「大きくないと気持ちよくない」は本当なのか…男子校の生徒たちが一様に胸をなでおろす助産師の授業

「大きくないと気持ちよくない」は本当なのか…男子校の生徒たちが一様に胸をなでおろす助産師の授業

「大きくないと気持ちよくない」と思い込まされているのはなぜなのか。性教育に携わる、精神保健福祉士・社会福祉士の斉藤章佳さんと助産師の櫻井裕子さんは「私たちのセックスはAVに影響を受けすぎている。ペニスは大きいほうがいいと思い込んでいる人は多いが、女性のセックスの気持ちよさは大きさとそれほど関係がない」という――。(第2回/全3回) ※本稿は、斉藤章佳・櫻井裕子『性的同意は世界を救う 子どもの育ちに関わる人が考えたい6つのこと』(時事通信社)の一部を再編集したものです。

私たちのセックスはAVに影響を受けている

【櫻井】私たちのセックスが、AVにどれだけ影響を受けているかを示す一例としては、オーラルセックスが分かりやすいかもしれません。

少し前のデータですが、日本家族計画協会会長の北村邦夫先生が、世代ごとにオーラルセックスをするかどうか調査されました。その結果、ポイントが全然違うのです(図表1)。

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斉藤章佳・櫻井裕子『性的同意は世界を救う 子どもの育ちに関わる人が考えたい6つのこと』(時事通信社)より

40~20代まで10歳年齢が下がるごとに、「毎回している」の割合が10%ずつ上がっていきます。私はこれはAVの影響ではないかと考えています。

また、2017年の「ジャパン・セックスサーベイ」によると、セックスについて初めて知った方法で、「インターネット情報」と回答している割合が多く、年代が上になるほど、「雑誌・小説」と回答しています(図表2)。インターネット情報とは、ほぼ無料で視聴できるアダルトコンテンツであると思われます。

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斉藤章佳・櫻井裕子『性的同意は世界を救う 子どもの育ちに関わる人が考えたい6つのこと』(時事通信社)より

【斉藤】かなりの割合で、我々の性行為はAVから影響を受けているということですね。一時期は、「顔射=顔面射精」っていうジャンルが流行しました。これもユーザー層(主に男性)にニーズがあると思って、最初に試みた仕掛け人がいるわけです。今自分が夢中になっているアダルトコンテンツは、もしかしたら、そのようなプロセスの中でつくりあげられた条件付けの中で性的欲求を刺激され、知らないうちにコントロールされているということに自覚的になっておきたいですね。

【櫻井】そうですね。操られているんですよね。その証拠に、パトロールしているわけではありませんが、「顔射」というのは、一時期よりも聞かなくなりました(笑)。流行りもあれば、廃りもあるわけです、しかしこれは誰にとってもよくない気がします。AV業界の人も、新しいジャンルを開拓し続けるのはしんどいでしょうし。

【斉藤】AVはユーザーのニーズをリサーチしつくして商業的につくられている、つまり、幻想なんだということを学ぶことができる性教育が必須だと思います。

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https://kidsna.com/magazine/article/entertainment-report-241015-81345611

2025.05.01

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