「新NISAを今すぐ解約して二度と手を出すな」という森永卓郎さんが唯一持ち続ける"例外銘柄"の種類
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いまある資産は、老後生活に向けてどう振り分けるべきか。経済ジャーナリストの森永卓郎さんは「株価が乱高下する最近の状況は、バブル崩壊の前兆だ。一度バブル崩壊が始まると、株価の下落は長期間続き、投資が可能な資産の価格は、軒並み下落していく。新NISAの口座はいますぐ解約して、二度と投資に手を出さないことが、老後生活を守るカギであり、最も重要な生前整理だ」という――。 ※本稿は、森永卓郎『身辺整理 死ぬまでにやること』(興陽館)の一部を再編集したものです。
「資産はすべて金庫の中にある」という思い込み
亡き父の資産整理で体験した相続地獄について続けて話そう。
父は「預金や株式はあちこちにある」と言っていたので、私は父の資産をあぶり出すことから始めたのだが、初めの一歩で激しく出鼻をくじかれた。
まず出向いたのは父のメインバンクだ。父は銀行から貸金庫を借りていて、私も金庫の鍵を開けられるように手続きをしてくれていた。だから、金庫を開ければ通帳など、父の資産に関するものがすべてあると思い込んでいたのだ。
ところが金庫の中に入っていたのは、大学の卒業証書や思い出の写真といった資産とは無関係のものばかりで、唯一金目のものといえば、現在でも100円ほどの価値しかない第一回東京オリンピックの100円銀貨だけだった。
貸金庫事件のあと、私は高田馬場の実家にこもって、リビングに山積みになっていた郵送物の中から金融機関からのものを探し出す作業に取り組んだ。
父が脳出血になって以来、私が実家に定期的に行ってポストの中の郵送物を取り出すようになった。そうしないとポストが溢れ、空き巣の標的にされかねないからだ。
リビングに積まれていたのは、私がポストから取り出して投げ入れた郵送物の山だった。溜まった郵送物を一つひとつチェックしていくのは、気の遠くなるような作業だった。