健康保険料が突然、月8万円に…体験しないとわからない"国保負担"の恐ろしさ
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健康保険料が突然、月8万円に…体験しないとわからない“国保負担”の恐ろしさ(笹井 恵里子/Webオリジナル(外部転載))
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ジャーナリスト・笹井恵里子さんは年間88万円の国民健康保険料を突きつけられ、高額で絶句したという。『国民健康保険料が高すぎる! 保険料を下げる10のこと』(中公新書ラクレ)より「はじめに」を紹介する。(全2回の1回目/後編に続く)
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月々およそ8万8000円の保険料
日本で約2500万人が加入している国民健康保険(国保)。私も10年以上前から国保に加入している。
そして私の国民健康保険料(国保料)は2021年度、年間約88万円だった。6月から翌年3月までの10回払いなので、月々およそ8万8000円である。自治体から保険料決定通知書を受け取った時、あまりの金額の高さに絶句した。知人に話すと、国保料は前年の所得に基づいて決定されることから「稼いでいるんでしょう」と指摘された。私はフリーランスで原稿を書く仕事をしているが、その前年、20年は年収約890万円。たしかに19年より収入が約330万円も多かった。当時3媒体で連載をスタートし、書籍を出版し、コロナ禍に入る直前に講演を多くご依頼いただいたからである。
けれども国保料の通知書を受け取った21年6月、今年は昨年ほど稼げる自信がないと思った。フリーランスで生きていると、翌年どころか来月の収入さえ見通しが立たない。しかもその年収890万円には、交通費や資料代など取材経費が含まれ、経費を引いた所得は約640万円である。稼いだ年であっても、640万円が実質の私の生活費だとして、そこから88万円……。
「ゴネて払わない」わけではない
88万円といえば、本1冊分の原稿料を超える額でもある。例えばこういった新書を書く場合、取材と執筆、校正を含め、丸々2か月分の時間を要する。2か月間、国保料の支払いだけのために仕事をしろというのか。猛烈に怒りがわいてきた。
払えない、と思った。「ゴネて払わない」わけではなく、本当に捻出できないのだ。この頃、高校生の娘を抱えるシングルマザーでもあり、彼女の教育費も守らなければならなかった。
当時居住地の区役所に相談に行った。同じようなフリーランスの人に聞いてみた。もちろんインターネットでも調べた。専門家が執筆する本も探した。収入がほとんどない人は「減免」「軽減」という手段がある。けれども私のような中間所得層が国保料を支払えない場合、どうしたらいいのかという「答え」はどこにもなかった。