「売れないタワマンとEV」を抱えて崖っぷち…経済オンチの習近平主席が「14年ぶりの政策転換」を発表した意味
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ようやく中国政府が動いた
12月前半、中国本土と香港の株式市場で、中国政府の政策期待が高まり株価が反発する場面があった。政府と中央銀行(中国人民銀行)が、株価維持策(PKO、公的な資金による株価買い支え)を徹底する期待も株価上昇を後押しした。一方、中国の長期金利は低下し、人民元の対ドル為替レートの下落は一段と鮮明化した。
12月11日、12日に政府が開催した“中央経済工作会議”は、景気刺激のため金融政策を中立から緩和に転換した。これは14年ぶりの方針変更だ。今回の措置は、中国政府が景気悪化への危機感を鮮明化した証左ともいえる。
今回の中央経済工作会議はこれまでの生産拡充を重視する政策と違って、低迷が続く消費を重視した内容も発表した。ただ、今回の措置でも、中国経済の“ヒト、モノ、カネ”の再配分を促進し、新しい需要創出を促進する具体的な方策はあまり見られない。その点は、従来の政策と根本的な違いは大きくはないようだ。
在庫大量のマンションをリノベ→格安で販売
2025年1月以降、米国のトランプ次期政権は対中引き締め策を徹底するだろう。それは、中国経済にとってマイナスに作用するはずだ。中国経済が、すぐに自律的な回復に向かうことは難しいだろう。むしろ、中国政府の社会経済への統制の引き締めで、海外へ資金や人の流出が加速する恐れもあるとみられる。
9月下旬以降、中国政府は金融緩和、財政出動の拡大を矢継ぎ早に発表した。それに伴い、中国人民銀行は利下げや資金供給を拡大した。財政政策では、国債・地方債の発行を増やした。市中の金利を引き下げて、金融・財政を総動員して資金供給枠を拡大したのである。
その措置の主な狙いは不動産などの投資喚起だろう。地方政府は、過剰なマンションなどの在庫を買い入れ、リノベーションを行い低所得層に格安で販売する。それによって、政府は不動産分野の景況感改善を狙ったとみられる。
かつて不動産関連分野は、中国のGDP(国内総生産)の30%近くを占めた。不動産市況の悪化が止まれば、生産や投資は持ち直し雇用と所得の機会は増えると考えたのだろう。