「Z世代社員から慕われる人」は誘い方が上手い…センスのいい人が「飲み会のお知らせ」でさりげなく入れる一言
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部下とのコミュニケーションではどんなことに気をつければいいのか。企業研修講師の川原礼子さんは「同僚をランチや飲み会に誘うのが難しくなったという声をよく聞く。上司や先輩が若手社員を誘うときには『ひと工夫』を加えることが大切だ」という――。
じつは若手は「もっと先輩と話したい」
「最近、若手を誘うのが難しくなった」――私は講師として日々、企業に赴いていますが、そんな声を、研修や打ち合わせの場で耳にすることが増えています。チャットやメールといった非対面のやり取りが中心となった今、雑談や軽い声かけの機会が減少し、関係性を築く前にコミュニケーションが完結してしまう場面が増えました。その結果、若手社員をどう誘えばいいか分からず、「嫌がられるかもしれない」「断られたらどうしよう」などと、戸惑う上司や先輩も多くなっているのが現状です。
今、社内コミュニケーションにおいて「誘う力」は、見えにくかった価値として再評価されつつあります。特にZ世代と呼ばれる若手は、「無理に付き合いたくない」や「気をつかいたくない」という価値観を持つとされています。一方で、「もっと関わりたい」「先輩と話したいし、学びたい」という本音を持ち合わせている人にも多く出会ってきました。ただ、そうした新人にとって、自分から声をかけるのは勇気がいること。遠慮してしまい、きっかけをつかめずにいるのです。
だからこそ、先輩や上司からの自然なひと言が、相手の心を動かす一つの「扉」になるのです。では、どのような誘い方なら、相手にとって負担が少なく、かつ信頼関係も築けるのでしょうか?
どんな言葉なら相手が安心できるか、どんなタイミングや雰囲気なら快く応じてもらえるか――。社内で人間関係を築く達人たちが実践している「一流の誘い方」には、ある共通点があります。それは「相手目線」であるということです。
達人が実践する「相手目線」の誘い方とは
ここで、相手目線のOK例と、相手目線ではないNG例をいくつか挙げてみましょう。
【OKな誘い方】
1.「来週打ち上げやるんだけど、気が向いたらぜひ! 無理せずね」
理由:軽やかで強制のない言い方です。「無理せず」があることで、相手の都合を尊重している姿勢が伝わります。
2.「○○さんも来る予定で、リラックスした雰囲気になると思うよ。よかったらぜひ」
理由:一緒に来る人や雰囲気を共有することで、場をイメージしやすくなります。「安心して行けそう」と思わせる配慮が含まれています。
3.「最近忙しかったし、少しゆっくり話せたらと思って。顔出すだけでも大歓迎だよ」
理由:誘う目的が明確かつ、参加スタイルの自由度も提示されています。「参加してもしなくてもOK」という空気が、相手の心理的安全性を高めます。