怖いのは肝臓の病気だけではない…「飲まない人に比べて約1.7倍」お酒をよく飲む女性に多い"がん"の名前

怖いのは肝臓の病気だけではない…「飲まない人に比べて約1.7倍」お酒をよく飲む女性に多い"がん"の名前

飲酒が与える健康への影響に男女差はあるのか。琉球病院副院長の真栄里仁さんは「多くの研究で、女性の肝臓はお酒に弱いことが示されている。加えて、お酒をよく飲む閉経前の女性は乳がんにかかりやすいことも分かっている」という――。 ※本稿は、葉石かおり著、浅部伸一監修『なぜ酔っ払うと酒がうまいのか』(日経BP)の一部を再編集したものです。

カフェでコーヒーではなくビールを飲む女性

厚生労働省の飲酒ガイドラインで個人的にショックだったのが、「性別の違いによる影響」について言及されていたことだ。

「女性は、一般的に、男性と比較して体内の水分量が少なく、分解できるアルコール量も男性に比べて少ないことや、エストロゲン(女性ホルモンの一種)等のはたらきにより、アルコールの影響を受けやすいことが知られています。このため、女性は、男性に比べて少ない量かつ短い期間での飲酒でアルコール関連肝硬変になる場合があるなど、アルコールによる身体への影響が大きく現れる可能性もあります」(飲酒ガイドライン)

酒に関わる仕事をしている身として、これは無視できない。いくら酒がおいしいからといって、気軽に女性に勧められないではないか。

その一方で、最近は女性の飲酒が増えていると感じる。筆者の周囲を見渡しても、自分を含め、男性と同等かそれ以上によく酒を飲む女性はいる。「カフェでビールとコーヒーの値段が同じなら、ビールを選ぶ」と話す豪快な女性も少なくない(筆者もその1人だ)。

女性の方がアルコールの害を受けやすい

だが、知人の中には乳がんを患った人もいて、アルコールが女性の体に与える影響を不安に思うこともある。女性のアルコール依存症が増えているとも聞く。女性とアルコールの問題に詳しい、琉球病院(沖縄県金武町)副院長の真栄里仁氏は、「女性のほうがアルコールの害を受けやすいのは間違いない」と強調する。

「女性は一般的に、男性よりもアルコールを分解する能力が低く、血中アルコール濃度が上がりやすいため、早く酔いが回りやすい。飲酒に関連した病気のリスクも上がりやすいので、注意しなければなりません」(真栄里氏)

アルコールの分解能力が低いというのは、男性よりも女性のほうが肝臓が小さいということなのだろうか。肝臓の大きさは、体の大きさに比例すると聞いたことがあるが……。

「確かに、肝臓の大きさ(体積)は、除脂肪体重(体脂肪を除いた体重)に比例します。女性は男性より一般的に体格が小さいものの、肝臓は比較的大きくて、結果として肝臓の体積の男女差はそれほど大きくはありません。ところが、実際に1時間で分解できるアルコール量の平均値は、男性が9g程度、女性が6.5g程度と、大きな差があります」(真栄里氏)

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2025.04.06

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