健康どころか肝臓をぶくぶく太らせる…専門医が患者に「買うのをやめよう」と説くコンビニで売っている飲み物

健康どころか肝臓をぶくぶく太らせる…専門医が患者に「買うのをやめよう」と説くコンビニで売っている飲み物

肝臓に優しい暮らしをするにはどうしたらいいのか。肝臓外科医の尾形哲さんは「食事の見直しが欠かせない。効率のよさや栄養密度の高さ、タイパがいい食べ物ほど、実は肝臓にダメージを与えている。肝臓に脂肪をためないために、まずは毎日飲んでいる水分から変えてみよう」という――。 ※本稿は、尾形哲『肝臓から脂肪を落とす食事術【増補改訂版】』(KADOKAWA)の一部を再編集したものです。

タイパのいい食事は肝臓にダメージを与える

毎日忙しくて、食事もままならない生活を送っている人がたくさんいらっしゃいます。朝食などを欠食したり、ワンハンドで食べられる食事を飲み込むように食べたりすることで、タイパ(※)のよさを感じるかもしれません。しかし、それが肝臓にダメージを与えています。結果として、肝臓に脂肪が増える「脂肪肝」という病気を抱える人が増加中です。

「脂肪肝は、栄養がしっかり摂れている証拠なのでは?」などと、悠長に考えてはいけません。糖質過多などによる脂肪肝はもちろん多いですが、タンパク質などの栄養が少ないことで筋肉不足に陥り、それが脂肪肝を引き起こしているケースもあります。

脂肪肝を放っておけば肝炎を起こし、そこから肝硬変、肝がんといった命に関わる病気になるリスクが高まります。だから、脂肪肝のサインに気づいた時点で改善の道を目指すべきです。肝臓は、本来、再生力の高い臓器なので、肝硬変に至るまでにいくらでも引き返す道があります。

脂肪肝に最初に気づける機会は、定期的に行われる「健康診断」です。肝機能検査で測定されるALTは、肝細胞に炎症や障害があると上昇する酵素です。一般的な基準値は30U/L前後ですが、それを超えて持続的に高い状態が続く場合、肝臓で何らかの炎症が起きている可能性があります。

近年、こうした異常の背景に「脂肪肝」が隠れているケースが増えています。脂肪肝の診断には腹部エコーなどの画像検査が必要となるため、ALTの値が30を超えていることに気づいたら、かかりつけ医や内科医に一度相談してみましょう。

※タイパ…「タイムパフォーマンス」のこと。費やした時間とそれによって得られた効果である時間対効果を指す。

3カ月で体重の7%減が肝臓復活のカギ

では、脂肪肝を改善するにはどうしたらいいのでしょうか。

脂肪肝脱却というゴールに最も早く到達する黄金ルールがあります。それが、“今の体重の7%を落とす”こと。体重を7%落とせば、脂肪肝や脂肪肝炎が改善することが示されています。

体重60kgの人なら、60kg×7%=4.8kgの減量を目指します。

これが最初の目標設定です。目標は必ずメモに残し、毎日目にするところに貼っておきましょう。

ちなみにこの体重減の取り組みは、年に7%落とすというスパンではなく、3カ月で7%落とすことが大切。これこそが、肝臓復活の“最高のタイパ”になります。

そして、目標に近づくために必ずすべきことがあります。それが毎日の「体重測定」。

そんな当たり前のことと思われるかもしれませんが、多くの人は忙しさや食べすぎたことを理由に体重から目を背けるものです。

だからこそ、毎日体重計に乗ること。食事量による体重増減の影響が少ない起床時がベストです。そして、体重を測ったら記録する。手書きでもスマホアプリでもかまいませんが、アプリに記入すれば、自動で体重変化をグラフで示してくれる便利機能を活用できます。

ここで大切なのは、体重を測って記録したことに対して、“自分を褒める”という行為をプラスすること。「今日もクリアした」とガッツポーズをして、マインドセットするだけでもかまいません。面倒なことを今日もこなしたと、いちいち自分を褒めることが、継続のコツになります。

そして、1カ月で体重が2kg落ちていたら最大限の賛美を。私が担当するスマート外来では、1カ月で体重が2kg落とせた人は3カ月後の7%減量を達成しやすいというデータが出ています。

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2025.05.01

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