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離乳食の鯛をパサパサさせない調理法。赤ちゃんが魚を食べるようになるコツとさまざまな魚の離乳食レシピ
離乳食で赤ちゃんが鯛などの魚を食べない理由にはどのようなものがあるのでしょう。今回の記事では、保護者が考える赤ちゃんが魚を食べない理由とパサパサの鯛を食べやすくするアイデアレシピ、さまざまな魚の離乳食レシピなどを、保護者から紹介してもらいました。
離乳食で魚を使うのはいつから?
厚生労働省の資料によると、離乳食の開始はおかゆから始め、慣れてきた頃から野菜や、果物を、さらに慣れてきたら豆腐や白身魚など、徐々に増やしていくとよいとされています。魚を離乳食に取り入れるめどとしては、離乳食初期の段階で白身魚から始め、次に赤身、青皮魚と順に進めていくとよいようです。
実際にはいつから魚を離乳食で使い始めたのか、保護者に聞いてみました。
「豆腐に慣れてきたのをめどに、6カ月頃からしらすをあげ始めました。しらすを塩抜きしてからすりつぶしてお湯でのばしたものをあげたら、抵抗なく食べていました」(7カ月の赤ちゃんのママ)
「塩抜きしたしらすから始めて、続けて鯛などの白身魚をあげていました。しらすは食べてくれましたが、白身魚は日によって食べたり食べなかったりしました」(8カ月の赤ちゃんのママ)
豆腐に慣れた頃に、取り入れやすいしらすからスタートし、徐々に白身魚、赤身魚、青皮魚と進めているという声がありました。子どもの様子や離乳食の進み具合を見ながら、少しずつ魚を離乳食に取り入れていけるとよいかもしれません。
赤ちゃんが鯛などの魚を食べない理由は?
離乳食で赤ちゃんが魚を食べないことに悩んでいる方もいるようです。保護者は、赤ちゃんが魚を食べない理由をどのように考えたのでしょう。
パサパサして食べにくい
「鯛を茹でてからすりつぶしてあげていましたが、パサパサして口に残るのが嫌なのか、食べるとベーっと出してしまいました」(6カ月の赤ちゃんのママ)
なめらかな口当たりのものに慣れていると、脂肪分が少ない白身魚はパサついて食べにくいと感じるようです。口の中に残って飲み込みにくいのか、嫌がって泣くこともあったという声もありました。
魚の味が苦手
「しらすや鯛はパクパク食べていましたが、まぐろやかつおなどの赤身魚に挑戦したとき、味が強くなったからなのか食べてくれませんでした」(8カ月の赤ちゃんのママ)
淡白な白身魚に比べると、赤身魚はより魚らしい味や食感があるのかもしれません。白身魚は食べるけど赤身は食べないという声もありました。
魚の臭みが気になる
「さばやあじは全く食べてくれません。細かくしてもおかゆに混ぜても、においが気になるのか食べる前に嫌がります」(11カ月の赤ちゃんのママ)
さばやあじなどの青皮魚を嫌がる赤ちゃんもいるようです。青皮魚は、白身魚や赤身魚に比べてにおいが強く感じられることが理由かもしれないと考えた保護者もいました。
鯛のパサパサを解消するアイデアレシピ
鯛は栄養価が高く、離乳食に適した白身魚ですが、パサパサした食感が気になることも。そこで、鯛を美味しく食べやすくする保護者のアイデアレシピを紹介します。赤ちゃんの月齢に合わせた調理法で、鯛の旨みを存分に活かしながら、パサパサ感を解消しましょう。
焼きのり入り鯛のすり流し
「鯛を茹でて、裏ごししたすり流しをよく作ります。味に飽きてしまいそうなので、焼きのりと一緒にすり流しにすることも。焼きのりの香りが魚の臭みを消してくれておいしそうです。水分多めにして、むらなくすり潰すのがコツです」(6カ月の赤ちゃんのママ)
鯛のすり流しは、パサパサ感を解消しつつ、魚の栄養を効率よく摂取できる優れたレシピです。裏ごしすることで小骨の心配もなくなります。月齢に応じて水分量を調整し、初期は特にトロトロペーストのような滑らかさを目指しましょう。
刻んだ焼きのりを加えるアイデアのほかにも、すり流しにオートミールを加えることで、適度なとろみと食感が生まれ、より食べやすくなるといった保護者のアイデアレシピもありました。
鯛のトロトロペースト
「鯛を蒸して、ミルクを加えながらトロトロペーストにしました。小骨をとって食べやすくするために裏ごしを何度か繰り返しました。味付けは昆布出汁で優しく仕上げたら、よく食べてくれました」(7カ月の赤ちゃんのママ)
鯛のトロトロペーストは、パサパサ感を完全に解消できる調理法です。蒸すことで水分を保ち、ミルクを加えることでまろやかな口当たりになります。昆布出汁で味付けすれば、旨みが増して赤ちゃんも喜んで食べるでしょう。月齢が上がるにつれて、徐々に固さを調整していくのがおすすめです。
