83歳会長「10人中6人が美味いと言うラーメンでいい」…年商500億円「日高屋」が見つけたさらに儲かる"宝の山"

83歳会長「10人中6人が美味いと言うラーメンでいい」…年商500億円「日高屋」が見つけたさらに儲かる"宝の山"

昼も夜も稼げる「郊外」は宝の山だった

「日高屋」は、マイカー社会が到来して、どこの外食チェーンも郊外の道路沿いの家賃の安いところに店を出していた時期に、あえて東京・JR山手線の駅前など、1日の乗降客が5万人以上のような地価の高い場所に出店をし始めた。時代に逆行しているので、金融機関に融資を断られたこともありました。でも、これがうまく当たったんです。

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神田 正(かんだ・ただし) ハイデイ日高代表取締役会長。1941年生まれ。73年に大宮市(現:さいたま市)内にラーメン店「来々軒」を開店。78年に日高商事(現:ハイデイ日高)を設立、代表取締役社長に就任。2009年から現職。

一転して苦境に陥ったのは、新型コロナの拡大で一斉休業や営業時間の短縮、アルコール飲料の提供中止などの要請が続いた2020年のことです。テレワークが当たり前になって、どこの駅前からも人がいなくなった。422億円あった売り上げも22年2月期には264億円と大きく落ち込んだ。毎日1000万円近くの赤字に頭を抱え、ひどいときには3億円以上の赤字の月もありました。

ただし、そのころどこの地域も家賃がものすごく下がってきていたので、意識的にも戦略的にでもなく、半ば苦し紛れに、国道や県道沿いに単独で新店を出すフリースタンディング型のロードサイド出店を増やしていったんです。当時、牛丼チェーン最大手がすでにロードサイドに出店しており、それを見て、「うちもいける!」と私は確信したんです。他店が業績不振で撤退した後の建物をそのまま活用して改築費を抑える居抜き出店も進めています。

他社の外食業のみなさんは競争相手ではありますが、ちょっと生意気な言い方をさせていただくと、私は「時代」こそ最大のライバルだと思っているんです。その時代の変化というものを、コロナ禍のとき私は見逃さなかった。

ラーメン店から出発した日高屋は「中華食堂」と名乗っています。ラーメンもチャーハンもあるし、料理やおつまみ類のメニューも増やして、「ちょい飲み」のできる店としてご評価をいただいてきました。ラーメンを主体にした同業他社の売り上げに占めるアルコール飲料の割合はだいたい3~4%程度です。高いところで8%程度と聞きます。しかし、うちは15~17%の売り上げをアルコール飲料が占めている。先ごろ、最寄り駅まではかなり遠い北関東エリアに駐車場のあるロードサイド店を出したら、昼間は食事客で混んで、夜になるとアルコール類がいつも10%以上の売り上げを占めて、一日中、繁盛している。つまり、地元の人たちは代行運転業者を呼んで帰るのが当たり前になっているんですね。お酒を飲めない人が運転して帰るというグループのお客さんもいらっしゃる。駅から離れたところに住んでいる人たちに、食事もできる居酒屋のようにご利用いただける強みになっているんです。この傾向は、牛丼やうどんを主体とする他のチェーン店と大きく異なります。日高屋にとって、郊外のロードサイドには「宝の山」があったわけです。いいものを見つけたと思いますね。

今期は年商520億~540億円を見込んでいて、営業利益率も10%ほどを保っています。これまでは1都3県の首都圏に多く出店していましたが、今後は北関東エリアを中心に、ロードサイドへどんどん出店する計画です。

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https://kidsna.com/magazine/article/entertainment-report-240923-40613187

2024.12.27

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