なぜ「ぼったくりバー」は歌舞伎町に点在するのか…「客からカネを巻き上げる」だけでない、経営者の本当の目的

なぜ「ぼったくりバー」は歌舞伎町に点在するのか…「客からカネを巻き上げる」だけでない、経営者の本当の目的

歌舞伎町にはなぜ「ぼったくりバー」が存在しているのか。元警視庁組織犯罪対策課刑事の櫻井裕一さんは「一つは、半グレ集団が泥酔者などからぼったくって簡単に売り上げを上げるためだ。だが、本当の目的はそれ以外にある」という――。 ※本稿は、櫻井裕一・高野聖玄『匿名犯罪者 闇バイト、トクリュウ、サイバー攻撃』(中公新書ラクレ)の一部を再編集したものです。

トー横キッズに近づくトクリュウ

歌舞伎町における「トー横キッズ」と呼ばれる若者たちの存在もまた、現代社会が抱える複雑な問題を浮き彫りにしている。トー横キッズは、新宿区歌舞伎町の新宿東宝ビル周辺に集まり、路上にたむろする若者たちを指す言葉として広まった。「新宿東宝ビルの横」を略して「トー横」となったそうだ。

歌舞伎町にトー横キッズが集まる理由の一つとしてよく指摘されるのが、家庭環境の不安定さだ。家庭内暴力や経済的困窮、家族との不和などが原因で、家庭が安らぎの場ではないと感じる若者たちが、逃げ場を求めて集まってきているとされる。

特に、歌舞伎町は眠らない街と形容されるほど、夜間でも通りには多くの人たちが行き交う。街の性質上、匿名性が確保されやすいこともあって、そんな若者にとっては「隠れ家」のような役割を果たしているのだろう。

こうした若者たちのネットワーク形成にも、SNSは大きな影響を及ぼしている。家出や路上生活をテーマにした投稿やハッシュタグが拡散されることで、同じような境遇にいる若者たちがさらに集まってくることに繋がっているからだ。

トー横キッズの問題に対応する警察関係者の一人は、「大げさでなく全国から同じ境遇の未成年が集まってきているという感じだ。たとえ補導して自宅に返したとしても、すぐに戻ってきてしまうので、そういった若者に対する生活や更生の支援を厚くするなど、もっと根本的な解決策が必要だ」と指摘する。

詳細を見る

この記事を読んだあなたにおすすめ

画像

https://kidsna.com/magazine/article/entertainment-report-250318-62671008

2025.04.06

ニュースカテゴリの記事

「イクメンって言葉が嫌い」は男女の分断を広げる?【てぃ先生×治部れんげ】
子育てや教育のテーマを元に読者から集めた質問にゲストスピーカーと対話する動画記事コンテンツ。