「1日1万歩」を目指すのは間違っている…どれだけ忙しくても"シャキッ"と動ける人の効果的なウォーキング
Profile
健康を保つためには何が必要か。医師でインフルエンサーのアリ・アブダールさんは「ウォーキングが効果的なのは間違いない。ただ、1日1万歩という基準には疑問が残る。歩数や時間よりも、重視すべきポイントが2つある」という――。 ※本稿は、アリ・アブダール『Feel Good 快適な努力で最高の成果を上げる方法』(東洋館出版社)の一部を再編集したものです。
「休み下手型燃え尽き症候群」
前章では、仕事を抱え込みすぎたり、十分な休憩を取らなかったりすることで、気分が落ち込み、無理をして燃え尽きてしまいやすくなることについて説明した。そしてその解決策として、エネルギーを節約する方法を示した。
しかし、「仕事から離れている時間」をどう過ごすかも、燃え尽き症候群の原因になり得る。ドゥームスクローリング(※)をしたり、テレビを浴びるほど見たり、メールやチャットツールの通知を何も考えずにチェックしたりしてオフの時間を過ごしていると、良い気分にはなれない。
筆者註※ドゥームスクローリング(doomscrolling)。SNSなどで悲観的な情報ばかりを見続ける行為を指す言葉。
その結果生じるストレスは、僕が「休み下手型燃え尽き症候群」と呼ぶものの一因となる。これは、本当にリフレッシュできるような時間の使い方、場所の選び方ができていないために生じるタイプの燃え尽き症候群だ。
5分間でセルフチェックをしてみよう
簡単なワークをしてみよう。5分間のタイマーをセットし、リストを2つ作成する。左列には、あなたにとって「エネルギーが枯渇していると感じたときにやりがちな活動」を、右列には「英気を養える活動」を列挙する。
図表1に、僕の例を示す。2列の内容が、まったく対照的なものになっている。同じような結果になった人は多いのではないだろうか。
疲れているときについやってしまうことと、実際にエネルギーを充電できることは、こんなにも違う。休息と思っていることが、本当の休息になっているとは限らない。僕たちは、休憩時間や休日に、英気を養い、燃え尽き症候群を防ぐのに役立つような活動ばかりをしているわけではない。
では、ジャンクフードを食べながらSNSやテレビをひたすら見続けるような休息の過ごし方ばかりをするのをやめ、良い気分になる活動を増やすにはどうすればいいのだろうか?