鯛とほうれんそうの出汁煮
「鯛とほうれんそうを一緒に出汁で煮込んでみました。ほうれんそうの緑と鯛の白い色合いが綺麗で、見た目も楽しめる離乳食になりました。かつお出汁を使って味付けしたら、パサパサ感もなくなって、赤ちゃんが喜んで食べてくれました」(9カ月の赤ちゃんのママ)
鯛とほうれんそうの出汁煮は、パサパサ感を解消しつつ、栄養バランスもよいレシピです。出汁で煮込むことで、鯛に旨みが染み込み、しっとりとした食感になります。ほうれんそうには鉄分が豊富で、鯛のタンパク質と相性抜群です。初期は具材をよくほぐし、完了期に向けて徐々に固形感を出していくとよいでしょう。かつお出汁の風味が苦手な場合は、昆布出汁など赤ちゃんの好みに合わせて調整してください。
鯛とかぼちゃのミルクパン粥
「たらを茹でてほぐし、裏ごししたかぼちゃと一緒にミルクパン粥にしてみました。オートミールを加えてとろみをつけたら、赤ちゃんが喜んで食べてくれました。少し食感が残る固さに仕上げましたが、問題なく食べられていました」(7カ月の赤ちゃんのママ)
鯛のミルクパン粥は、魚の臭みを抑えつつ栄養価を高める優れたレシピです。たらの淡白な味わいと細かく刻んだかぼちゃの甘みが相性抜群で、赤ちゃんも食べやすい一品です。オートミールを加えることで、適度なとろみと食感が生まれ、飽きずに食べられるでしょう。分量や水加減は赤ちゃんの月齢に合わせて調整してください。
鯛以外の魚を使った離乳食レシピ
鯛以外の白身魚や、赤身魚、青皮魚などさまざまな魚を使った離乳食のアイデアレシピを紹介します。
たらととうもろこしのコーンスープ
「茹でてすりつぶした鯛と刻んだコーンを裏ごししてすり流し状にしたものを、水多めのコンソメでのばすとトロトロペーストのコーンスープが完成です。とうもろこしの甘味で、普段は食べむらのある娘もすんなり食べてくれました」(6カ月の赤ちゃんのママ)
トロトロペーストのスープにする調理法で、魚の舌触りが気にならなくなり、赤ちゃんが食べてくれることもあるようです。たらは鯛と比べても比較的なめらかなので、同じ白身魚でも取り入れやすいかもしれません。
ぶりとほうれんそうのほぐし煮
「ぶりの切り身をほぐして、細かくしたほうれんそうと一緒に煮込みました。出汁を使って味付けしたら、赤ちゃんがよく食べてくれるようになりました。ほうれんそうの緑とぶりの色合いも綺麗で、見た目も楽しめる離乳食になりました」(9カ月の赤ちゃんのママ)
ぶりなどの赤身魚は、ほぐして刻んだ野菜と一緒に煮込むことで食べやすくなるようです。ほうれんそうには鉄分が豊富で、ぶりのタンパク質との相性もよさそうです。出汁で風味豊かに仕上げれば、赤ちゃんもよろこんで食べてくれるでしょう。離乳食後期から完了期に向けて固さを調整していくのがおすすめです。
さばのハンバーグドリア
「湯通ししたサバと豆腐と片栗粉を混ぜたものを小さいハンバーグにしたら、抵抗なく食べてくれました。それをご飯にのせてホワイトソースと粉チーズをかけると簡単なドリアになります」(11カ月の赤ちゃんのママ)
臭みが気になる青皮魚は、豆腐などと混ぜると気にならなくなることもあるようです。さらにホワイトソースなどを加えてあげると、うまみが増して喜んでくれるかもしれません。ドリアにはかぼちゃやほうれんそう、とうもろこしなど刻んだ野菜を混ぜ込んでもよさそうです。
真あじの出汁煮込み
「真あじを昆布出汁で煮込んだら、食べむらのあった赤ちゃんがパクパク食べてくれました。最初は裏ごしして滑らかにしていましたが、後期にさしかかったのをめどに食感がある固さに仕上げてみたら気にいったみたいです」(1歳の赤ちゃんのママ)
真あじは刻んでみぞれ煮にしたり、出汁で煮込んだりすることでおいしい離乳食が完成します、初期は避けて後期から完了期に与えるのがよいでしょう。後期からは食感を重視しても食べてくれそうです。小骨が多いので調理法には注意しましょう。
ひと口まぐろステーキ
「完了期を迎えて離乳食卒業のめどが立ってきたので固めの食感にしようと、まぐろの刺身を軽く焼き、ひと口サイズのステーキを完成させました。赤ちゃんが自分で手づかみで食べられたので安心しました」(12カ月の赤ちゃんのママ)
離乳食の完了期に手づかみ食べしたいひと口サイズのステーキには、まぐろは最適な食材かもしれません。まぐろの赤身は栄養価が高く、噛む練習にも最適です。焼く際は中心部までしっかり火を通し、赤ちゃんの口の中でほぐれやすい固さに調整しましょう。手づかみ食べにもぴったりです。
