豊洲=住吉は20分→9分、六本木一丁目=品川は19分→9分…東京メトロ社長が語る"建設費4000億円"の成長戦略
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《有楽町線・南北線延伸で何が起こる?》東京メトロ社長が語る“建設費4000億円”の成長戦略〈豊洲=住吉は20分→9分、六本木一丁目=品川は19分→9分〉(山村 明義/文藝春秋 2025年2月号)
時価総額1兆円を超える大型上場となった東京メトロ。社長の山村明義氏が株主優待の詳細から、成長戦略としての「有楽町線と南北線の延伸」まで語った。
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株主優待は「かき揚げ」で
時価総額が1兆円を超えたことは、率直に言って予想外でした。上場時期や公開価格は株主である国と都が決めることですが、これほど高い評価をもらえたのですから、良い時期に上場できたと思っています。
上場によって会社のあり方が変わるため、現場からは「働く環境はどう変わるんですか?」といった不安の声も聞かれます。ただ、基本的には今までとやることは変わりませんし、自分たちの取り組みが株価として跳ね返ってくるわけですから、新たなやりがいも生まれるはずです。
上場はお客様にとってもメリットがあります。他の鉄道会社の例では、株主の3割が個人株主で、そのうち6割くらいが沿線に住むユーザー。つまり、株主の18%ほどがお客様でもあります。今後は株主総会の場で、安全性やサービスの向上について、ダイレクトにご意見を言っていただくことができる。我々も、そうした貴重なご意見を直接経営に活かしていくつもりです。
また、株主優待でも喜んでいただけるように知恵を絞っています。メディアで「ユニークだ」と注目を集めたのが、当社の子会社が駅の中で運営する蕎麦屋のかき揚げトッピング無料券。ほかにも、全線で使える優待乗車証や、関連施設の地下鉄博物館、子会社が運営するゴルフ練習場の入場無料券などがあります。現場からのアイデアを集めつつ、今後も充実させていくつもりです。