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子どもと野外遊びへ【第2回】親子で冬の外遊びを楽しむ方法
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植草学園短期大学准教授
植草学園短期大学准教授
植草学園短期大学准教授。私立幼稚園、国公立幼稚園、公立小学校の教諭を経て現職。「NPO法人タイガーマスク基金」理事。社会福祉法人房総双葉学園理事。「NPO法人ファザーリング・ジャパン」元理事。4人の息子の父親としての立場、保育にかかわる教員としての立場、社会的養護を必要とする子どもたちと接する立場から、子どもたちが育つ「環境」を考えることをフィールドとしている。著書に『新しいパパの教科書』(学研)、『3歳までの子育ての教科書』(アスコム)。
寒い季節は、つい大人は外に出るのがおっくうになってしまいますよね。でも子どもにとってはその「寒さ」も遊びになるのかもしれません。冬に野外遊びをする楽しさについて、子育てに関する著書などで活躍中の久留島太郎さんにコラムを書いていただきました。
寒い季節ならではの楽しみ
屋外で遊ぶことのできる時間も短くなってきて、部屋にこもりがちになる冬です。そんな季節ですが、ちょっと外へ目を向けてみてはいかがでしょうか。
前回は「外を感じる」をテーマにしましたが、今回は「外を楽しむ」ということを考えていきます。
完全防備で外へ
ヒトは寒さに対する耐性が他の動物よりも低いので、長い歴史のなかで衣服を身につけるようになったのではないかという説があります。
そうです、ヒトは寒いときに衣服を着て生きてきた動物なのです。なので、帽子をかぶり、耳あてをして、手袋をして、目と鼻と口だけが外に出るぐらいにして衣服を身に着けて外に出るのは不自然なことではないのです。寒さから守られている安心感があれば、寒い戸外もそんなに捨てたものではありません。
白い息も遊びになる
戸外に出れば、鼻から吸う空気は冷たく、口から吐く息は白い。なんだか不思議な気分になります。「なんで口から白い煙が出るんだ!」と驚きながら、大人が上手に白い息を出せば、子ども見よう見まねで白い息を出そうとチャレンジします。
白い息を吐きながら機関車になって歩いてみると、子どもたちは走り始めます。汽車になって走ればもう地面は線路、そこの場所が遊び場になります。
ちょっと甘い飲み物も準備
しばらくすると、子どもは「暑い暑い」と服を脱ぎ始めます。
「子どもは風の子」とは言われますが、同じ環境下でも「寒がる子」、「暑がる子」、「なにもせずとも気温に適応できる子」ひとりひとり異なります。お子さんの様子を見ながら衣服の調節はしてあげましょう。
ポイントは水分の補給です。出かけるときに暖かいお茶や、子どもが好きなちょっと甘い飲み物などを用意して適宜一緒に飲むようにしましょう。機関車にも給水は必要です!
外の世界の楽しさ
子どもが「寒い!」と言ったら、思いっきり抱きしめてあげましょう。冷たいほっぺにママやパパの暖かい手をあててあげれば、子どもは包み込まれる暖かさを感じることができるでしょう。
「冬の空気って冷たいんだね」と感じることができると、次の季節が楽しみになってきます。風に吹かれて落ち葉が舞う様子を見た子どもは、春に木々が芽吹く様子を見て、自分を取り巻く環境の変化に気づきます。戸外を楽しむ鍵はそこにあるのです。玄関の外の面白さに気付くことが戸外を楽しむマインドの切符になるのです。
自然とのかかわり方
「空気の匂い」が異なる四季を感じるには、戸外に出て、おもいっきり空気を吸い、その匂いを感じながら、体全体で自然とふれ合うことが、戸外遊びへの一番の近道になります。そんな自然とのかかわり方を、敢えて冬にしてみるというのも面白いのではないでしょうか。
執筆:久留島太郎
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久留島太郎
植草学園短期大学准教授。私立幼稚園、国公立幼稚園、公立小学校の教諭を経て現職。「NPO法人タイガーマスク基金」理事。社会福祉法人房総双葉学園理事。「NPO法人ファザーリング・ジャパン」元理事。4人の息子の父親としての立場、保育にかかわる教員としての立場、社会的養護を必要とする子どもたちと接する立場から、子どもたちが育つ「環境」を考えることをフィールドとしている。著書に『新しいパパの教科書』(学研)、『3歳までの子育ての教科書』(アスコム)。