【小児科医監修】子どもの日焼け止め、いつから必要?お湯で落とせる?正しい選び方

【小児科医監修】子どもの日焼け止め、いつから必要?お湯で落とせる?正しい選び方

子どもの日焼け対策に日焼け止めの使用を考えているママも多いでしょう。でも、「いつから使ったらよい?毎日、塗った方がよいの? SPF50のものを使ってもいいの?お湯で落とせる?」など、分からないことも多いでしょう。そこで、日焼け止めの選び方や、使うときの注意点を解説します。

子どもにとって日焼け止めは必要?

そもそも子どもの肌に日焼け止めを塗った方がよいのか、使う場合は何歳から、毎日使ってもいいのかなどを解説します。


子どもに日焼け止めは必要?

子どもの肌は、大人に比べてとてもデリケートで、外からの刺激に弱いのが特徴です。紫外線による日焼けも、子どもの肌に刺激となり、ダメージを与えます。

そのため紫外線が強い時期(詳しくは下記ご参照ください)は、日焼け止めを使って紫外線を防ぎましょう。

骨の形成に日光は必要なので、紫外線がそれほど強くない時期は、帽子や長袖などを活用し、紫外線に肌を長時間露出しない工夫をするようにしましょう。


いつから必要?

日焼け止めを赤ちゃんに塗るママ
Alexei Zatevakhin/Shutterstock.com

生後3ヶ月未満の子どもは肌が特に敏感なので、市販の日焼け止めを塗るのは控えてください。

生後3ヶ月以上になったら使用OKですが、「ベビー用」「低刺激用」というものを選ぶようにしましょう。


1年のなかでいつからいつまで必要?

1年のなかで紫外線は、4月下旬頃から強くなりはじめ、6~9月いっぱいまでがピークに。

そのため、4月下旬から9月の終わりごろまでは日焼け止めを塗るようにしましょう

1日の中でも特に紫外線が強い10時から14時の時間帯にお出かけする際は、より紫外線のダメージを受けないよう注意しましょう。

出典:日最大UVインデックス(観測地)の年間推移グラフ/気象庁ホームページ

日焼け止めのSPFとPA

日焼け止めクリームに「SPF」と「PA」という表示を見たことがある人は多いのではないでしょうか。
この「SPF」と「PA」とは具体的にどのような意味なのでしょうか。また、ベビー用にはどのくらいの数値のものをえらんだらよいのか専門家に聞いてみました。


SPF

SPFは、肌を急激に日焼けさせるUV-Bという紫外線をどのくらい防げるかを0~50の数値で表したものです。

数値が大きいほど紫外線で皮膚が赤くなるのを防止する効果が強くなります。


PA

PAは、時間をかけて肌の内部までじりじりと日焼けさせるUV-Aという紫外線を防ぐ力を表したもので、+~++++の4段階で表しています。

+の数が多いほど効果がありますが、肌への負担も大きくなります。

ベビーや子どもへの日焼け止めの選び方のポイント

赤ちゃんの日焼け止めクリーム
© Africa Studio - Fotolia

ベビーや子どもにはどんな日焼け止めを選べばよいか、SPF値、PA値はどのくらいものがふさわしいかを解説します。


ノンケミカルのもの

紫外線吸収剤が入っていないものをノンケミカルといいます。紫外線吸収剤入りは刺激が強く、肌に合わないと肌がかぶれる場合もあるので子どもの日焼け止めはノンケミカルなものを選ぶようにしましょう。


無香料・無着色

香料や色がついているものは肌にとって刺激となる成分が含まれていることもあります。無香料で無着色のものを選ぶように心がけましょう。


シーンに応じて使い分けを

普段ならSPF20前後の日焼け止めを使用し、海などのレジャーにはSPF30前後のものを。普段のお散歩や買い物での外出のときはSPF20程度の日焼け止めで十分です。海やプールなど炎天下で紫外線を長時間浴びるときはSPF30以上の日焼け止めを使うなどお出かけのシーンに分けてSPF度数を選んでください。

PAは普段が++ぐらいで、夏場に陽ざしをたっぷり浴びるお出かけなどの際は+++のものを選んで。


ミストやスプレー式は使い方に注意

年齢が小さい子どもに日焼け止めを塗るのは意外と大変なこともありますよね。今の日焼け止めは、ローション、ジェル、クリーム、スプレー、ミストなどさまざまな形状のタイプがあります。

どの形状のものが「良い」というものはありません。子どもの好きな感触のもの、ママがケアしやすいものを選ぶようにしましょう。

クリームタイプを塗るのが大変なときにはミストタイプが便利です。ただしまわりに飛散したり、噴射の勢いで赤ちゃんが驚くこともあるので、1度ママの手にスプレーをし、それを塗るようにするなどの注意が必要です。

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正しい使い方と注意点

「顔を塗る際の1回の適量は?」「お湯で落ちる?」など、ママたちが疑問に感じやすい日焼け止めの使い方と注意点について解説します。


適量を使う

クリームタイプの日焼け止めは、顔1回分で真珠1粒分程度、スプレータイプなら1回1プッシュ程度で子どもに使うのはちょうどよい量です。商品によって多少の違いがあるので、使用量を確認してから使いましょう。

数時間ごとに塗り直す

赤ちゃんは汗をかきやすいので、日焼け止めが落ちないよう2~3時間ごとに塗り直すことが大切です。


顔に塗る前に体に塗る

まれに初めて使う日焼け止めで肌がかぶれたり炎症が起こるケースもあります。まず体の目立たない部位に塗って反応を見ましょう。大丈夫そうなら顔に塗るようにしてください。


せっけんで落とす

お風呂に入る子ども
© Narong Jongsirikul - Fotolia

日焼け止めを長時間塗っていると肌に負担がかかります。できれば日焼け止めを塗った部分は、帰宅後なるべく早めに石けんで洗うようにし、塗った日の夜にはきちんと落とすようにしましょう。

今は、お湯で落とせる日焼け止めもあるようなので、使い方を購入時に確認を。


日焼け止め+グッズなど複合ケアを

日焼け止めだけで日焼け対策をするのではなく、日焼け止めと帽子やUVカットの上着などの日よけグッズを複合的に使うとより入念にケアができます。

日焼け止めで子どもの肌を紫外線から守ろう

公園で遊ぶ女の子
© shirohige – Fotolia

子どもの肌はデリケートなので、紫外線が強くなり始める4月下旬~9月頃までは日焼け止めを活用して肌を守ることが大切です。日焼け止めのSPFやPAなどの意味を知って、子どもの肌にとってふさわしい数値のものを選ぶようにすることもポイント。また、用量や落とし方もきちんと確認しましょう。

上手に日焼け止めを選んで活用し、 子どもの肌を日焼けから守ってあげてくださいね。


監修:眞々田 容子(クローバーこどもクリニック)

Profile

眞々田容子(クローバーこどもクリニック)

眞々田容子(クローバーこどもクリニック)

台東区蔵前の小児科クローバーこどもクリニック院長。信州大学医学部卒業。日本小児科学会専門医、日本アレルギー学会専門医。ホリスティック医学協会会員。 症状だけを診ていくのではなく、患者さんの心身全体の状態をみていく”心と身体をつなげる”医療をしています。 お母さんの子育ての不安が少なくなるよう、診療内でお話しをしっかり聴いていきます。

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