度が上がっていく、ということになります。
私は多くのミドルの転職希望者にお会いしてきましたが、この事実を知っている人は多くありません。たとえば35歳の時に一度転職したことがある人は、45歳になっても、10年前と同じ意識で転職市場に出てきてしまったりすることが頻発するのです。
すると、書類選考を通過しない、とか、面接までたどりつけた場合でも相手の反応が芳しくなく「あれ、前のときと違うぞ」「内定獲得にまで進むことができない」などということになりかねない。
キャリアを見直すべきは「37歳」「42歳」「47歳」
一方で、ごく一部の人が経験した成功体験に基づくポジティブな情報だけは独り歩きしています。「50歳でこんな夢のような転職ができました」といったニュースに「自分もそうなるかもしれない」と勘違いしてしまうのです。
しかし、もちろん実際にはそんなことはありません。40~50代の転職はかなりの狭き門。その絶対的事実を冷静に認識しておく必要があります。
今は年齢や性別を条件にした求人募集は法律上禁止されています。しかし、年齢制限ができなくなっているからといって、35歳以上の総合職が必ずしも若手や一定分野のスペシャリストと同じような扱いで採用されるわけではありません。採用を決めるのは、あくまで求人を出している企業です。
一方、日本では労働力人口の減少が全体的に凄まじい速さで進行しています。実際に人手不足のニュースが流れる頻度は増しており、「これだけ人手不足なのだから、今後も転職は大丈夫だろう」などと思ってしまう人も増えています。
スペシャリスト採用などの流れで、かつて言われた「35歳転職限界説」は確かに崩れていますが、だからといって35歳以上の中高年が採用されやすくなっているというわけではありません。