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Profile
教育研究家/家庭教師集団「名門指導会」代表
教育研究家/家庭教師集団「名門指導会」代表
教育研究家。家庭教師集団「名門指導会」代表。中学受験ポータルサイト『かしこい塾の使い方』主任相談員。日本初の「塾ソムリエ」として、塾の活用法や塾選びなどの受験ノウハウを世に送る。テレビ、新聞、教育雑誌などで活躍中。おもな著書に『いちばん得する中学受験』(すばる舎)、『中学受験基本のキ!』(日経BP社)、『頭のいい子の育て方』(アスコム)、「中学受験は親が9割」シリーズ(青春出版社)など、20冊を超える著書がある。
いよいよ小学校進学を控え、何か習い事をしたほうがよいのでは?と考えるお母さんもいらっしゃると思います。今回は、年長さんになったお子さんが、小学校進学に向けてしておくとよい習い事があるのか、またあるならどんなものが良いのかを考えてみたいと思います。
習い事をさせる目的やきっかけ
そもそもお子さんに習い事をさせる目的は何なのか、ご家庭によって様々だと思います。
体力や根気を身につけるため
多いのは、体力をつけるために水泳や体操を習わせたり、ピアノを通してコツコツと練習を続ける根気よさを身につける、といったことでしょうか。
お子さんが「習いたい」と言い出した、というきっかけも多いようです。
必修科目を意識
今は習い事も多彩です。昔からある習字やそろばんにとどまらず、ダンスやバレエ、絵画に英語、リトミックや音楽教室もありますね。
以前はなかったような習い事が増えた背景として、小学校で英語やダンスが必修科目になるといったことも関係しているようです。
では、小学校進学に向けて準備の意味でやっておくといい習い事はあるでしょうか。
小学校への準備と考えるなら
私は、幼児期の習い事に関して否定的ではないのですが、必須だという意見でもないのです。幼児期に最も大切なのは、様々なことを実体験することであり、それをいちばん支えてあげられるのが親だからです。
では、小学校までにやらせておくと良い習い事はないのかというと、そうでもありません。いくつか準備というか、役に立つ習い事はあると思っています。
役に立つ習い事
たとえば今も人気の水泳ですが、これは小学校に限らず自分の命を守るという意味で役に立ちます。今の小学校では水泳の授業が以前よりも減っており、小学校の授業だけで泳げるようになれない可能性もあるようです。
また、水中では浮力がはたらき、成長期のお子さんが関節に負担をかけずに全身の筋肉を鍛えられるというメリットがあります。
小学校に上がると、一定時間机の前に座って授業を受けなければなりませんね。特に、はじめはそれだけでずいぶん体力を使うものです。お子さんが嫌でなさそうなら、水泳を習っておくのは悪いことではないと思います。
できることが多くて困ることはない
読み書きや数字
小学校に上がると、ひらがなや数字が書けたり、簡単な計算ができるお子さんと、机に座っての「勉強」がまったくはじめてというお子さんがいる場合があります。
もちろん小学校の先生は、ひらがなも数字もまったくはじめてという前提で授業をするということになっています。でも、自分のものの管理ひとつとっても、(お母さんが名前を書いてあげていても)それを管理するにはひらがなが読めることが前提となります。
また、校内の掲示を理解することや連絡帳への記入なども、文字によることが必須です。
ひらがなが読み書きできて、数字や計算も少し知っているくらいの状態であれば、自信を持って学校で過ごせそうですね。
ことさらハイレベルなことができる必要はないので、公文式など段階別に選べるような習い事を、小学校に上がるまでやってみるのもひとつの手です。
また、あいさつができたり、先生の指示にしたがってみんなといっしょに行動することを求められる場面も多いですから、武道系の習い事やチームスポーツもいいと思います。近年はお父さんの影響(好み?)でサッカーにハマるお子さんも多いですね。
家で準備できること
ひらがなや数字、計算などは習い事で身につけさせることもできますが、もちろんご家庭でできることもたくさんあります。
ひらがなを覚えることは、もちろん家でできます。数字や計算も、今は良いツールがたくさん売られていますから、お子さんと楽しく使えそうなものを書店などで選ぶのもおもしろいですね。
お風呂を遊んで学ぶ場に
お風呂では、一緒に数えましょう。1から順に数えるだけでなく、1つ飛ばしに数えたり、逆に数えたり。
お父さん、お母さんのアイデアでさまざまな「数え方」を試してみてください。
またひらがな、数字、アルファベットなどを覚えるためのお風呂用ポスターなども、いろんなタイプのものが発売されていますね。選んで試すのも楽しいと思います。
親子のコミュニケーションが重要な能力に
就学前に実践しておきたいことについて述べさせてもらいましたが、何よりも私が強く思うのは、お父さん、お母さんほかご家族とたくさん話をしておいていただきたいということです。
自分が思っていること、考えたことを相手に伝える「表現力」「コミュニケーション力」がこれまで以上に求められています。変化する社会の中で、お子さんがいきいきと生きていくために必要な能力です。
幼少期のお子さんが、まずコミュニケーションを取る相手となるのが、ご家族であるお父さん、お母さんです。
朝一番に顔を合わせたら「おはよう」と声をかける、食事のときには「いただきます」とみんなで声を揃える、「いってきます」「ただいま」「おかえり」「おやすみ」など家族と声をかけあう、今日あったことをお互い伝え合うなど「家族の文化」のようなものが、お子さんができたことであらためてできていった、と実感するお父さん、お母さんも多いのではないでしょうか。
そんな「家族の文化」に育てられたお子さんは、小学校に上がっても自信を持って、楽しく新しいことばかりの毎日を過ごせるものです。
お子さんといっしょに楽しみながら、小学校進学の準備をしていってください。
Profile
西村則康
教育研究家。家庭教師集団「名門指導会」代表。中学受験ポータルサイト『かしこい塾の使い方』主任相談員。日本初の「塾ソムリエ」として、塾の活用法や塾選びなどの受験ノウハウを世に送る。テレビ、新聞、教育雑誌などで活躍中。おもな著書に『いちばん得する中学受験』(すばる舎)、『中学受験基本のキ!』(日経BP社)、『頭のいい子の育て方』(アスコム)、「中学受験は親が9割」シリーズ(青春出版社)など、20冊を超える著書がある。