こうして「フジ会見の動物園化」は避けられた…「三度目の会見」でクレーマー記者を黙らせたフジテレビの奇策
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フジテレビの3度目の会見では、前回と比べて一部の記者による紛糾は起こらず、視聴者からの批判も抑えられた。一体なぜなのか。ネットメディア研究家の城戸譲さんは「数百ページにわたる報告書について新社長1人が対応し、地上波中継を途中までにするなど、随所で『工夫』がみられた」という――。
多くの記者が詰めかける中、登壇したのは清水社長ただ1人だった
フジが「一枚上手だった」3度目の記者会見
中居正広さんをめぐる性的トラブルを受けて、フジテレビの第三者委員会が報告書を発表した。報告書には関係者へのヒアリングを通してまとめられた詳細な経緯や、社内対応について書かれており、提出されたその日に、第三者委員会とフジによる会見も行われた。
フジが前回行った「やり直し会見」は、10時間半にわたる長丁場となり、深夜2時台まで続いた会見の様子は、ほぼノーカットで地上波放送された。一方、今回は22時台までの5時間半、かつ途中からはネット配信のみの中継となった。
筆者はネットメディアの記者・編集者として、これまで企業の不祥事会見をつぶさに見てきた。2025年1月のフジ会見も全編リアルタイムで見て、「エンタメ化する記者会見」の弊害について、プレジデントオンラインで論じている(「まるで正義のヒーロー気取り…『フジ会見』をおもちゃにしたクレーマー記者がこれから払う“大きすぎる代償”」2025年2月5日)。
前回会見は、一部記者による質問が「カオス」を引き起こしていた。しかし今回は、一部不規則発言はあったものの、さほどの混乱には至らなかった。そうなった背景には「フジ経営陣と、彼らを追及する取材陣」の対立構図が崩れたことがあるのではないか。この点において、「フジ側が一枚上手だった」と考えている。