さまざまな魚を食べやすくする離乳食の工夫
離乳食で赤ちゃんが魚を食べない理由にはさまざまあるようです。赤ちゃんが魚を食べてくれるように、保護者はどのような工夫をしているのでしょう。
白身魚はとろみをつけて食べやすく
「そのままあげると飲み込みにくい食材だったので、離乳食初期は片栗粉を使った調理法でとろみをつけてからあげていました」(7カ月の赤ちゃんのママ)
「おかゆはよく食べたので、すりつぶした魚を少しずつおかゆに混ぜて、徐々に分量を増やしていきました」(6カ月の赤ちゃんのママ)
パサつきやすい白身魚は離乳食初期から使える食材です。初期の頃はとろみをつけてあげることで赤ちゃんが食べやすくなるようです。赤ちゃんの月齢に応じて、すりつぶしたり細かく刻むなど形状を見直したり、焼くよりも蒸したり茹でるなどして水多めに保つ工夫をしてみるのもよいかもしれません。
赤身魚は食材を混ぜて味を変える
「かつおの切り身とかぼちゃをそれぞれ茹でてすりつぶしたものを混ぜてあげていました。月齢が低いときはお湯や出汁でのばして、手づかみ食べができるようになってきたらフライパンで焼いてと、子どもの様子にあわせて作っていました」(10カ月の赤ちゃんのママ)
「ミルクを飲んでいたので、ノンオイルのツナ缶を粉ミルクで煮込んだものを作っていました。好きな味になったのか喜んで食べてくれました」(9カ月の赤ちゃんのママ)
魚の味が気になって食べない場合は、野菜やミルクなど子どもが食べ慣れているものや好きなものと混ぜて、味を変えてみるとよいようです。ベビーフードを活用すると、簡単に味の変化をつけられるかもしれません。
青皮魚はにおいを取りのぞく
「魚に塩を軽くふってしばらく置いて、熱湯をかけて臭みを抜いていました。氷水でしめるとより気にならなかった気がします」(11カ月の赤ちゃんのママ)
切り身を使ったり熱湯をかけて下処理をすることで、においを取ることができるようです。牛乳でさっと煮ると、青皮魚特有のにおいが消えやすいという声もありました。
小骨はしっかりとっておく
「いわしは栄養価が高いので離乳食に使いたかったのですが、小骨が多くて取るのに苦労しました。特に頭の周りの骨は細かくて見逃しやすく、取り除くのに時間がかかりました」(10カ月の赤ちゃんのママ)
「魚の小骨を簡単に取るには、魚を茹でた後、しっかり裏ごしをすることで小骨もトロトロペーストになって、安心して赤ちゃんに食べさせられるようになります」(7カ月の赤ちゃんのママ)
小骨の多い魚を離乳食に使う際は、細心の注意が必要です。骨抜きをしっかり行い、裏ごしすることで安全に食べることができそうです。離乳食初期は特に水多めの調理法で、むらなくすり潰すのがポイントです。月齢が上がるにつれて、少しずつ固形感のある食感に慣れさせていくといいでしょう。
刺身を活用する
「スーパーでパックのお刺身を買ったときは、離乳食に使えそうなものをよりわけて、茹でたあとにすり流しにしたり裏ごしするなどして使いました。少しだけ使いたいときに便利です」(1歳の子どものママ)
「新鮮なものの方がにおいが少ないと思い、刺身用の切り身を買って離乳食に使っていました」(11カ月の赤ちゃんのママ)
刺身は新鮮なのがうれしい食材です。生のまま赤ちゃんに与えることはできないので、火を通して離乳食レシピに活用するのがよさそうです。
切ってある状態でそのままステーキにすることで手づかみ食べに最適なメニューになったり、少しの分量だけ使うことができるので、すり流しや裏ごしなどの離乳食レシピにも簡単にアレンジできます。
加熱や調理法を工夫することで、刺身の旨みを活かしつつ、赤ちゃんも喜んで食べられる一品に仕上げられるでしょう。
赤ちゃんに合う工夫や離乳食レシピを見つけよう
赤ちゃんが魚を食べないことに悩んでいるときは、パサパサを解消する、舌触りをよくする、味を変えてみる、臭みを取り除くなど、魚の種類別に工夫をすることで赤ちゃんにも食べやすくなるようです。赤ちゃんの好きな食材やベビーフードなどを組み合わせても、味が変わって食べやすくなるかもしれません。
赤ちゃんの様子や離乳食の進み具合を見ながら離乳食作りを工夫して、赤ちゃんに合った魚のレシピが見つけられるとよいですね。
※記事内で使用している参照内容は、2018年7月23日時点で作成、2024年8月27日にリライトしています。
※今回の記事でご紹介したものは、離乳食の一例です。新しい食材をとり入れる場合は、お子様の消化機能の発達に合わせた適当な食材・調理法を選びましょう。