なぜか「本の同じページ」を何度も読みたがる…落合陽一の母がやっていた「記憶力がアップする」読み聞かせ
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子供の力を伸ばす効果的な方法はあるのか。筑波大学准教授の落合陽一さんと、母でテレビ番組の制作を数多く手がけてきた落合ひろみさんの共著『「好き」を一生の「強み」に変える育て方』(サンマーク出版)より、一部を紹介する――。
算数が苦手な親でも大丈夫
私も含めて文系の人間にとっては、算数や数学は苦手という方が多いようです。私立文系を目指すクラスでは、受験科目でない数学の授業が途中からなくなることもあり、なかには数Iで終わる学校もあるようです。
でも、基本的な計算は仕事の上でも生活する上でも身につけないと支障をきたします。また、当然ながら、コンピュータやAIなどデジタル技術が支配する領域が広がっていますので、より数学の素養が求められます。
では、どうしたら算数が好きな子に育つでしょうか?
横浜国立大学名誉教授の根上生也先生は、算数・数学が好きになる条件として、次の3つを挙げていました※1。
①保護者の数学観を押しつけない
②自分で判断することに自信を持たせる
③解答の速さを求めない
そのために、親は子どもの判断を尊重してあげること、子どもが親にお願いしたいときは理由を言わせることが大事だということです。
お菓子の数を数えたり、画用紙に○を書いたり、子どもにとっては、そのすべてが算数の基礎です。それをいかに伸ばすかは、親の接し方一つです。嫌がるものを押しつけたり、答えを急かしては、算数嫌いになってしまいます。
子どもにとっては、「電卓」もおもちゃ
もしお子さんがまだ小さいのであれば、早いうちから数に親しむのがよいのではないかと思います。
陽一は1歳半を過ぎた頃には、1から10までの数字で計算する方法を覚えていました。これは経理の仕事をしていた私の母のおかげです。
私が仕事を続けていたこともあり、陽一の日中の面倒を母が見ていました。陽一をそばにおいて仕事をしていた母は、陽一に電卓をおもちゃ代わりに与えていたようです。
電卓の使い方を教え、足し算や引き算などの四則演算の問題を出すと、陽一は電卓を使って答えを出します。遊びながら数字や計算に親しむことで、自然と算数の基本を身につけたようです。小さい頃は楽しそうにずっと電卓で遊んでいました。
2歳からは私の高校時代の友人の紹介で、渋谷の公文の教室に土曜日に通わせていました。
息子には公文のやり方があっていたようです。
公文はその子の理解度に合わせた教材に取り組ませて、問題を解く楽しさを実感させ、ほめることでまた次も挑戦させるというモチベーションを保つ勉強法を実践しています。子どもは楽しみながら、次々と問題を解いていくことで国語と算数などの力がついていきます。
時間内に「何ページできた!」という達成感がありますし、また、それを成し遂げたことでほめられると有頂天になり、子どもは一層励むようになるのです。