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子どもと野外遊びへ【第1回】週末の朝、布団から楽しく抜け出す方法
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植草学園短期大学准教授
植草学園短期大学准教授
植草学園短期大学准教授。私立幼稚園、国公立幼稚園、公立小学校の教諭を経て現職。「NPO法人タイガーマスク基金」理事。社会福祉法人房総双葉学園理事。「NPO法人ファザーリング・ジャパン」元理事。4人の息子の父親としての立場、保育にかかわる教員としての立場、社会的養護を必要とする子どもたちと接する立場から、子どもたちが育つ「環境」を考えることをフィールドとしている。著書に『新しいパパの教科書』(学研)、『3歳までの子育ての教科書』(アスコム)。
ちょっと肌寒い週末の朝でも、楽しく布団を抜け出して、外遊びに出かけてみませんか。まずはこの週末に実践できそうな「野外遊びの第一歩」を、子育てに関する著書などで活躍中の久留島太郎さんに書いていただきました。
運動の秋!がやってきました
「外に出て体を動かして遊びましょう」そんな言葉を耳にする機会が増えてくるのがこの時期です。
しかし子どもを取り巻く社会環境や人々の生活様式は大きく変わり、子どもにとって「遊ぶ場所」、「遊ぶ仲間」、「遊ぶ時間」は年々減少傾向にあります。
また、事故や犯罪への心配などが戸外で体を動かして遊ぶ機会の減少を招いています。
文部科学省から平成24年に「幼児期運動指針について」という通知が出されるほど、子どもたちが体を動かして遊ぶことのできる環境が貧しくなってきているという現状です。
寒い季節の野外遊び
積極的に外に出て遊ぶことが楽しかった夏から徐々に空が秋の色になってきて、いつも歩いている景色もだんだんと色を変えてくると、ちょっと外で遊ぶのは寒いかも、となってきます。
そんな秋の週末は、目が覚めると隣に寝ている子どもの暖かさを感じながら、布団から出るよりも子どもを抱きしめて「まだ寝ていたいな〜」と思うのは私だけではないでしょう。
平日だとそれでも気持ちを切り替えて起きることができますが、休日だと「もう少しこのぬくもりを」と子どもといっしょに布団の中に……と考えるのも無理はないことです。
外へ出て遊ぶ第一歩
そんなときに「子どものために」と起きるのは大変なので
「自分と子どもの楽しみのために起きる」と遊び心で考えてみるのはいかがでしょうか。
寒い朝に布団から出ること。それは外に出て遊ぶことへの第一歩なのです。
大切なのは「外に出る」ということではなく「外を感じる」ことではないでしょうか。外で遊ぶのが楽しくなるためには「外を心地よく感じること」が必要です。
ダッシュで着替え競争
布団の中から手を出す、足を出す。「寒いよ〜」という声を楽しむ方法を考えるとだんだんと楽しくなってきます。
おすすめの方法は、布団の中でパジャマを脱いでしまうことです。子どもといっしょに下着一枚になってもぞもぞしながら「せーの!」と布団から出てダッシュで着替えるのです。着替え競争をしても楽しいかもしれません。
ポイントは着替えの服を布団の中で暖めておくこと。そうしないと身体がビックリしてしまいます。ちょっと冷たい着替えの服を布団の中で暖めること。それも楽しい遊びとなります。
朝の始まりに窓を開ける
また、こんな遊びもできます。パパやママが布団の中から出て、窓を全開にしてしまうのです。
布団の中から顔だけで外を感じるのです。いっしょに布団に潜り込みながら徐々に外の空気を布団の中にも入れていきます。体が慣れてきた頃を見計らって布団から出るのです。
窓を閉めて着替えたら、朝が始まります。
ベランダで外の空気を吸う
さて、布団から出ることができたら次はいざ外へ!
まずは子どもと玄関から一歩外へ、または窓を開けてベランダへ足を踏み出します。そしてすぐに部屋の中に戻ります。
「寒かったね、寒かったね」と一瞬のドキドキを共有します。「よしもう1回出てみよう!今度は10秒!」と次は少し時間を延ばします。
すると周りの景色が見えてきます。周りの空気を感じることができます。
寒い季節の楽しい散歩
抱っこができる子どもでしたら、コートやジャンバーを着て、子どもはそこから顔だけだして散歩しても楽しめます。安心のパパやママと体をくっつけて外に出るだけで子どもたちは十分に外を感じることができます。
パパやママも、子どもとだったらちょっと楽しいかもと思えるかもしれません。
これは秘策ですが、スウェットのズボンの中に子どもを入れて、カンガルーのようにお腹から顔だけだして外に出ても楽しいです(多少ズボンが伸びてはしまいますが。あと、遠出はできませんが……)
野外遊びへの第一歩
外で体を動かす第一歩は、親子で「外を感じる」ことなのです。
まずは窓を開けてみましょう!家の中でも外を感じることができるのです。まずは小さな一歩から。子どもたちと外を感じてみませんか。
※記事内で使用している参照に関する内容は、2017年11月16日時点の情報となります。
執筆:久留島太郎
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久留島太郎
植草学園短期大学准教授。私立幼稚園、国公立幼稚園、公立小学校の教諭を経て現職。「NPO法人タイガーマスク基金」理事。社会福祉法人房総双葉学園理事。「NPO法人ファザーリング・ジャパン」元理事。4人の息子の父親としての立場、保育にかかわる教員としての立場、社会的養護を必要とする子どもたちと接する立場から、子どもたちが育つ「環境」を考えることをフィールドとしている。著書に『新しいパパの教科書』(学研)、『3歳までの子育ての教科書』(アスコム)。