【心に余裕がない日に読んでほしい】#02 何かをがんばろうとするときは、何の手を抜くか考えて

【心に余裕がない日に読んでほしい】#02 何かをがんばろうとするときは、何の手を抜くか考えて

2023.05.22

Profile

藤野智哉

藤野智哉

精神科医

精神科医。1991年7月8日生まれ。 秋田大学医学部卒業。 精神鑑定などの司法精神医学分野にも興味を持ち、現在は精神科病院勤務の傍ら医療刑務所の医師としても務める。

子育て、家事、育児と慌ただしい毎日を過ごしていると、心に余裕がない日や、なんとなくしんどい1日もあると思います。そんな、がんばりすぎているママに読んでほしい精神科医の藤野先生の「ゆるゆる子育て」についての第2弾です。

子どものイヤイヤ期、毎日が大変すぎます

ママからの相談

子どものイヤイヤ期。今だけだとわかってはいるのですが、毎日大変です。どう乗り越えたらよいでしょうか。

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「あとこれくらい」と減算で考える。

「今だけだとわかっているけど」とおっしゃっていますが、それってすごく大事なんです。

長い目で見たら、その時期はいつか終わりが来ます。今だけだから。

しんどい日があっても、1日の終わりは必ず来ます。

「もう今日の半分も乗り越えた」「終わるまで〇時間」とカウントダウンしてもよいかもしれません。

実は、僕も大学の時期がつらくて、常にカウントダウンして、「あとこれくらいで終わる」と自分に言い聞かせていました。

なんでも加算すると悪いものが積もっちゃうので、減算していく考え方です。

それから、ある種のコントロール感を持つとよいです。

「お、うちの子もちゃんと成長して、予定通りイヤイヤ期が来やがったな(笑)」くらいの気持ちで。

知っているものが来たという風に捉えることで、知らないものが来て対処法がわからない不安感が少し薄まります。

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本当はこんなに怒りたくないのに

ママからの相談

きょうだい喧嘩が始まると、つい怒ってばかりで…。「怒り」との上手な付き合い方をおしえてください。

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「時間稼ぎ」「怒りの点数化」を試してみて。

怒ること自体は悪いことではないのですが、大事なのはその出し方です。

怒りの出し方には大人も子どもも、お互いに気をつけましょう。

怒りを感じて、それをすぐに出すのは禁物です。

「あ、今、私は怒っているな」と感じたら、すぐにそれを言葉や行動に出すのではなく、できるだけ時間稼ぎをしましょう。

水を飲む。

数を数える。

その場所を離れてひとりになる。

どんな方法でもかまいません。時間を稼ぐことがクールダウンにつながります。

それ以前に、怒りをわきにくくする方法としては「怒りを点数化すること」。

「80点以上だったら怒ってもいい」というようなルールを決めておくことで、常に「今の自分の怒りは何点くらいなんだろう」と冷静に自分の感情を確認する習慣ができ、怒りがわきにくくなります。

これは、子どもも同じ。

もし子どもが怒り始めたら、クールダウンさせてみる。

その場では無理でも、後日「あのとき、怒った気持ちは何点くらいだった?」と振り返ってみる。

大人としてお手本を見せるというより、子どもと一緒に怒りとの上手な向き合い方を考えていく、よい機会かもしれませんよ。

朝のイライラをなんとかしたい!

ママからの相談

朝の登園準備や、夕方のドタバタする時間帯に子どもが思い通りに動いてくれないと、イライラしてしまいます。本当はいつもニコニコしていたいのに。

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「期待される役割」をやる必要はありません。

いつもニコニコなんて、そんなの無理でしょ(笑)

「周囲に期待される自分」と「本当の自分」のギャップが大きいとしんどくなってしまいます。

4月から新生活が始まって、5月にしんどくなる人が多いのは、このギャップに苦しむから。

「いつもニコニコしているママ」という、周囲に期待される役割を無理してやる必要はないです。

それより、考え方をちょっと変えてみてはどうでしょうか。

子どもが「ママの思い通り」に動かないのは当たり前です。だって、ママと子どもは別の人間だから。

まずは「子どもは他の人間」という考え方からスタートしてみませんか。

これ、実は子育てのゴールでもあるのかもしれませんよね。

忙しい時間帯は、特に大変だと思いますが、いつもがんばってるじゃないですか。

だから、何かをがんばる時は、その分何の手を抜こうか考えてくださいね。

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【心に余裕がない日に読んでほしい】#01 誰かができていても、あなたはできなくてもいい

Profile

藤野智哉

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