ネズミ混入問題「すき家」24億円売上減の「全店一時休業」を決断した"外食王"の知られざる素顔
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牛丼チェーン「すき家」で相次いだ異物混入問題。ネズミやゴキブリといった衛生上の深刻な問題が発覚し、親会社のゼンショーホールディングス(HD)は約1970店舗にのぼる「すき家」の国内ほぼ全店を一時休業とする異例の対応を取った。その背景と影響を流通科学大学教授の白鳥和生さんが追った――。
「すき家」「なか卯」「はま寿司」外食王の試練
牛丼チェーン「すき家」で相次いだ異物混入問題。ネズミやゴキブリといった衛生上の深刻な事態を受け、親会社のゼンショーホールディングス(HD)は国内約1970店のほぼすべてを一時休業させる異例の対応に踏み切った。食品業界でこれほどの規模で営業を止める決断は極めて稀だが、外食にとって「清潔さ(クレンリネス)」の欠如は命取りとなる。
会長兼社長の小川賢太郎氏は、「全勝(ゼンショー)」をモットーに、数々の挫折を糧に外食王国を築いてきた人物だ。過去には「ワンオペ(一人での店舗運営)」批判の集中砲火を浴びたこともある。その反省は今回の判断にどう生きたのか。試練の最中にあるリーダーの真価が問われている。
問題の発端は2025年1月。鳥取市内の「南吉方店」で提供されたみそ汁にネズミが混入していたことが発覚した。X(旧Twitter)に画像が投稿されると、瞬く間にSNSで拡散し、衝撃的なビジュアルがすき家のブランドを揺るがした。
すき家は3月22日、公式サイト上で謝罪文を発表。「建物構造や周辺環境が影響した個別の事象」と説明したが、限定的な対応との印象を与え、消費者の不信を払拭するには至らなかった。
ネズミの次はゴキブリ混入の報告が…
そして3月28日、今度は東京都昭島市の「昭島駅南店」で弁当にゴキブリの一部が混入していたとの報告が寄せられた。2件目の発覚により、ゼンショーHDは「偶発的ではない」と判断。3月31日午前9時から4月4日午前9時まで、全国の「すき家」店舗を一斉に休業するという前例のない措置に踏み切った。